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大腸がんは早期発見でほぼ100%治療できる 検査や治療は進歩 検診を受けることが大切
2024年02月05日
3月は「大腸がん啓発月間」だ。大腸がんは、日本人にもっとも多いがんで、2022年にがんで亡くなった人の部位別でみると、大腸がんは、男性では第2位。女性では第1位になっている。
大腸がんになっても、ごく初期に発見できれば、ほぼ100%治療することができる。早期発見のためにもっとも大切なのは、「検診を定期的に受けること」だ。
大腸がんの検査と治療は進歩している。大腸を調べる検査のうち、「大腸内視鏡検査」の精度をより高める研究や、体に対する負担を少なくし、治療後の回復も早い手術法の開発が行われている。
大腸がんを発症し治療を受けた人の多くは、手術後に仕事に復帰し、日常生活に戻っている。がんを発症した人の就労を支援することも求められている。
早期発見のために大切なのは「検診を受けること」
3月は「大腸がん啓発月間」だ。大腸がんは、日本人にもっとも多いがんで、その発症には、生活スタイルや環境が深く関わっている。生活スタイルを改善するだけでも、大腸がんのリスクは減らせる。 ▼バランスの良い食生活、▼運動の習慣化、▼適正体重の維持、▼節酒、▼禁煙という5つの健康習慣を実践することで、がんになるリスクはほぼ半減できるという報告がある。できることから取り組むことが大切だ。 たとえ大腸がんになっても、ごく初期に発見できれば、ほぼ100%治療することができる。早期発見のためにもっとも大切なのは、「検診を定期的に受けること」だ。早期発見すれば内視鏡治療で治せる
大腸がんになる人が増えはじめる40歳を過ぎたら、大腸がん検診を年に1度受けることを厚生労働省は勧めている。しかし、日本人の大腸がん検診の受診率は40%台で、半分にも達していない。 ある調査によると、日本人が大腸がん検診を受けない理由として多いのは、「自覚症状がないから」「忙しくて検査のために時間をとれない」「検査の受け方をよく知らない」「面倒だから」だった。 しかし、早期の大腸がんではほとんど自覚症状はないものの、「体重が減る」「おなかが痛む・張る」「おなかにしこりがある」などの症状が出てきたときには、がんが進行してしまっている可能性がある。 大腸がんが進行して自覚症状があらわれたときには、治療は簡単ではなくなっている。一方、自覚症状のない早期に発見し治療を受ければ、手術などをしなくても、内視鏡だけで治療できる場合もある。人工知能(AI)を活用した大腸がん検査を開発
負担の少ない治療法を開発 治療を受けた人は仕事に復帰
大腸がんの治療も進歩しており、大腸がんを発症し治療を受けた人は、多くが仕事に復帰し、日常生活に戻っている。 京都大学は、大腸がんの手術を受けた人が、どれくらいの時期に仕事に復帰しているのかなどを調査した。 その結果、大腸がんの手術から復職までの期間の中央値は1.1ヵ月で、手術後1年の時点で仕事をしている人の割合は79.2%と、大腸がんを発症した人の就労は多いことが分かった。 調査は京都市の大学病院などで行われたもので、対象となった診断時に就労している人のうち、65歳以上は39%、女性は36%で、98%は腹腔鏡手術やロボット支援手術など、低侵襲の手術を受けていた。これは、体に対する負担を少なくし、治療後の回復も早い治療法だ。 がん患者の就労支援については、2016年のがん対策基本法の改正をきっかけに、ガイドラインなどが整備されつつあり、医療でも就労や治療についての患者自身の意思決定を支援しようという取り組みが増えている。 「大腸がんで手術が必要な患者さんに、"手術後どれくらいで仕事に戻れますか?"という質問をされることが多く、がんを発症した人の就労は社会的な問題になっています。病気や治療方針にそったエビデンスは臨床現場からでないと創出が難しいと思います。今後このような視点の研究がより広がることを願います」と、研究者はコメントしている。 がん対策情報 (厚生労働省)3月は大腸がんの啓発月間です (大腸がん啓発月間)
人工知能によるコンピュータ検出支援を用いた大腸内視鏡検査の大腸がん検診における有効性を評価するアジア多施設共同臨床試験を開始 (国立がん研究センター 2024年1月11日)
日本の大腸がん患者は術後1.1か月程度で仕事復帰-仕事復帰に向けたより良いコミュニケーションを目指して-(京都大学 2023年09月20日)
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