ニュース

脳卒中の後遺症マヒを改善 脳波を利用するリハビリを慶大などが開発

 慶応義塾大学やパナソニックなどは、脳卒中の後遺症で手に麻痺が残った患者の治療に使う医療機器を共同開発すると発表した。2019年度を目途に医療機器の実用化を目指す。
脳波のメカニズムを利用する「BMI療法」
 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室の里宇明元教授を中心とする医工連携チームが実現を目指しているのは、非侵襲的な脳活動計測である頭皮脳波を用い、麻痺そのものの回復を促す「BMI療法」だ。

 BMIはブレイン マシン インターフェースの略。脳波などを読みとってその命令で機械を動かす最先端技術をリハビリテーションに応用する。臨床試験では7割の患者で効果があらわれているという。

 脳卒中は脳の血管が詰まったり破れたりする病気の総称で、大きく脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に分かれる。脳卒中の後遺症では手や足に麻痺が残るケースが多い。

 脳卒中の患者数は約350万人に上り、麻痺が残った場合、上肢が実用レベルまで回復する割合は15~20%にとどまるという。

 現状では、手指伸筋活動もみられない重度麻痺患者に対しては有効な治療法はなく、現在のリハビリでは、麻痺手の回復そのものを指向した治療よりも、利手交換、片手動作の習得などの代償的治療が中心になっている。
手や指を動かす脳波を読み取り回復を促す
 「BMI療法」療法のシステムは、脳の運動野での脳活動を測定する専用の脳波ホルダーと、手指伸筋への電気刺激装置、さらに手指を伸展させる電動装具(ロボット)から構成されている。

 手指の伸展をイメージすると、脳の運動に関連した部分の活動が活発になる。この脳波の変化を装置が読み取り、手指への電気刺激と電動装具による他動運動を行う。さらに、脳に体性感覚のフィードバックを与えることにより、新たな運動指令の神経回路を形成する。

 「BMI療法」は、障害脳の可塑性によって麻痺自体を回復させる画期的な治療法で、対象となるのは、脳卒中片麻痺患者のうち、発症後90日以上の慢性期で、手指伸展不能となった、他の方法では効果が得られない重度の患者。

 この治療法により、手指伸筋の筋活動があらわれ、脳皮質運動領域の血流が増加し、結果として運動麻痺の改善につながり、日常生活での上肢使用の増加が期待でるという。

 この医療機器を慶應大学との連携によりパナソニックが開発し製品化する。医師主導の治験終了した後の2019年に薬機法承認を目指している。

 脳波のメカニズムを利用する「BMI療法」で、脳卒中による麻痺自体の回復に成功すれば、世界ではじめての治療法となるという。「リハビリの可能性を広げる有力な選択肢となる」と、里宇教授は述べている。

慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2018年04月18日
糖尿病の原因は「酸化ストレス」 肝臓の脂肪蓄積を防ぐ治療
2018年04月18日
「サルコペニア」を容易に評価 CKD患者の心疾患リスクを予測
2018年04月18日
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」
2018年04月18日
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化
2018年04月17日
建設業で働く女性の妊娠や出産をサポート~『女性にやさしい職場づくりナビ』
2018年04月11日
子宮頸がんとHPVワクチン 日本産科婦人科学会が「接種は必要」と強調
2018年04月11日
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を
2018年04月11日
「甘酒」を飲んでコレステロールを低減、便通を改善 プロラミンが作用
2018年04月05日
糖尿病患者の痛風リスクがフェノフィブラートで半減 FIELD試験
2018年04月04日
働きながら「不妊治療」を受ける人へのサポート 仕事の両立支援が課題に

最新ニュース

2018年04月19日
【健やか21】パンフレット「住まいの中のアレルゲン対策」ご活用下さい
2018年04月19日
【新連載】女性のライフステージと、体と心の健康運動
2018年04月18日
糖尿病の原因は「酸化ストレス」 肝臓の脂肪蓄積を防ぐ治療
2018年04月18日
「サルコペニア」を容易に評価 CKD患者の心疾患リスクを予測
2018年04月18日
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」
2018年04月18日
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化
2018年04月17日
建設業で働く女性の妊娠や出産をサポート~『女性にやさしい職場づくりナビ』
2018年04月16日
くるみを食べると腸内フローラが改善 くるみが善玉菌を増やす
2018年04月13日
厚労省がGWの海外渡航に感染症予防注意を呼びかけ
2018年04月12日
【健やか21】「母子保健指導部」の会員募集と30年度研修会一覧の掲載
2018年04月11日
子宮頸がんとHPVワクチン 日本産科婦人科学会が「接種は必要」と強調
2018年04月11日
「2時間の飲み会」の危険 アルコールのイッキ飲み・アルハラを防止
2018年04月11日
ご存知ですか?「紫外線」 紫外線に打ち勝つ4つの方法
2018年04月11日
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を
2018年04月11日
「甘酒」を飲んでコレステロールを低減、便通を改善 プロラミンが作用
2018年04月09日
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋"
2018年04月06日
【健やか21】「ふくおか子育てマイスター活動事例集」のご紹介
2018年04月06日
東京都が福祉保健基礎調査「東京の子どもと家庭」(速報版)を公表
2018年04月05日
糖尿病患者の痛風リスクがフェノフィブラートで半減 FIELD試験
2018年04月05日
栄養を効率よく摂取するには? くるみ病態別レシピ申し込み受付中
2018年04月04日
女性の「痩せ」志向は不健康 スポーツを通じて女性の活躍を促進
2018年04月04日
働きながら「不妊治療」を受ける人へのサポート 仕事の両立支援が課題に
2018年04月04日
魚の「オメガ3脂肪酸」が死亡リスクを低下 「食後高脂血症」に注意
2018年04月04日
体重増加の犯人は果物や野菜のジュースかも 毎日飲み続けるとどうなる?
2018年04月03日
【連載更新】ナースがおうちで産後ケア/私は踊る保健師!ワクワクを届ける
2018年04月02日
【健やか21】公開フォーラム 「多職種による母子保健の推進~歯科からの提案~」
2018年04月02日
驚きのコラボが実現!『健やか親子21と鷹の爪団のみんなで子育て大作戦』
2018年04月01日
「健康行動の壁 行動を後押しするヒント」へるすあっぷ21 4月号
2018年03月30日
【ちらし配布ご協力お願い】女性特有のがんコミュニティ型SNS「Peer Ring」
2018年03月28日
収入や教育年数が「健康格差」に影響 年収低いほど肥満リスクは上昇
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,045 人(2018年04月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶