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握力が低下すると心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇 握力が体力の指標に

 握力検査を行うと心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを簡単に判定できる可能性があるという研究結果を、カナダのマクマスター大学の研究チームが発表した。
握力の測定は心筋梗塞や脳卒中の簡単で安価な検査法
 「握力の測定は、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを知るための、簡単で安価な検査法となります。その効果は血圧測定と同等以上である可能性があります」と、マクマスター大学のダリル レオン氏は言う。

 研究チームは、世界17ヵ国の35~70歳の男女13万9,691人を対象に調査、4年間にわたり健診を行い、握力計で握力を測ったほか、体力測定を行った。

 その結果、握力が5kg低下するごとに、何らかの原因による死亡リスクが16%増加することが判明した。握力が低下することで、心血管疾患のリスクは17%、心筋梗塞リスクは7%、脳卒中リスクは9%、それぞれ増加した。

 今回の研究では収縮期血圧(最高血圧)よりも握力の方が、早死に関する有意な予測因子である可能性が示唆された。ただし、糖尿病、呼吸器系疾患、転倒による外傷または骨折などと握力との関連性は認められなかったという。

 「握力の低下は、体全体の体力の低下と関連しています。医療従事者は、高齢者の健診を行うときに、握力測定も含めるべきです」と、レオン氏は指摘する。

高齢者は全身の筋力を向上するトレーニングが必要
 日本の厚生労働省の研究班が福岡県久山町に住む40代以上の住民を約20年間にわたる追跡調査した研究でも、同様の結果が示されている。この研究では、握力がもっとも強いグループは、もっとも弱いグループに比べ、死亡リスクは、最も弱い組より約4割も低下するという結果になった。

 握力で全体の筋肉の状態を知る目安になる。男性は握力が30kg、女性は25kgを下回ると注意が必要だ。ペットボトルのフタが開けにくくなると、握力はかなり低下しているおそれがある。

 高齢者は握力に限らず、転倒予防などのために下半身の筋力を維持するような運動も必要となる。「握力は全身の筋力のひとつの指標と考えるべきで、これらの筋力が低下しているからといって、部分的に筋力トレーニングを行うのは不十分です。運動をする場合は、全身の筋力が向上するようなトレーニングを行う必要があります」と、レオン氏は説明している。

 握力の強さは個人の体力や体重などによって異なる可能性があるため、誤差を調整するためのさらに研究が必要となる。筋力トレーニングを行い握力を高めると、循環器疾患のリスクを低下できるかどうかを解明するために、さらに研究が必要だ。

A weak handshake could mean an early death(マクマスター大学 2015年5月14日)
Prognostic value of grip strength: findings from the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study(Lancet 2015年5月13日)

[Terahata]

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