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息だけでがん、糖尿病を判定する高精度センサーを開発 スマホで早期発見

 ヒトの呼気だけでがんや糖尿病などを発症している疑いのある人を判定できる高精度センサーが開発され、産官学連携の5ヵ年計画で実用化される見通しとなった。
呼気のにおいを高精度と検知 がんや糖尿病を判定
 国立研究開発法人の物質・材料研究機構(NIMS)が中心となって、呼気のにおいを分析し、DNA、タンパク質など生体分子などを高精度で判別できる小型センサーを開発した。京セラ、大阪大学、NEC、住友精化、スイスのNanoWorldの6機関が合同で実用化を進めている。

 開発した小型センサーは、数ミリ四方の小さいチップに搭載された感応膜に呼気が吸着すると電気抵抗が生じ、この変化を計測し対象の分子を検知する仕組み。

 従来のセンサーと違い、レーザー光が必要ないため小型化が可能となり、感度は約100倍と性能が飛躍的に向上した。

 がんや糖尿病などの患者の呼気に含まれる特有の物質の有無などをチェックしてがんの疑いがあるか判定する。すでに研究ではがん患者の識別などで効果が実証されている

 スマートフォンと連携したデバイスにグラフや数値で結果を表示するなど、呼気チェックによる健康管理システムの開発を進めている。

 NIMSによると、センサーの精度を高め、においに関するデータを蓄積していけば、がんの種類も見極められるようになる可能性が高い。

 2013年に発表した研究では、頭頸部がんの発見に有効であることを確かめた。がんを発症したヒトと健康な人の区別ができるほか、治療でがんから回復したかどうかも分かるという。

スマートフォンに組み込みいつでもチェック 早期発見につなげる
 実用的なシステムとするには計測モジュールやデータ解析技術の開発など課題があるが、ヘルスケア・医療分野での活用を見込んでいる

 糖尿病や腎臓病、肝臓病、ぜんそく、ピロリ菌などの疾患も呼気に特徴が出るので、将来にはセンサーでさまざまな病気の判別ができると期待されている。

 食品のにおいからその食品の種類や産地を特定するなどの用途も考えられる。具体的には、国産の若鶏ささみと国産黒毛和牛肉、国産の豚肉、鹿児島産黒豚の肉、オーストラリア産豚肉などを判別できたという。

 将来的には、センサーをスマートフォンなどに組み込み、個人でも手軽にチェックできるようになる可能性もある。がんや糖尿病を早期発見し治療を開始できれば、医療費の抑制にもつながる。

 がんは日本人の死因の第1位になっている。がんの受診率は上昇傾向であるが、胃がん39.6%、肺がん42.3%、大腸がん37.9%、子宮頸がん42.1%、乳がん43.4%となっており、目標の50%には達していない。国際的にみても先進国が50~85%であるのに対して低い水準だ。

 受診しない理由は「時間がない」「費用がかかる」「痛みに不安がある」などが多く、手軽な呼気診断は受診率向上につながりそうだ。ただし、病気を診断するために医療機関で検査を受けることが必要だ。

国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)
国立研究開発法人 物質・材料研究機構
[Terahata]

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