ニュース

くるみを食べて心筋梗塞、脳卒中、肥満、がん、認知症を予防

くるみの最新の研究成果を第12回アジア栄養学会議(ACN2015)で発表
カリフォルニア くるみ協会

 くるみは世界の研究者が注目している健康的なホールフードです。日常の食生活にくるみを取り入れることが健康を改善するという研究報告は世界中で発表されています。
 くるみには、悪玉(LDL)コレステロールを低下させ心血管リスクを削減する、また脳卒中、肥満、がんといった生活習慣病を予防するなどの健康効果があることがさまざまな研究で示されています。

 カリフォルニア くるみ協会は2015年5月16日と17日に、パシフィコ横浜で開催された第12回アジア栄養学会議(ACN2015)で、くるみに関する最新の研究成果を紹介するシンポジウムとランチョンセミナーを開催しました。
欧米のくるみの研究者が来日 第12回アジア栄養学会議で講演
 カリフォルニア くるみ協会では、1995年よりくるみの効能を科学的に研究する諮問機関(Scientific Advisory Council=SAC)を立ち上げ研究を促進してきました。現在までに、心臓の健康、糖尿病、がん、認知、妊娠、体重管理の各分野でくるみが果たす役割を扱った査読論文が160件以上発表されています。

 パシフィコ横浜で開催された第12回アジア栄養学会議(ACN2015)で、栄養学の研究者が来日し、くるみの健康効果に関する最近の研究成果を5月16日~17日に発表しました。ACN2015は、栄養と食品に関する大型の国際会議で、「健康長寿のための栄養と食糧」をテーマに、5月14日~18日までに特別講演19題、一般演題1,500題、シンポジウム52セッションが行われました。カリフォルニア くるみ協会は、日本でも今後くるみの調査研究が積極的に行われ、エビデンスの構築がなされることを期待しています。

くるみを毎日食べると健康上のベネフィットを得られる
 くるみの効果をめぐる研究はきわめて幅広く行われています。ランチョンセミナーではワシントン大学(セントルイス)のコニー・ディークマン氏(教育学修士、登録栄養士、認定スポーツ栄養学スペシャリスト、認定栄養士、米国栄養士会フェロー)が、くるみが心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、メタボリックシンドローム、がんなどのリスクを低減することを示した最新の研究結果を紹介しました。

 ひとつかみほど(28グラム)のくるみが、コレステロール低下や抗炎症作用以外にも重大な健康効果を示すことが証明されています。カリフォルニア くるみ協会では1日にひとつかみほどのくるみを食べることを推奨しています。

 くるみは栄養価の高い食品で、1オンス(28グラム)のくるみに含まれる脂肪酸18gのうち多価不飽和脂肪酸(PUFA)は13グラムを占めています。くるみに含まれる栄養素の中で、特に注目を浴びているのがオメガ3(n-3系)脂肪酸です。くるみはオメガ3脂肪酸であるアルファリノレン酸(ALA)のすぐれた供給源で、28グラム中に2.5グラム含まれており、これはナッツ類で2番目に含有量の多いものの5倍以上に相当します。

 ナッツ類の中でオメガ3脂肪酸がもっとも多く含まれるくるみは、コレステロール値や中性脂肪値を下げ、動脈硬化を防ぎ、心臓病、脳卒中、糖尿病、肥満、高血圧、がんなど、いわゆる生活習慣病の予防効果を発揮することが、アメリカ、スペイン、中国、日本、オーストラリア、ニュージーランドなど世界各国で行われた研究によって示されています(※1)

 過去に発表された研究では、くるみが体重コントロールを改善し、男性の健康をサポートし生殖力を高める働きがあることが示唆されています。また、くるみを1日に13グラムを食べると、アルツハイマー病などの認知症を防いだり遅らせるのに加え、認知機能の向上と全体的な脳の健康を保つのに効果的であることが、米国健康栄養調査(NHANES)の結果から示されました(※2)

くるみは栄養バランスの優れたホールフード
 くるみは心臓血管の健康に良い効果をもたらすことを示した研究が多く発表されたのを受け、米国食品医薬品局(FDA)は2004年にくるみをホールフード(加工・精製の度合が低い、丸ごと食べられる食品)としてはじめて承認しました。

 ウーロンゴン大学(オーストラリア)栄養・食品学のリンダ・タプセル教授は、「健康増進のために栄養バランスの優れた食事が求められます。さまざまな食品と食品に含まれる栄養素、食習慣全体に注意を向ける必要があります。くるみは栄養をバランス良く摂取できる重要なホールフードです。くるみを利用すれば、オメガ3脂肪酸をはじめとする簡単かつ手軽に食事に取り入れられます」と言っています。

 ハーバード公衆衛生大学院の研究者が発表した研究で、くるみを豊富に含む食事により、体重増加をもたらすことなく、総コレステロール値とLDLコレステロール値が低下することが確かめられました(※3)

 また、ハーバード公衆衛生大学院では、1週間に2サービング以上のくるみを食べると、2型糖尿病の発症リスクが33%減少することが明らかになりました。くるみに豊富に含まれる多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取量が多いと2型糖尿病リスクが低くなると考えられています(※4)

くるみを取り入れた地中海食で心筋梗塞や脳卒中を予防
 ホスピタルクリニコ(スペイン)の脂質クリニック所長のエミリオ・ロス氏は、地中海食の食事パターンの効果を評価した画期的な「PREDIMED(地中海食による疾患予防)試験」の結果を紹介しました。

 PREDIMED試験は、心血管系疾患の一次予防における地中海食の効果を調べる目的で、多施設無作為試験としてスペインで行われました。エクストラバージンオリーブオイル、またはくるみ15グラムを含むナッツ類30グラムを加えた地中海食が、低脂肪食と比べて心血管系疾患(心筋梗塞、脳卒中、心血管系死亡)をどれだけ防ぐか調べる目的で行われました。

 その結果、くるみを中心としたナッツ類を加えた地中海食群では、低脂肪食を摂取した対照群と比べて、心血管系疾患のリスクが30%抑制され、脳卒中に限るとリスクが49%抑制されることが示されました(※5)

 炎症反応によるダメージが繰り返されるとやがて動脈硬化の原因となり、これが心臓疾患につながります。心臓疾患のリスクの抑制に、くるみが重大な役割を果たすことが示されています。心臓に対するくるみの効果としては、コレステロール低下、炎症抑制などがあります。研究では、くるみを摂取することで血管内皮機能が改善することが判明しました(※6)

 さらに、PREDIMED試験のサブ試験において、くるみ15グラムを含むナッツ類30グラムを加えた地中海食を摂取した人は、記憶力に有意な改善を示しました。くるみに豊富に含まれるアルファリノレン酸(ALA)とポリフェノール類がこの有益な効果をもたらしたと考えられます。

くるみに抗がん作用がある可能性が研究で判明
 コネティカット大学医学部のダニエル・ローゼンバーグ教授は、くるみの摂取とがんの予防についての最近の研究を解説しました。くるみに含まれる栄養成分は、がんの発症を抑制する効果があると期待されています(※7)

 くるみに含まれるアルファリノレン酸(ALA)や、抗酸化作用のあるγ-トコフェロールが、がんの発症に伴い起こる炎症作用を抑制すると考えられています。くるみは、植物に含まれるフィトケミカルのひとつであるフィトステロールや、食物繊維などもバランス良く含む、理想的な食品です。

 ハーバード大学医学部が、くるみを含むナッツ類と膵臓がんの発症について調査しました。ナッツ類をよく食べる女性は、その摂取量が多いほど膵臓がんのリスクが低くなることが示されました。週に2回以上、1オンス(28グラム)のナッツ類を食べていた女性は、ほとんど食べることのなかった女性と比べ、膵臓がんのリスクが35パーセント減少しました(※8)

 また、フランスで47万人以上の男女を対象に行われた調査では、くるみを含むナッツ類をよく食べる女性では、結腸がんの発症が31%減少しました(※9)

 テキサス大学保健科学センターの研究者らによる研究で、くるみを加えた食餌を与えられたマウスでは前立腺がんの発生率がわずか18%だったのに対し、くるみを加えない対照食を与えられたマウスでは44%となり、がんの発生したマウスにおいても、くるみ食群の腫瘍の平均サイズは対照食群と比べて4分の1になることが明らかになりました(※10)

 ローゼンバーグ教授は「くるみのがん予防効果についてはさらなる研究が必要ですが、過去の研究でくるみに含まれる栄養素が数種類のがんの発症を予防したり、進行を遅らせたりするのに有効である可能性が示唆されています」と述べています。

くるみを上手に食生活に取り入れる方法を紹介
 くるみは、さまざまな食べ方ができます。工夫次第で毎日飽きずに、くるみを上手に食生活に取り入れることができます。カリフォルニア くるみ協会のサイトには、くるみレシピのアイデアをはじめ、くるみの摂取に関するさまざまなヒントが掲載されています。

カリフォルニア くるみ協会(California Walnut Commission/CWC)とは
 1987年に創設されたカリフォルニアくるみ協会は、生産者に義務づけられる分担金で資金を調達しています。カリフォルニア州の機関の1つとして、カリフォルニア州食料農業局(CDFA)長官と協力して業務に当たります。主に保健研究と輸出市場開拓の活動を行います。
 対日活動は1986年にスタートし、その主な役割はカリフォルニア産くるみの需要拡大を目的とする宣伝、PR、販売促進、調査などを企画実施することにあります。海外では日本の他に韓国、中国、インド、ドイツ、スペイン、トルコに代表事務所を置き、高品質なカリフォルニア産くるみを広めるための様々なマーケティング活動を展開しています。

カリフォルニア くるみ協会

[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2017年06月28日
がん検診の受診率 50%超は男性肺がんのみ 乳がんと子宮頸がんは低迷
2017年06月28日
週1回のセックスが脳の老化を防止 50歳以降の性生活が健康に関与
2017年06月28日
1日20分の運動でも効果がある 「クロスフィット」が糖尿病の改善に有用
2017年06月28日
植物性食品ベースの食事療法で2倍の減量に成功 筋肉脂肪を減らす効果も
2017年06月28日
膵臓がん 簡易な血液検査で早期発見 鹿児島で臨床研究を開始
2017年06月28日
妊婦の半数以上が妊娠前・妊娠中に医薬品・サプリを使用 10万人を調査
2017年06月27日
【新連載】日本の元気を創生する ‐開業保健師の目指していること‐
2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 講習会の日程を発表
2017年06月21日
日本の介護の現状をレポート 「介護社会」の本格的な到来に備える
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要

最新ニュース

2017年06月28日
がん検診の受診率 50%超は男性肺がんのみ 乳がんと子宮頸がんは低迷
2017年06月28日
週1回のセックスが脳の老化を防止 50歳以降の性生活が健康に関与
2017年06月28日
1日20分の運動でも効果がある 「クロスフィット」が糖尿病の改善に有用
2017年06月28日
植物性食品ベースの食事療法で2倍の減量に成功 筋肉脂肪を減らす効果も
2017年06月28日
妊婦の半数以上が妊娠前・妊娠中に医薬品・サプリを使用 10万人を調査
2017年06月28日
膵臓がん 簡易な血液検査で早期発見 鹿児島で臨床研究を開始
2017年06月27日
【新連載】日本の元気を創生する ‐開業保健師の目指していること‐
2017年06月26日
3つのアプリを開発「考えよう!いじめ・SNS@Tokyo」
2017年06月26日
子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性を発表
2017年06月22日
【健やか21】子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性
2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 講習会の日程を発表
2017年06月21日
日本の介護の現状をレポート 「介護社会」の本格的な到来に備える
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要
2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
2017年06月21日
「健康長寿新ガイドライン」を策定 東京都健康長寿医療センター
2017年06月20日
「血糖トレンドを知るには。」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2017年06月19日
広がる電子母子手帳~健康情報を管理するアプリとも連携(神奈川県)
2017年06月16日
【健やか21】子ども外傷患者初期対応アセスメントシート 活用マニュアル
2017年06月15日
乳がん検診は今後はどう変わる? 「高濃度乳房」の実態調査を開始
2017年06月15日
食育推進計画を策定した市町村は78%に上昇 「平成28年度食育白書」
2017年06月15日
日本初の「心房細動リスクスコア」を開発 検診項目からリスクが分かる
2017年06月15日
赤ワインのポリフェノールで血管が柔らかく 糖尿病の動脈硬化も改善
2017年06月15日
内臓脂肪が増えるとがんリスクが上昇 腹囲の増加は「危険信号」
2017年06月15日
HbA1cを測定できる「ゆびさきセルフ測定室」 全国に1,500ヵ所以上
2017年06月08日
【健やか21】子ども・若者育成支援「専門分野横断的研修」研修生募集
2017年06月07日
若い世代の産業保健師を育成するプロジェクトがスタート
2017年06月07日
産業保健プロフェッショナルカンファレンス サイトを公開
2017年06月07日
糖尿病医療に貢献するビジネスプランを募集するコンテストを開始
2017年06月07日
健康に生きるための5つの「ライフ スキル」 人生で勝つために学びが必要

おすすめニュース

無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,135 人(2017年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶