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H31年度実施を目指す未就園児等全戸訪問事業で児童虐待を防止

 厚生労働省の2019年(平成31年)度予算案概算要求では、「児童虐待防止対策・社会的養育の迅速かつ強力な推進」にあたり、前年度比107憶円増の1,655憶円を要求している。
 この中で、児童虐待・DV対策等総合支援事業として、新規に計画されているのが未就園児等全戸訪問事業(仮称)だ。
児童虐待の早期発見・早期対応が急務
GUM05_PH02074.jpg  昨年7月20日に児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議で決定された「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策の決定について」によると、児童相談所への児童虐待相談対応件数は2016年度に12万件を突破。児童虐待によって、年間約80人の子どもの生命が失われている。

 この現状を鑑み、児童虐待防止対策の強化に向けて厚生労働省や関係府省庁が一丸となって対策に取り組むこととし、緊急に実施すべき重点対策を掲げた。

 また緊急対策に加え総合的な対策にも言及しており、この中で、児童虐待の早期発見・早期対応を行うため、未就園で福祉サービスを利用していない子どもに地域の目が届くよう、未就園児がいる家庭を訪問するなどの取り組みを進めることが明文化された。

乳児家庭全戸訪問後の継続的なフォローで児童虐待の見逃しを防止
GUM05_PH01011.jpg  これまでも生後4カ月までの乳児のいるすべての家庭を訪問し、子育て支援に関する情報提供や養育環境などの把握を行う「乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)」が行われている。

 一方で、その後は各市町村でさまざまな取り組みが行われているものの、養育支援が必要な家庭を継続的にフォローできていないケースもあり、児童虐待の見逃しにつながる危険性もある。

 そのため同総合対策の方針をさらに拡大し、養育支援の必要性の有無を問わず、地域の目が届かない未就園児や児童がいる家庭を訪問する事業を創設。「未就園児等全戸訪問事業(仮称)」として、児童虐待の早期発見・早期対応に関する取り組みを強化する

具体的には、 ① 未就園(保育所、幼稚園、認定こども園等へ入所・入園等をしていない)で、地域子育て支援拠点や一時預かり等の福祉サービス等を利用していない等により、関係機関による安全確認ができない児童

② 市町村教育委員会等が、学校への就学に係る事務の過程で把握した児童で通学していないもののうち、市町村教育委員会が各学校や学校設置者と連携して家庭への電話、文書、家庭訪問等による連絡を試みてもなお連絡・接触ができず、関係機関による安全確認ができない児童

に該当するすべての児童を対象とした家庭訪問を行い、養育環境の把握や目視による児童の安全確認などを行う。そのうえで、専門的な相談支援や育児・家事援助を行う養育支援訪問事業につなげていく考え。