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働くがん患者の治療と就労を支援策を検討へ 厚労省
2014年02月27日
厚生労働省は2月17日、「がん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会」の第1回会合を開催し、がん患者の就労における現状や、現在の取組、がん患者の就労における課題・ニーズについての議論を行った。厚労省によると、仕事をしながらがん治療の通院している人は32.5万人に上るという。
検討会に提出された資料によると、仕事をしながらがん治療の通院している人は32.5万人のうち、男性は14.4万人、女性は18.1万人だった。
年齢別にみると、男性では60~69歳が最も多く6.1万人、次いで50~59歳(3.4万人)、以下70歳以上(3.2万人)、40~49歳(1.1万人)、15~39歳(0.5万人)となっている。女性は、50~59歳が最も多く7万人、次いで40~49歳(5万人)、60~69歳(3.4万人)、15~39歳(2万人)、70歳以上(0.7万人)となっている。
がん患者が働く職場の企業規模をみると、1000人以上・官公庁で28%と最も多く、次いで1~29人(26%)、100~499人(19%)、30~99人(16%)、500~999人(6%)と、あらゆる規模の企業で働いていることがわかった。
内閣府が行った「がん対策に関する世論調査」によると、仕事と治療の両立について、「がん治療のための通院が2週間に1度程度必要となった場合、働き続けられる環境にあるか」といった質問に対し、約7割の人が「そう思わない」と回答した。また、政府に対する要望として、「がんによって就労が困難になった際の相談・支援体制の整備」を上げた人が半数に上った。
がん患者・経験者の就労問題を調査した厚労省研究班によると、がんと診断された後、勤務者の34%が依願退職または解雇されており、自営業者においても13%が廃業している実態がわかった。
検討会では、今後、月1回の開催を予定しており、先進的な取組の把握や、がん患者の治療と職業両立をとりまく課題明確化、がん患者及び小児がん患者・経験への就労支援あり方等について検討し、夏頃をめどに支援策を取りまとめる予定としている。
第1回がん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会 資料(厚生労働省)
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