ニュース
ダイエットを成功させる3つの条件 「便利」「魅力的」あと1つは?
2015年05月26日
健康的なダイエットを成功させるには、少しの工夫が必要だ。健康的な食事スタイルを促すために、3つの条件が必要であることを、米国コーネル大学の研究チームが突き止めた。
健康的な食事スタイルを促す3つの条件
米国コーネル大学の研究チームは、過去に行われた食事療法に関する112件の研究を分析し、健康的な食事スタイルを促すには3つの条件が必要であることを明らかにした。
その条件とは、(1)便利であること(Convenient)、(2)魅力的であること(Attractive)、(3)日常的であること(Normal)。頭文字をとって「CAN」が揃うと、食事内容は改善しやすいと、コーネル大学のブライアン ワンシンク教授は指摘する。
一般的に、人は食事内容を決めるとき、直感的に食品を選んでいる。食事をコントロールしている人でも、何を食べたらよいか、どれだけ食べれば良いかを、ゆっくりと分析している余裕はない。「健康によい食品を選ぶための環境を整えることが成功への近道です」と、ワンシンク教授は言う。
袋詰めのサラダを活用するのも効果的
CANを実践するには、まず栄養価の高い食品を「便利な選択肢」にすることだ。例えば、台所の目に付きやすい場所に野菜を入れたボウルを置いておけば、あるいはカフェテリアのレジの横にあれば、野菜に手が届きやすくなる。
また、野菜を冷蔵庫の奥にしまうよりも見えるところに置くほうが、便利なだけでなく魅力的な選択肢となる。食品の魅力には見た目や入手しやすさなどの因子も関わってくる。
「試しに野菜売り場で10分を過ごしてみてください。これにより、多く野菜や果物が魅力的に見え、購入しやすくなります」と、ワンシンク教授は言う。
袋詰めのサラダを活用する方法も有効だ。泥がついた新鮮な野菜を買って調理するのがベストなのは分かっていても、野菜を洗って、切ってというプロセスは思いのほか面倒だ。
袋詰めのサラダであれば、手軽に作れて時間の節約にもなる。食品を日常的なものにするためには、果物や野菜は生でなくてはならないという思い込みを捨て、缶詰や冷凍も利用する方法も効果的だ。
食事を魅力的にする効果的な方法
適切なアドバイスを得られれば食事は難しくない
ワンシンク教授は、食生活で改善できるちょっとした工夫として、次のことを挙げている――
買ってきた野菜はそのまま冷蔵庫にしまわないで、お皿に移して目につく場所に置く。
お菓子など高カロリーの食品を、目立つ場所に置かない。
料理や食品を小さめのお皿に盛る。お皿のサイズを小さくすると、満足感を得られやすくなり、食べる量を減らせる。
食料品店に行くときは、空腹時は避ける。空腹のまま買い物をすると、自分では気が付かないうちに、高カロリーの食品を買い求めてしまう傾向がある。
無意識の飲食習慣を注意する。無意識に食べてしまう量は食事全体の約20%ぐらいだ。つまり、ふだんの量の食事でも、2割は食べても食べなくても同じだ。
テレビを見ながら食べると、食べすぎにつながる。食事のときはテレビを消そう。
食事の間隔をなるべく空けないようにしよう。特に夕食の時間が遅く、空腹の時間が長く続くと、どか食いにつながりやすくなる。
食事にちょっとした工夫を加え、月に25日以上続けることができれば、体重コントロールにかなりの確率で成功するという。
ワンシンク教授は504人の肥満や過体重の人を対象に実験を行った。上記のアドバイスを実行した人の42%が減量に成功し、27%は体重を維持していたという。減量幅がもっとも大きかったのは、アドバイスを月に25日以上実行し続けた参加者だった。
「適切な食事のアドバイスを得られれば、食事のコントロールは難しくありません」と、ワンシンク教授は指摘している。
The CAN Approach to Healthier Eating(コーネル大学食品ブランド研究所 2015年4月29日)Mindless Eating
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「栄養」に関するニュース
- 2023年08月28日
- 極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
- 2023年08月28日
- カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
- 2023年08月28日
- 週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
- 2023年08月28日
- 高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
- 2023年08月21日
- 朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
- 2023年08月21日
- ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
- 2023年08月15日
- スマホやゲーム機で遊ぶ時間が長いと睡眠障害に 子供の言語力や認知力の発達が低下 食習慣も大切
- 2023年08月08日
- 若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
- 2023年08月07日
- 【がん予防の経済効果】 がんのリスク要因を減らして1兆円超の経済的負担を軽減 生活スタイルや環境の改善が重要
- 2023年08月01日
- 肥満やメタボになりやすい生活習慣は子供のうちに身についている 子供の頃から保健指導が必要