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【新型コロナ】外出自粛により生活リズムが変化 生活が夜型になった人は体重が増えやすい 3万人を調査

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響を受けて、外出自粛やテレワーク、オンラインでの仕事が増え、生活リズムが変化したという人が多い。
 約3万人を対象に行われた調査で、外出自粛により生活が夜型化した人は体重が増え、朝型化した人は体重が減ったことが明らかになった。
 体内時計に狂いが生じないようにするため、生活スタイルを工夫することが重要だ。
新型コロナの影響で生活リズムに乱れが
 不規則な生活などが原因で、体内時計と生活時間との間にずれが生じるのが「社会的時差ボケ」(ソーシャル ジェットラグ)だ。

 平日は規則正しい生活をおくっていても、週末に夜更かしや朝寝坊をして就床時刻や起床時刻がずれると、それをきっかけに体内時計が乱れ、時差ボケのような症状をまねくことがある。これが「社会的時差ボケ」で、睡眠医療の研究で注目されている。

 とくに新型コロナウイルス感染症に対する不安や、外出自粛にともなう日常生活の変化などの影響で、生活リズムが乱れてしまう人は多い。

 そこで、早稲田大学などの研究グループは、食事管理アプリ「あすけん」の利用者に対し、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛中の生活リズムの変化についてアンケート調査を行い、約3万人から回答を得た。

 コロナ禍による外出自粛やテレワーク、オンライン授業などが、生活リズムなどにどのように影響したかを大規模に調査した。

 研究は、早稲田大学理工学術院の柴田重信教授、田原優准教授、askenらの研究グループによるもの。研究成果は、2020年8月にオンライン開催された第7回日本時間栄養学会学術大会のワークショップ「個人ベースの時間栄養・運動」で発表された。
生活が夜型になった人は体重が増加
 研究グループは5月~6月に、スマートフォン・アプリの「あすけん」の利用者を対象にアンケート調査を実施。10代から70代までの男女が対象で、有効回答数は3万275人だった。

 「あすけん」は、食事を記録することでカロリー計算や体重管理などができるスマートフォン・アプリ。

 その結果、外出自粛により平日・休日に関わらず、睡眠時刻が朝型(早寝、早起き)になった人は体重が減り、夜型(遅寝、遅起き)になった人では体重が増える傾向があることが分かった。

 体重が増えた人は減った人に比べ、外出自粛中に活動量が低下し、「ダイエットに挑戦しなかった」と答えた人が多く、間食も増え、さらに睡眠の質も低下していた。

 睡眠不足や社会的時差ボケは、肥満の原因になる。しかし今回の研究では、睡眠の長さや社会的時差ボケと体重変化との関連はみられなかった。体重が増えた人も減った人も睡眠時間が増加し、社会的時差ボケが減少していた。

 したがって、短期間の体重変化に影響をもたらすのは、生活の朝型/夜型の変化、それにともなう活動量、間食、睡眠の質の変化などだと考えられるという。
生体リズムに合った食生活をおくるために
 「時間栄養学」は、「何をどれくらい食べれば良いか」を考える従来の栄養学に、「いつ食べると健康に良いか」という体内時計の視点を加えて、食事のリズムと機能性との関係について研究する新しい学術分野。

 「夜食は太るので、寝る前には食べない」といった、生体リズムに合った食生活を考えるためにも有用と考えられている。

 平日の社会生活(仕事や学校)による早起きと睡眠不足(睡眠負債)に、休日の夜更かしや朝寝坊による夜型化が重なると、社会的時差ボケになりやすい。

 「生活パターンの朝型や夜型の指向性は、生活習慣や外的環境によって、また遺伝的素因によって影響を受けます。夜型の人は体内時計が遅れやすく、たとえ朝型生活にトライしても、気を抜くと夜更かしや朝寝坊しがちです。生活パターンを夜型から改善するような、効果的な対策が必要です」と、研究者は述べている。
社会的時差ボケは肥満や2型糖尿病にも影響
 米国のピッツバーグ大学が30~54歳(平均年齢42.7歳)の男女447人を対象に行った研究でも、平日と休日で睡眠時間の差が大きい人では、体格指数(BMI)が高く、ウエスト周囲径が大きく、コレステロール値も高い傾向がみられた。

 そうした人では、糖尿病予備群と判定される割合も高かった。血糖を下げるインスリンの空腹時の値が高く、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性が起きている人も多く見受けられた。

 「社会的時差ボケは肥満や2型糖尿病、心臓病の発症リスクを高めます。週末だけの生活リズムの乱れと軽く考えがちですが、体への影響は決して少なくありません」と、研究者は述べている。
社会的時差ボケを防ぐための5つの生活スタイル
 概日時計(体内時計)は、睡眠と覚醒、体温、ホルモン分泌など、体のさまざまな機能にみられる昼夜差や日内変動を制御しているシステム。

 社会的時差ボケを防ぐために、体内時計に狂いが生じないように生活スタイルを工夫することが必要だ。

 ピッツバーグ大学医学部によると、次のことを実行すると体内時計のずれを解消しやすい。

快眠はまずは規則正しい生活から

 規則正しい生活によって、体内時計がホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、睡眠に備えて準備してくれる。この準備は自分の意志ではコントロールできない。体内時計を整え、体を睡眠に導くために、毎日同じ時刻にベッドに入ることが必要だ。

夜遅い時間に食事しない

 体内時計を整えるために規則正しい食事が望ましい。食事で摂取した食べ物が消化・吸収されるまでに2~3時間が必要となる。夜遅い時間に夕食をとると、胃の消化活動が活発になり、大脳皮質や肝臓の働きが活性化し、結果として睡眠が妨げられる。

適度な運動が良い睡眠をもたらす

 日中に体をアクティブに動かし運動する習慣のある人は、質の良い睡眠を得られるという調査結果がある。30分のウォーキングなどの運動を毎日続けよう。運動の習慣化は、睡眠の質を高めるだけでなく、肥満や2型糖尿病の予防にもつながる。

入浴して深部体温を上げる

 寝る少し前に体の奥の体温である「深部体温」をいったん上げると、その後に下がって、眠りに入りやすくなる。入浴には加温効果があり、運動と同じように体温を一時的に上げる。就寝1~2時間前に入浴すると深部体温が上がり、その後に睡眠に入りやすくなる。

光で体内時計を整える

 朝に太陽光を浴びると体内時計が24時間周期にリセットされる。起きたらまずカーテンを開けて、自然の光を部屋の中に取り込むと効果的だ。
 反対に夜に強い光を浴びると睡眠が妨げられる。夜の光には体内時計を遅らせる作用があり、時刻が遅くなるほどその力は強まる。照度が100~200ルクスの家庭照明であっても、長時間浴びると体内時計が乱れる原因になる。
 スマートフォンやパソコンの画面にも注意が必要だ。スマートフォンなどの画面に含まれるバックライトには波長の短いブルーライトが含まれており、体内時計に影響を与えやすい。スマートフォンは目のすぐ近くで操作するのでとくに影響が強い。寝る前にはスマートフォンを操作しないようにしよう。

早稲田大学理工学術院
第7回日本時間栄養学会学術大会
Weekday Sleep Changes May Raise Risk of Diabetes, Heart Disease(米国内分泌学会 2015年11月18日)
Social Jetlag, Chronotype, and Cardiometabolic Risk(Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 2015年11月18日)
The Social Jet Lag Study(ピッツバーグ大学)
[Terahata]

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