ニュース

日本食の理想形は「1975年型」 4週間食べるとどうなる? 東北大

日本食
 ユネスコの世界無形文化遺産に登録されたのを機に「日本食」への注目が世界的に高まるなか、東北大学の研究グループが、1975年頃に食べられていた日本食を食べると、肥満の解消や、悪玉コレステロールや血糖値の低下、ストレスの軽減、運動機能の向上などの効果を得られることを確認したと発表した。
日本人の寿命が延びたのは日本食のおかげ
 日本は世界が認める長寿国であり、日本人が日常とっている食事である「日本食」の健康効果がその理由のひとつと考えられている。

 東北大学の研究グループが過去の研究で、現代と過去の日本食をマウスに摂取させ、もっとも健康効果の高い日本食をどれかを調べたところ、1975年頃の日本食が肥満を抑制し、加齢にともない増える2型糖尿病、脂肪肝、認知症を予防し、寿命を延伸することが判明した。

 今回のヒトを対象とした実験で、1975年頃の日本食には現代食に比べて、健常人に対してストレス軽減、運動機能向上、軽度肥満者に対してはBMIの低下や、悪玉コレステロールや血糖値を低下の効果があることが明らかになった。
1975年型日本食の献立例

1975年の日本食の5つの特徴
 研究チームによると、1975年の日本食の特徴は、5つの要素に分けられる。

(1)多様性
 さまざまな食材を少しずつ食べる。主菜と副菜を合わせて3品以上を揃える。

(2)調理法
 「煮る」「蒸す」「生」を優先し、次いで「茹でる」「焼く」を使う。「揚げる」「炒める」は控えめに。カロリーや脂肪を抑える調理法を工夫する。

(3)食材
 大豆製品や魚介類、野菜(漬物を含む)、果物、海藻、きのこ、緑茶を積極的に摂取し、卵、乳製品、肉も適度に(食べ過ぎにならないように)摂取する。

(4)調味料
 だしや発酵系調味料(醤油、味噌、酢、みりん、お酒)を上手に使用し、塩や糖分(砂糖)の摂取量を抑える。

(5)形式
 一汁三菜[主食(米)、汁物、主菜、副菜×2]を基本として、さまざまな食材を摂取する。
健康的な日本食の特徴
1975年頃の典型的な献立(発表資料より)
【朝食】ご飯、みそ汁(キャベツ、玉ネギ、シメジ)、卵焼き、納豆、ひじきの煮物(ひじき、ニンジン、油揚げ)
【昼食】きつねうどん(油揚げ、ホウレンソウ、刻みネギ、カマボコ)、果物(リンゴ、ブドウ)
【夕食】ご飯、すまし汁(ハクサイとワカメ)、サバのみそ煮、カボチャの煮物(サヤエンドウ)、冷奴(豆腐、ネギ、ニンニク)
1975年の日本食で悪玉コレステロールや血糖値を低下
 今回の研究は、この1975年の日本食の特徴を明らかにし、健常人や軽度肥満者に与える影響を検討したもの。研究は、東北大学大学院農学研究科食品化学分野の都築毅准教授らのグループが、同大学院医学系研究科公衆衛生学分野の辻一郎教授、遠又靖丈講師らと共同で行った。

 研究チームはヒト介入試験を行い、1975年頃に食べられていた献立の特徴がある食事(1975年型日本食)と現代食の体への影響を比較した。

 実験では、年齢20~70歳のBMI(体格指数)が24~30の軽度肥満者(60人)と健康な人(32人)の計92人を対象に、次の2つの実験を行い、1975年型日本食と現代の食事を比較した。
(実験1)
 年齢20~70歳のBMI(体格指数)が24~30の軽度肥満者を、現代食群(30人)と1975年型日本食群(30人)に分け、それぞれの食事を1日3食、28日間摂取してもらった。
(実験2)
 年齢20~30歳のBMI(体格指数)が18.5~25の軽度肥満者を、現代食群(16人)と1975年型日本食群(16人)に分け、それぞれの食事を1日3食、28日間摂取してもらった。期間中に週3回、1日1時間以上の中程度の運動を行ってもらった。
 その結果、次の結果が得られた。
(実験1)
 1975年型日本食群では、現代食群と比べて、BMIや体重が有意に減少し、悪玉のLDLコレステロールや血糖値の平均を示すHbA1cが低下、ウェスト周囲径の減少傾向や、善玉のHDLコレステロールの増加傾向が示された。
(実験2)
 1975年型日本食群では、現代食群と比べて、ストレスの有意な軽減、運動能力の有意な増加がみられた。
日本食はこの50年で大きく変化した
 日本食の内容はこの50年で大きく様変わりし、また、食の欧米化とともに生活習慣病の発症率が増加している。

 「1975年型日本食に健康に良い効果があることが、ヒトを対象とした試験で確かめられた。この時代の日本食の特徴を社会に発信することが、現在の食生活を見直すきっかけになる。また、高齢社会で増加している老化性疾患の予防に役立つ"日本食"を世界へアピールすることが期待できる」と、実験を行った都築准教授は述べている。

 研究結果は、9月の第68回日本生物工学会大会、10月の日本農芸化学会創立100周年に向けたシンポジウムで発表された。

東北大学大学院農学研究科食品化学分野
東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野
[Terahata]

「栄養」に関するニュース

2018年12月19日
肥満や病気の予防を「まちづくり」から推進 健康になるための「都市デザイン」とは 千葉大と竹中工務店
2018年12月19日
果物は肥満・メタボに良いのか悪いのか? 果物の健康効果を科学的に検証
2018年12月19日
「10の食品群」の栄養バランスをチェックできる無料アプリ 東京都健康長寿医療センターなど共同開発
2018年12月19日
「オーラルフレイル」の予防を啓発 無料アプリや冊子の提供を開始
2018年12月12日
年末年始にアルコールを飲み過ぎないために 知っておきたい5つの対処法
2018年12月12日
手軽な運動で筋内脂肪を減少 「ウォーキング+筋力トレーニング」がもっとも効果的
2018年12月12日
骨粗鬆症の検診受診率 全国ランキングを発表 1位は栃木県 骨粗鬆症財団
2018年12月05日
保健指導をオンラインで支援 金沢大学がIoT活用で新たな保健指導サービス
2018年12月05日
【山梨県】糖尿病対策推進会議などと連携 「糖尿病腎症」の重症化予防
2018年12月04日
糖尿病ネットワークがベトナムに進出 アジアの糖尿病医療を底上げ

最新ニュース

2018年12月19日
肥満や病気の予防を「まちづくり」から推進 健康になるための「都市デザイン」とは 千葉大と竹中工務店
2018年12月19日
「糖尿病リスク予測ツール」を公開 3年後の糖尿病発症リスクを予測 国立国際医療研究センター
2018年12月19日
果物は肥満・メタボに良いのか悪いのか? 果物の健康効果を科学的に検証
2018年12月19日
「10の食品群」の栄養バランスをチェックできる無料アプリ 東京都健康長寿医療センターなど共同開発
2018年12月19日
転倒経験がある高齢者は、自転車での転倒発生率も高い 肥満も転倒の要因に
2018年12月19日
「オーラルフレイル」の予防を啓発 無料アプリや冊子の提供を開始
2018年12月18日
[ 2/6 市民公開講演会参加者募集中!]全国生活習慣病予防月間2019
2018年12月17日
【新連載】業務効率化で「働くひとと組織の健康を創る」
2018年12月14日
【健やか21】不登校傾向にある子どもの実態調査 中学生約33万人
2018年12月12日
年末年始にアルコールを飲み過ぎないために 知っておきたい5つの対処法
2018年12月12日
手軽な運動で筋内脂肪を減少 「ウォーキング+筋力トレーニング」がもっとも効果的
2018年12月12日
うつ病を早期支援するのための社員向け研修プログラムを開発 職場のメンタルヘルス不調を早期発見・介入 九州大学など
2018年12月12日
保健指導にインセンティブを 世界の1億人の運動量を増やす「Vitality」の戦略
2018年12月12日
骨粗鬆症の検診受診率 全国ランキングを発表 1位は栃木県 骨粗鬆症財団
2018年12月06日
【参加募集中】第8回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス「健康経営の視点での産業保健活動」
2018年12月06日
【健やか21】近年急増の梅毒 男性は40代、女性は20代が最多
2018年12月05日
保健指導をオンラインで支援 金沢大学がIoT活用で新たな保健指導サービス
2018年12月05日
【山梨県】糖尿病対策推進会議などと連携 「糖尿病腎症」の重症化予防
2018年12月05日
ペットロボ「アイボ」の癒やし効果を医療に活用 成育医療研究センター
2018年12月05日
骨が分泌する「若返り物質」 運動が若さを保つメカニズムを解明
2018年12月05日
「ストレス反応」は朝と夜で異なる 体内時計をストレスマネジメントに応用
2018年12月04日
糖尿病ネットワークがベトナムに進出 アジアの糖尿病医療を底上げ
2018年12月04日
「依存症を知る~今日的課題と対応~」へるすあっぷ21 12月号
2018年11月29日
「健康寿命をのばそう!アワード」最優秀賞決定~介護予防・高齢者生活支援分野/母子保健分野~
2018年11月29日
「健康寿命をのばそう!アワード」最優秀賞決定~生活習慣病予防分野~
2018年11月29日
【健やか21】伝染性紅斑が流行しています(東京都)
2018年11月28日
【参加募集中】第7回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「職場巡視~ありのままの現場を見られる産業保健師になる~」※申込みを締切りました
2018年11月28日
高齢者の入浴に「要介護」を防ぐ効果 ただし冬の入浴には注意も必要
2018年11月28日
高カロリー飲料やお菓子はなぜ危ないか メタボや糖尿病の原因糖質が判明
2018年11月28日
毎日30分のウォーキングが乳がんを防ぐ 女性の運動を増やすアイデア7選
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,558 人(2018年10月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶