ニュース
子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性を発表
2017年06月26日
国立成育医療研究センターの研究チームはこのほど、115年分の人口動態統計で得られたデータをもとに、5歳未満の死亡率について都道府県間格差の年次推移について検討したところ、2000年代に入ってから子どもの健康格差が広がってきている可能性があると発表した。
国立成育医療研究センター・政策科学研究部森臨太郎部長の研究グループは、同臨床研究教育部永田知映室長、同臨床疫学部盛一享德上級研究員らと協力。115年分の人口動態統計調査による大規模データを利用して、子どもの健康における都道府県間格差について分析し、その変化を明らかにした。
研究チームは、各都道府県の5歳未満死亡率を年ごとに計算したうえで、同死亡率の都道府県格差も計算し年次推移を見比べた。その結果、5歳未満死亡率は出生1,000人あたりで見ると、1899年は238人だったものの、その後は一貫して低下し、2014年は3人。
一方で、格差を図る指標は戦後上昇し、1962年にピーク(0.027)を迎えたあと徐々に下降。1970年代には0.01未満まで低下していたが、2000年代に入ると上昇し、2014年には0.013となった。この値は1970年の値を超え、第2次世界大戦以前の値に近いものだという。
今回の研究成果は権威ある英文科学系雑誌であるPediatrics International誌より発表。5歳未満の死亡率が継続的に下降しているのに対し、格差を測る指標が上昇している背景には何があるのか、今後より詳細な研究が求められている。
国立成育医療研究センター プレスリリース「子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性」
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「地域保健」に関するニュース
- 2024年04月30日
- タバコは歯を失う原因に 認知症リスクも上昇 禁煙すれば歯を守れて認知症も予防できる可能性が
- 2024年04月25日
-
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠 - 2024年04月23日
- 生鮮食料品店が近くにある高齢者は介護費用が低くなる 自然に健康になれる環境づくりが大切
- 2024年04月22日
- 運動が心血管疾患リスクを23%低下 ストレス耐性も高められる 毎日11分間のウォーキングでも効果が
- 2024年04月22日
- 職場や家庭で怒りを爆発させても得はない 怒りを効果的に抑える2つの方法 「アンガーマネジメント」のすすめ
- 2024年04月22日
- 【更年期障害の最新情報】更年期は健康な老化の入り口 必要な治療を受けられることが望ましい
- 2024年04月22日
- 【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
- 2024年04月18日
- 人口10万人あたりの「常勤保健師の配置状況」最多は島根県 「令和4年度地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月18日
- 健康診査の受診者数が回復 前年比で約4,200人増加 「地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月16日
- 塩分のとりすぎが高血圧や肥満の原因に 代替塩を使うと高血圧リスクは40%減少 日本人の減塩は優先課題