• トップページ
  • ニュース
  • 資料更新情報
  • 講習会・セミナー
  • 健診・検診
  • 特定保健指導
  • 産業保健
  • 地域保健
  • 学校保健
最新ニュース
高カロリー飲料に課税 野菜や果物の価格を下げればリスク減少
2016.03.23
 英国は清涼飲料に含まれる過剰な糖質に対する課税の導入を決めた。糖質の摂り過ぎは肥満や2型糖尿病のリスクを高める。
 高カロリーの飲料やジャンクフードの価格を上げて、代わりに野菜や果物の価格を下げれば、心疾患と脳卒中による死亡を大幅に低減できるという研究も発表された。
高カロリー飲料の価格が上がったら
「代わりに水を飲む」
 英国財務相は、増加し続ける2型糖尿病や肥満への対策として、清涼飲料に含まれる過剰な糖質に対する課税を、2年後に導入すると発表した。

 これを受けて、英国糖尿病学会(Diabetes UK)は、「政府が清涼飲料産業に対する課税を発表したことは本当に希望を抱かせるニュースだ。多くの人が高カロリーの清涼飲料を購買する習慣を変えるだろう」と声明を発表した。

 課税の対象となるのは、100gあたり5g以上の糖質を含む飲料。コーラなどの清涼飲料には、ブドウ糖や果糖などの糖質が含まれており、それらが課税の対象となる。

 ごはんやパン、穀類、いも、カボチャなどの野菜に含まれる炭水化物が複合糖質であるのに対し、甘いお菓子やジュースに含まれている果糖(フルクトース)やブドウ糖(グルコース)は単糖類だ。

 単糖類は、消化吸収が速く血糖値を急激に上げやすい。血糖値が上昇すると血糖値を下げるインスリンの必要量も多くなり、その影響で体脂肪がたまりやすくなる。多量を摂り続けると体重増加や肥満につながりやすいと懸念されている。

 英国糖尿病学会が今年1月に行った世論調査によると、もしも清涼飲料の価格が20%上昇したら、英国の43%の人は「高カロリーの清涼飲料を買わなくなるだろう」と回答した。さらに35%の人は「代わりに低カロリー飲料や水を飲むようにする」と回答した。
4人に3人が「飽和脂肪酸や塩分を減らして欲しい」と要望
 「英国の成人の3分の2と、小学校高学年の子供の3分の1が過体重か肥満です。このことは、将来に2型糖尿病を発症する危険性が高いことを意味しています」と、英国糖尿病学会のクリス アスキュー氏は言う。

 「英国糖尿病学会はこれまでも、高カロリー飲料の摂り過ぎを防ぐキャンペーンを展開してきました。英国の2型糖尿病の有病数は360万人に上ります。糖尿病がもたらす健康の問題や医療費は、患者や社会にとって大きな負担です」と指摘している。

 調査によると、75%の人が食品会社に対し「加工食品に含まれる飽和脂肪酸や塩分の量を減らして欲しい」という要望をもっていることが明らかになった。18~24歳の69%、65歳以上の80%が「体に悪い飽和脂肪酸や塩分の摂取量を減らしたい」と考えているという。

 「高カロリーの清涼飲料や食品に対する課税で得られた収入をどう使うかが課題です。体に良い野菜、果物、穀類の価格を下げるべきです。健康によい食品を求めやすくし、不健康な食品が社会にもたらす真のコストをその価格に反映させる必要があります」と、アスキュー氏は指摘する。
果物や野菜の価格を下げれば心疾患と脳卒中が大幅に減少
 米国心臓学会(AHA)に発表によると、高カロリーの清涼飲料やジャンクフードの価格を上げて、代わりに体に良い果物や野菜の価格を下げれば、心疾患と脳卒中による死亡を大幅に低減できる可能性があるという。

 タフツ大学栄養科学政策学部のダリウシュ モザファリアン氏らは、米国人の人口、心疾患・脳卒中の発症率、果物と野菜の摂取量についてのデータを解析し、さまざまな食品の価格が代わると健康にどのように影響するかを推測した。

 その結果、果物と野菜の価格を30%下げることにより、心筋梗塞や脳卒中による死亡率を15年で3%(約20万件に相当)以上低減できる可能性があることが明らかになった。

 また、野菜、果物、穀類の価格を10%下げ、高カロリーの清涼飲料の価格を10%上げた場合には、さらに大きな効果を得られ、死亡数は20年で51万5,000件低減できるという。
野菜や果物を入手しやすくする政策が必要
 高カロリーの清涼飲料や砂糖入りのコーヒーなどを1日1杯、低カロリー甘味料をつかった飲料や水に置き換えるだけで、2型糖尿病の発症リスクが最大で25%減らせるという研究も発表されている。

 米国心臓学会はこれまで、高カロリーの清涼飲料やジャンクフードへの課税を支持してきた。加えて、新鮮な野菜や果物をより入手しやすくし、運動不足を解消するために、社会整備が必要だと主張している。

 「不健康な食品の価格を上げ、健康に良い食品を求めやすくすると、結果として社会が負担するコストを低減できる可能性があります。政府の積極的な対応が待たれます」と、モザファリアン氏は述べている。

(Terahata)
©2017 日本医療・健康情報研究所. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

点線
▶ 過去の記事
 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 |
■ 最新ニュース一覧
▶ 過去の記事
 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 |