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果物が糖尿病リスクを低下 週3回食べると効果的

 リンゴやブドウ、ブルーベリーなどの果物を週に3回食べると、糖尿病の発症リスクが低下することが、米国の18万人以上を対象とした研究で明らかになった。ただし、糖分が多く食物繊維が含まれない果物ジュースを飲むと、逆に糖尿病リスクは上昇するという。
果物は皮を含めまるごと食べることが大切

 この研究は、ハーバード公衆衛生大学院栄養学部の村木功氏が主導して行われたもので、英医学誌「ブリティッシュ メディカル ジャーナル」に発表された。

 研究チームは合計18万7,382人を対象とした3件の研究を解析し、どのような食事スタイルをもっている人が2型糖尿病を発症しやすいかを調査した。調査期間中に1万2,198人(6.5%)が糖尿病を発症した。

 調査の結果、ブルーベリー、ブドウ、レーズン、リンゴ、西洋ナシなどの果物を、週に3回食べていた人では、2型糖尿病を発症する割合が約10%低下したことを突き止めた。特にブルーベリー、ブドウ、リンゴを週に2回以上食べていた人では、まったく食べない人に比べて糖尿病のリスクが23%減少していた。

 糖尿病リスクがもっとも低下した果物はブルーベリーで、糖尿病の発症率は33%低下した。ブルーベリーには、ビタミンAやビタミンC、βカロテンなどに加え、抗酸化作用の強いフラボノイドやポリフェノールが豊富に含まれる。

 果物や野菜には含まれるポリフェノールなどは、体の健康維持・増進に役立つ作用をもつことが解明され、「フィトケミカル」と呼ばれ注目されている。フィトケミカルは、植物自身が紫外線や害虫から自分を守るために作り出す物質で、果物や野菜の色素や香りの成分になっている。老化を促進し2型糖尿病やがんなどの原因になる活性酸素を消去する働きがあると考えられている。

 ブルーベリー以外の果物では、ブドウとレーズンは19%、プルーンは18%、リンゴと西洋ナシは14%、それぞれ糖尿病リスクを低下させた。オレンジやイチゴでは、糖尿病リスクは変わらなかった。1週間に飲む果物ジュースのうちの3回分を果物に変えることで、糖尿病のリスクが7%減少することも分かった。

 「果物や野菜を食べることが、健康的な食事スタイルとして奨励されています。今回の研究では、糖尿病を予防するために、果物を食べることが効果的であることが、あらためて示されました。ただし、果物は皮を含めてまるごと食べることが大切で、食物繊維が含まれない果物ジュースは勧められません」と、村木氏は説明する。

 果物ジュースに含まれるのは果汁のみで、また果汁に含まれる糖質、単糖類である果糖(フルクトース)であり、短時間に血糖値を上げやすいという。一方、果物をまるごと食べると、食物繊維が豊富なために、消化吸収のスピードが遅くなり、血糖値の上昇は緩やかになる。

 実際に、果物ジュースをよく飲む人では、糖尿病リスクは7%上昇していた。市販されている果物ジュースは、砂糖などを加えカロリーを増やしているものが少なくなく、肥満予防の観点からも勧められないという。

Skip the juice, go for whole fruit(ハーバード公衆衛生大学院 2013年8月29日)
Fruit consumption and risk of type 2 diabetes: results from three prospective longitudinal cohort studies(BMJ 2013年8月29日)

[Terahata]
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