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女性に多い骨粗鬆症 ホルモン減少が原因 予防に効果的な食品が判明
2015年11月25日
骨粗鬆症は女性に多い病気だ。骨粗鬆症を防ぐために効果的な方法が、国際内分泌学会で発表された。
女性ホルモンの減少が骨粗鬆症の原因
毎年、世界中で900万人が骨粗鬆症による骨折を経験しており、その多くは女性だ。原因のひとつは女性ホルモンである「エストロゲン」が減ってしまうことだ。
エストロゲンは、女性らしい体をつくったり、排卵をコントロールしたりするホルモンだが、骨の健康にも深く関わっている。女性ではエストロゲンの分泌が減る閉経前後から骨量が急激に減少しやすい。
「骨の代謝」が健康に保たれている状態では、古い骨を壊す「破骨細胞」と新しい骨を作る「骨芽細胞」がバランス良く働いている。骨粗鬆症は、この骨の代謝のバランスがくずれ、破骨細胞の働きが活発になり過ぎたり、骨芽細胞の働きが低下したりして骨量や骨質が低下することで起こる。
エストロゲンには、破骨細胞を減らして骨芽細胞を増やす働きがある。閉経後の女性ではエストロゲンの分泌が低下するため、これらのホルモンのバランスが崩れ骨量が減少しやすい。
閉経を迎えた女性だけでなく、30~40代の若い女性も注意が必要だ。この年齢の女性が過度のダイエットを行うと骨量が低下しやすく、また早期閉経の原因にもなる。
大豆イソフラボンが骨粗鬆症の予防に効果的
大豆に含まれるイソフラボンは、その化学構造が女性ホルモンであるエストロゲンに似ており、植物エストロゲンとも呼ばれている。そのため、骨粗鬆症の予防や更年期障害の軽減などに有用とされている。
骨粗鬆症の発症リスクの高い女性が、大豆に含まれるタンパク質とイソフラボンを豊富に摂取すると、骨が丈夫になり骨粗鬆症を予防できるという研究が、国際内分泌学会の学術集会で発表された。
英国のハル大学の研究チームは、早期閉経を迎えた200人の女性を、(1)大豆タンパク質とイソフラボン66mgが含まれるサプリメントを服用するグループと、(2)大豆タンパク質のみのサプリメントを服用するグループに分けた。
研究チームは6ヵ月後に血液検査を行い、骨形成の指標となる血液の成分の変化を調べた。その結果、大豆タンパク質とイソフラボンの両方を服用したグループは、骨形成が改善し骨粗鬆症のリスクが低下していることが分かった。
「食事で大豆イソフラボンを摂取することは、女性の骨を健康に保つために効果的であることが判明しました。大豆イソフラボンには治療薬に匹敵する効果があります」と、ハル大学医学部のソーズカ サシヤペレン氏は言う。
イソフラボン66mgに相当する量は、水煮大豆100g、納豆2パック(90g)、豆腐1丁(300g)、豆乳2パック(400g)だ。「大豆食品をよく使う日本食は、イソフラボンが豊富に含まれます。それに比べると、欧米食ではイソフラボンを1日に2~16mgしか摂取できません」と、サシヤペレン氏は指摘している。
女性の骨粗鬆症を予防 生活習慣の改善が効果的
骨粗鬆症 予防と治療ガイドライン(日本骨粗鬆症学会 2012年)
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