子宮頸がん予防のHPVワクチンをもっと知って欲しい【キャッチアップ接種の期間が延長】
国立がん研究センター(NCC)は、子宮頸がんの予防・検診について徹底解説したページの公開を開始した。
HPVワクチンの接種を受ければ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐことができる。ワクチン接種で予防し、さらには20歳以上の女性は定期的に検診を受け、早期発見を心がけることが重要としている。
HPVワクチンのキャッチアップ接種の期間が、条件付きで延長された。日本医師会ではこれに合せて、動画「HPVワクチンの接種を検討してみよう!~キャッチアップ接種の期間が条件付きで延長されました~」を公開している。
子宮頸がんの予防・検診について徹底解説
国立がん研究センター(NCC)は、子宮頸がんの予防・検診について徹底解説したページの公開を開始した。
子宮頸がんは、日本で年間に約1.1万人が罹患し、約2,900人が亡くなっている。主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染。HPVは、性交渉(性行為)によって感染する一般的なウイルスで、誰でも感染するリスクはある。
子宮頸がんは、初期の段階で発見して治療を行えば、子宮を残すことができ、妊娠や出産もできるが、自覚症状に乏しく、自分では気づきにくい病気だ。
子宮頸がんを発症し、出血やおりもの異常などの症状がみられたときには、かなり進行しているケースが少なくない。
HPVの感染を防ぐHPVワクチンの接種を受ければ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐことができる。ワクチン接種で予防し、さらには20歳以上の女性は定期的に検診を受け、早期発見を心がけることが重要としている。
出典:国立がん研究センター
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日本医師会が解説動画を公開
現在、小学校6年生から高校1年生の女子を対象に、公費(無料)でHPVワクチンの定期接種が行われている。HPVワクチンの接種は合計3回が必要だ。
日本では、HPVワクチン接種の積極的な勧奨が差し控えられていた期間があり、対象年齢の時期がこの期間と重なり接種機会を逃してしまった17歳から27歳の女性(1997年4月2日~2008年4月1日生まれの女性)を対象とした、公費でのキャッチアップ接種も行われている。
HPVワクチンのキャッチアップ接種の期間は、2025年3月末までとされていたが、このほど国は条件付きで、その期間を延長することを決めた。
これは日本医師会によると、2024年夏以降のHPVワクチンの需要の大幅な増加にともない、メーカーでワクチンの限定出荷が行われた状況などをふまえ、期間中に接種を希望する女性が接種機会を逃さないようにするための対応だ。
期間終了後の取扱いについて、2024年11月に厚生労働省で開催された「第64回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」で、2025年3月末まで(期間中)にHPVワクチンを1回以上接種した女性については、期間終了後も公費で3回の接種を完了できるよう、経過措置を設ける方針になった。
さらに、2008年度生まれで、2025年3月末までに1回以上接種した女性についても、キャッチアップ接種の対象となる。
今後のスケジュールなどについては、厚生労働省で決定次第、通知等で示される予定としている。
日本医師会ではこれに合せて、動画「HPVワクチンの接種を検討してみよう!~キャッチアップ接種の期間が条件付きで延長されました~」の公開をしている。
動画では、日本医師会の釜萢敏副会長が、「子宮頸がんとは、どんな病気なのか」「現在接種可能なワクチン」「キャッチアップ接種の期間が延長された背景」などについて分かりやすく解説している。
ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~ (厚生労働省)
ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種及び子宮頸がん (日本医師会)
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