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高齢者の体力が向上 女性は運動不足の傾向 【体力・運動能力調査】
2016年10月13日
スポーツ庁は2015年度「体力・運動能力調査」の結果を公表した。高齢者で体力は向上しており、65~69歳の女性、75~79歳の男女は過去最高を更新した。一方で30歳代の女性は低下傾向がみられた。
65~79歳の高齢者は18年間で体力が向上
調査は東京オリンピックが開かれた1964年度から毎年実施。1998年度から60歳代と70歳代も対象になった。今回は昨年5~10月に実施、6~79歳の男女約6万6000人分を集計した。
65~79歳の運動能力は握力、開眼片足立ち、6分間歩行、上体起こしなど6項目(60点満点)で測定。
合計点は、65~69歳男性で42.04点、75~79歳男性が35.64点、70~74歳女性が38.80点、75~79歳女性が35.19点となり、いずれも前年を上回った。種目別では開眼片足立ちや6分間歩行などの点数が伸びた。
65~79歳では18年間でほとんどの項目で向上しており、特に65~69歳の女性と75~79歳の男女では、1998年度に比べいずれも5点超上回り、過去最高になった。
一方、35~39歳女性の運動能力は低下傾向が続く。合計点(60点満点)は36.01点と1998年度より1.69点低かった。
女性が20歳代以降は運動から遠ざかる傾向
「体力・運動能力調査」では、女性が運動から遠ざかっている傾向が示された。
運動・スポーツを週1日以上実施した人の割合は、女性は10歳の83.6%がピークで、高校時代に大幅下落し、40歳代後半で45.9%と底を迎える。
運動をする女性は、1985年度と2015年度を比較すると、女性は19歳で65.4%から39.2%に、20歳代後半が44.9%から35.8%に、30歳代後半が48.1%から37.1%に減少した。
「働く女性が増え、20歳代以降は仕事や家事、子育てで忙しくて、ライフスタイルが乱れたり、運動する時間のない人が多いのではないか」と、調査に関わった順天堂大学の内藤久士教授(運動生理学)は推測している。
一方、男女とも40歳代後半以上では運動をする人が増え、1985年度を上回った。50歳代後半は2015年度が男性46.6%、女性53.7%で、1985年度のそれぞれ32.8%、25.2%から大幅に増えた。
運動の頻度が高い人ほど体力は向上
また、1日の運動・スポーツの実施頻度が高い人ほど体力水準が高い傾向が、男女ともにほとんどの年齢でみられた。
体力テストの合計点(60点満点)は、運動を週1日以上している人では男性39.9点・女性40.1点となり、運動をしていない人に比べて3~4点高い。
また、過去経験なしの場合でも、現在週1日以上運動している人では男性39.6点・女性39.1点となり、運動をしていない人に比べて3~4点高い。
「運動・スポーツの実施頻度は、生涯にわたって体力を高い水準に保つための重要な要因のひとつ」と、スポーツ庁は強調している。
運動をしている人はBMIやADLテストの結果が改善
肥満度を示すBMI(体格指数)で「普通体重」と判定された人の割合は、35~44歳では、過去に運動部の経験がある場合、現在週に1日以上の運動している人では79.9%となっており、運動をしていない人に比べて約6ポイント高かった。
週1日以上運動する人は79.7%が普通体重で、週1日未満より約6ポイント高く、過去の運動部の経験による差はなかった。
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