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リストの最初の単語を覚えられなくなったら要用心

 15の単語からつくられたリストの最初の4つを記憶するのが難しくなると、認知症の初期徴候である可能性があるという研究が発表された。

 「いくつかの単語を言いますから、順番は気にせずに覚えてください」という問いをしたときに、多くの人は最初と最後に提示した単語を覚えていて、真ん中あたりに提示された単語はあまり覚えていない。

 このように、最初に提示された単語の再現率が高いことを「初頭効果(primacy effect)」、最後に提示された単語の再現率が高いことを「新近効果(recency effect)」という。

 「リストのはじめの単語を覚えれなくなることは、認知能力の低下の兆しです」と、ニューヨーク州にあるネイサン・クライン精神医学研究所のヌンツィオ ポマーラ博士は指摘する。

 研究は、開始時に認知症の徴候が認められなかった60~91歳の高齢者200人を対象に4年間行われた。

 研究チームは、参加者に15の単語でつくられたリストを5回読み上げて、20分後に覚えている単語をなるべく多く言ってもらう記憶テストを行った。同時に認知機能を評価するテストも行った。

 4年間に認知テストの得点が低下していった高齢者は70人程度だった。記憶テストの点数が低く単語を覚えられない高齢者ほど、その後の認知テストの得点は低下する傾向がみられた。

 興味深いことに、リストのはじめの単語を覚えている初頭効果が低下した高齢者ほど、認知テストの成績は低下していた。15の単語からつくられたリストの最初の4つを記憶するのが難しくなると、認知テストの得点は大きく低下していった。

 「海馬状隆起は記憶や学習を司る脳の重要な領域です。海馬状隆起にダメージが生じると、初頭効果の能力が低下しやすいと考えられます。今回の研究は、簡単なテストで認知障害を予想する可能性を示したものです」(ポマーラ博士)。

 認知症の前の段階といえる「軽度認知障害」を見極めることができれば、早く治療を始められ、認知症への進行を遅らせることができるという。

Decreased Recall of Primacy Words Predicts Cognitive Decline(Archives of Clinical Neuropsychology 2013年1月7日)

[Terahata]
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