ニュース

5~9月に職場での熱中症対策を重点的に実施 クールワークキャンペーン

 厚生労働省は職場における熱中症を予防するため、5月から9月にかけ、新たに「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施する。職場での熱中症に減少傾向がみられず、死亡者数も平成24年からの5年間で80人を突破。そのため予防管理者の専任など管理体制から見直す必要性などを訴え、今夏における熱中症の労働災害の大幅減少、死亡災害ゼロを目指す。

 平成25年から29年の「第12次労働災害防止計画」では、職場における熱中症について、第11次の同計画で発生した1,948件と比べて死傷者数を20%以上減少させる、という目標が設定されている。これまでも目標達成を目指してさまざまな対策が行われてきたが、平成29年1月現在の速報値ですでに1,879件となり、計画期間をあと1年残してすでに目標を上回っている。

 そのため厚生労働省は労働災害防止団体などとともに、平成29年5月1日から9月30日まで、事業場における責任体制の確立を含めた熱中症予防対策の徹底を図ることを目的に、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を展開することとした。これに先立ち4月は準備期間と定め、政府全体の取り組みである熱中症予防月間の7月を重点取組期間とする。

 具体的に各事業場では、WBGT値(暑さ指数)を随時、把握し、適切な措置を講じる必要があるとしている。準備期間中にはWBGT値測定器を準備し、WBGT値が基準値を超えるおそれのある場所には簡単な屋根や、通風または冷房設備、ミストシャワーなど散水設備の設置を検討するのが望ましい。そのほか、氷や冷たいおしぼりなど身体を適度に冷やす物品や設備などを備えた休憩場所の整備、透湿性・通気性のよい服装の検討も考慮するよう求めている。

 また作業管理の面からも、WBGT基準値を大幅に超える場所では原則として作業を行わず、やむを得ず行う場合は単独作業を控えて休憩時間を長めに設定すること、また作業中は心拍数や体温、尿の回数などの身体状況や、水分・塩分の摂取状況を頻繁に確認することなどを推奨している。さらに作業時間を7日以上かけて次第に長くし、身体を熱に慣れさせる「熱への順化」期間を設けることも有効としている。

 熱中症予防管理者については、WBGT値の低減対策の実施状況や、各労働者の熱への順化状況、朝礼など作業開始前の労働者の体調などについて確認することなどを業務としている。作業中はWBGT値の測定結果を確認し、結果に応じて作業の中止や中断を判断したり、職場を巡視して労働者の水分や塩分摂取状況を確認したりする必要もある。

 実施要項では、身体作業強度などに応じたWBGT基準値を表記しているほか、着用している服装によって加えるべき補正値も示すなど、職場での対策につながる具体策が詳しく記されている。

厚生労働省 報道発表『新たに「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します』
[yoshioka]
side_メルマガバナー

「産業保健」に関するニュース

2023年08月28日
極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
2023年08月28日
カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
2023年08月28日
わずか5分の運動でも「がんリスク」を32%減少 無理なく続けられる「新しい運動法」を開発
2023年08月28日
週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
2023年08月28日
高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
2023年08月21日
肥満やメタボが「腰痛」を引き起こす コロナ禍でさらに増加 「腰痛」を改善する運動は?
2023年08月21日
朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
2023年08月21日
アルコールが高血圧の原因に 飲酒量が少ない人も血圧が上昇 2万人弱を調査
2023年08月21日
ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
2023年08月21日
「運動アプリ」がメンタルヘルスも改善 スマホアプリの導入は運動指導で障壁の低い介入に
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶