ニュース

適度な飲酒でうつ病を予防 ワインを飲むとリスクが32%減少

 ワインを週に2~7杯飲んでいる人は、まったく飲まない人に比べ、うつ病の発症が32%減少するという研究が発表された。適量のアルコールを飲むと体や心に良い影響がもたらされるが、飲み過ぎは健康を損なう原因になると研究者は指摘している。
アルコールを適度に飲むとうつ病の発症が減少
 この研究は、地中海ダイエットが心臓病を予防する効果を調べることを目的とした大規模研究「PREDIMED」の一環として行われた。PREDIMEDは、スペインの7地域で16の研究グループによって2003年に開始された。

 研究チームは、55~80歳の男女5,505人を、平均7年間追跡して調査した。調査終了時点で443人がうつ病を発症した。

 解析した結果、うつ病の発症がもっとも少なかったのは、アルコールを適度に飲んでいる人だったことが判明した。純アルコールに換算して1日に5~15gを飲んだ人では、まったく飲まない人に比べ、うつ病の発症が28%低下していた。

 うつ病の予防効果の高いのはワインであることも分かった。ワインを週に2~7杯飲んでいた人では、うつ病の発症が32%低下していた。小さめのグラスのワイン1杯に、およそ9gの純アルコールが含まれる。

 「適度な飲酒であれば、むしろうつ病の予防に効果があるという結果になりました。なぜそうなるのかは不明の点が多いのですが、適度な飲酒は動脈硬化を抑え、血管の炎症を予防する効果があるとみられます」と、スペインのナバラ大学のミゲル マルティネス ゴンザレス博士(予防医学、公衆衛生学)は話す。

アルコールのJカーブ現象
 アルコールは適量を飲んでいれば、気持ちをリラックスさせたり会話を増やしたりする効果がある。それに加え、心臓病や脳卒中を予防する効果があることが、多くの研究で確かめられている。

 「お酒を飲み過ぎたり、まったく飲まないよりも、適度に飲むことで、心臓病や脳卒中の発症が減る」という現象は、「J字型曲線(Jカーブ)」として知られる。アルコールを適度に飲むと、血液中の善玉コレステロールを増やし、高血圧、虚血性心疾患、脳卒中などを引き起こす動脈硬化を防ぐ効果が得られるからだと考えられている。

 日本の厚生労働省が2000年に開始した国民健康づくり運動「健康日本21」では、「節度ある適度な飲酒量」を、純アルコールで1日平均20g程度としている。

 アルコール20gは、ビール中瓶(500mL)1本、日本酒1合、チュウハイ(7%、350mL)缶1本、ワイン2杯などに相当する。この数値は、日本人や欧米人を対象にした大規模な疫学研究から、アルコール消費量と総死亡率の関係を検討し、それを根拠に割り出されたものだ。

大量飲酒は逆効果
 注意しなければならないのは、お酒はうつ病予防の特効薬にはならないことだ。過去に発表された多くの研究では、お酒を大量に飲むと、うつ病の発症が増えることが示されている。

 「今回の研究では、大量飲酒を続けている人では、うつ病の発症が増える傾向が示されました。うつ病を予防する目的でワインを飲むことは勧められません」と、ゴンザレス博士は指摘している。

 研究の参加者は地中海ダイエットを続けている人が多かった。地中海ダイエットは、地中海沿岸を中心にみられる伝統的な食習慣や食事スタイルで、健康的な食事として知られている。

 地中海ダイエットは、新鮮な野菜と果物、魚介類、全粒穀類、そしてオリーブオイルやくるみに含まれる不飽和脂肪酸を常食する食事スタイルだ。

 その影響もあり、研究の参加者の多くは、食事とともにアルコールを楽しむ人が多く、全体にアルコールの摂取量が少なかったという。

Alcohol intake, wine consumption and the development of depression: the PREDIMED study(BMCメディスン 2013年8月30日)

[Terahata]

「アルコール」に関するニュース

2017年08月09日
健康保険加入者の37%が肥満 脂質や血圧など複数のリスク 健保連調査
2017年08月09日
週3~4回の「飲酒」が糖尿病リスクを低下 アルコールは糖尿病に良い?
2017年08月04日
【健診・予防3分間ラーニング】サンプル動画3タイトル公開中~
2017年08月03日
2015年度の特定健診の実施率は50.1% 特定保健指導は17.5%で伸び悩み
2017年08月02日
適量のアルコールでも脳には悪影響が 海馬の萎縮リスクが3倍以上に
2017年07月26日
20歳から体重5kg増加は健康リスク 体重を増やさない10の方法
2017年07月26日
高齢者対象の「高血圧診療ガイドライン」 高齢者の降圧には注意が必要
2017年07月26日
糖尿病の最新全国ランキングを発表 ワーストは青森県 ベストは愛知県
2017年07月26日
都道府県の健康格差が拡大 寿命で3.1歳、健康寿命で2.7年の格差
2017年07月19日
解説「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」

最新ニュース

2017年08月18日
マシンガーZとのコラボで海外渡航者に麻しん感染予防を啓発
2017年08月16日
賞金3万円!「血糖値アップ・ダウン コンテスト」募集スタート!
2017年08月15日
★参加者募集中★第2回産業保健PC テーマ「保健指導の基本姿勢」
2017年08月10日
8割を超える事業場でストレスチェック制度を実施~厚労省調査
2017年08月10日
【健やか21】冊子「あなたと赤ちゃんの健康」無料配布  申込受付中
2017年08月09日
健康保険加入者の37%が肥満 脂質や血圧など複数のリスク 健保連調査
2017年08月09日
がん患者の家族が経験する葛藤の実態 がん患者支援に向けた調査結果
2017年08月09日
週3~4回の「飲酒」が糖尿病リスクを低下 アルコールは糖尿病に良い?
2017年08月09日
「味噌」に血圧の上昇を抑える効果 日本型の食事スタイルを再評価
2017年08月09日
受動喫煙により大動脈疾患リスクが2倍超に増加 家庭外の受動喫煙は深刻
2017年08月09日
ミカンのポリフェノールに緑内障の改善作用 酸化ストレスから網膜を保護
2017年08月04日
【健診・予防3分間ラーニング】サンプル動画3タイトル公開中~
2017年08月03日
【健やか21】渡航者向けの「麻しん」の予防啓発活動
2017年08月03日
2015年度の特定健診の実施率は50.1% 特定保健指導は17.5%で伸び悩み
2017年08月03日
【連載更新】課題解決のための取組み「ゆりかごタクシー」「ベビー防災」
2017年08月02日
「ウォーキングの格差」が世界規模で拡大 スマホで世界111ヵ国を調査
2017年08月02日
適量のアルコールでも脳には悪影響が 海馬の萎縮リスクが3倍以上に
2017年08月02日
糖尿病の医療費の節約志向が高まるアメリカ 5人に1人が受診を回避
2017年08月02日
犬の散歩は運動になるか? 運動不足を解消するのに効果的である可能性
2017年08月02日
日本の脳卒中の発症者は年間29万人 半分以上が死亡や介護が必要な状態に
2017年08月01日
「熱中症を防ぐ!」へるすあっぷ21 8月号
2017年07月28日
【健やか21】企業主導型保育事業(内閣府)/健康寿命をのばそう!アワード
2017年07月27日
【連載更新】 ワンコイン健診の挑戦(ケアプロ株式会社)
2017年07月26日
20歳から体重5kg増加は健康リスク 体重を増やさない10の方法
2017年07月26日
高齢者対象の「高血圧診療ガイドライン」 高齢者の降圧には注意が必要
2017年07月26日
がんサバイバーたちの「生きる力」を表現 がんと生きる、わたしの物語
2017年07月26日
糖尿病の最新全国ランキングを発表 ワーストは青森県 ベストは愛知県
2017年07月26日
都道府県の健康格差が拡大 寿命で3.1歳、健康寿命で2.7年の格差
2017年07月26日
日本人3,554人の全ゲノム情報を解読に成功 日本人のゲノム医療に期待
2017年07月26日
日常診療におけるバイオマーカーとしての尿中L-FABPの有用性と可能性
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,325 人(2017年08月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶