ニュース

1日30分のウォーキングが寿命を延ばす 死亡リスクは5年間で51%減少

 座ったまま過ごす時間を減らし、ウォーキングなどの運動を行うと死亡リスクを大きく低下できることが、米国の大規模研究で明らかになった。運動する時間は1日に30分が望ましいが、10分でも効果があるという。「毎日忙しいという人でも、運動の時間をつくるべきです」と研究者は述べている。

 この研究は、ペンシルバニア大学、ジョンズ ホプキンス大学、国立がん研究所、国立老人研究所などの共同研究チームが行ったもので、医学誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」に発表された。
1日10分間の運動でも、何もしないでいるのに比べ効果がある
 研究チームは、「米国健康栄養調査」(NHANES)に参加した50~79歳の男女に、活動量計を7日間持ち歩いてもらい、1日の運動量を調べた。さらに参加者に2003年から2011年にかけて平均8年間、健康診断を毎年受けてもらった。

 その結果、運動をすることで心筋梗塞や脳卒中などの発症が減り、死亡リスクが低下することが明らかになった。全く運動しない人の死亡リスクは、中強度の運動を習慣として続けている人に比べ3倍に上昇し、活発な運動を続けている人に比べ5倍に上昇することが示された。

 「1日に座って過ごす時間のうち30分間を体を動かす時間に置き換えると、5年間の死亡リスクが20%減る計算になります。この30分間を中~高強度の運動をする時間に置き換えた場合には、死亡リスクは51%減ります」と、ペンシルバニア大学ポピュレーション研究センターのエズラ フィシュマン氏は言う。

 1日の運動量が同じくらいであっても、座ったまま過ごす時間が少ない人ほど、より健康で長生きする傾向が示された。受療状況、喫煙習慣、年齢、性別などの要因を考慮して解析しても、やはり1日の運動量の多い人ほど死亡リスクが低下することも示された。

 「座ったままの時間を減らして意識して体を動かす時間を増やす必要があります。家にいるときはソファーに寝そべってテレビを見るよりも、皿を洗う、床を掃くなどの家事をしたり、机の周りを歩き回るなど、体を動かした方が良いのです」と、フィシュマン氏は指摘している。
活動量計を持ち歩いて身体活動量を測るとメリットがある
 フィシュマン氏によると、アンケート調査であると参加者は運動量を実際よりも多めに申告する傾向があるという。精度の高い活動量計を使えば、1日のどれだけの時間を体を動かしていたかが正確に分かる。

 「最近の活動量計は、1日にウォーキングなどの運動をした時間が2時間であったか、それとも1時間30分であったといった精度の高い測定が可能です。運動不足が気になる人は、ときどき活動量計を持ち歩いて、ご自分の身体活動量がどれくらいかを測ることをお勧めします」としている。

 運動にはエネルギーの摂取量と消費量のバランスを改善し、体重を減らす効果がある。高血圧や脂質異常症の予防・改善の効果もある。加えて運動して体を動かすと、ストレスが解消でき、生活の質が向上する。

 最近の研究では、運動が認知症の予防にも効果的であることが分かってきた。

 「運動をするときは、必ずしも激しい運動である必要はありません。家の近所を歩き回ってくるといった程度でも、毎日続けていれば効果があります」と、フィシュマン氏は言う。

 今回の研究では、死亡リスクを確実に減らせる運動時間の閾値を割り出されなかったが、「1日の中で座ったまま過ごす時間を30分減らして、ウォーキングなどの運動をすると、死亡リスクは確実に低下します。それができないという人でも、運動を1日に10分増やしただけで、8年間で大きな差が出てきます」と強調している。

New Penn Study Links Moving More With Decreased Mortality(ペンシルバニア大学 2016年2月25日)
Association between Objectively Measured Physical Activity and Mortality in NHANES(Medicine & Science in Sports & Exercise 2016年2月5日)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 講習会の日程を発表
2017年06月21日
日本の介護の現状をレポート 「介護社会」の本格的な到来に備える
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要
2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
2017年06月21日
「健康長寿新ガイドライン」を策定 東京都健康長寿医療センター
2017年06月20日
「血糖トレンドを知るには。」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2017年06月19日
広がる電子母子手帳~健康情報を管理するアプリとも連携(神奈川県)
2017年06月15日
乳がん検診は今後はどう変わる? 「高濃度乳房」の実態調査を開始
2017年06月15日
食育推進計画を策定した市町村は78%に上昇 「平成28年度食育白書」

最新ニュース

2017年06月27日
【新連載】日本の元気を創生する ‐開業保健師の目指していること‐
2017年06月26日
3つのアプリを開発「考えよう!いじめ・SNS@Tokyo」
2017年06月26日
子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性を発表
2017年06月22日
【健やか21】子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性
2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 講習会の日程を発表
2017年06月21日
日本の介護の現状をレポート 「介護社会」の本格的な到来に備える
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要
2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
2017年06月21日
「健康長寿新ガイドライン」を策定 東京都健康長寿医療センター
2017年06月20日
「血糖トレンドを知るには。」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2017年06月19日
広がる電子母子手帳~健康情報を管理するアプリとも連携(神奈川県)
2017年06月16日
【健やか21】子ども外傷患者初期対応アセスメントシート 活用マニュアル
2017年06月15日
乳がん検診は今後はどう変わる? 「高濃度乳房」の実態調査を開始
2017年06月15日
食育推進計画を策定した市町村は78%に上昇 「平成28年度食育白書」
2017年06月15日
日本初の「心房細動リスクスコア」を開発 検診項目からリスクが分かる
2017年06月15日
赤ワインのポリフェノールで血管が柔らかく 糖尿病の動脈硬化も改善
2017年06月15日
内臓脂肪が増えるとがんリスクが上昇 腹囲の増加は「危険信号」
2017年06月15日
HbA1cを測定できる「ゆびさきセルフ測定室」 全国に1,500ヵ所以上
2017年06月08日
【健やか21】子ども・若者育成支援「専門分野横断的研修」研修生募集
2017年06月07日
若い世代の産業保健師を育成するプロジェクトがスタート
2017年06月07日
産業保健プロフェッショナルカンファレンス サイトを公開
2017年06月07日
糖尿病医療に貢献するビジネスプランを募集するコンテストを開始
2017年06月07日
健康に生きるための5つの「ライフ スキル」 人生で勝つために学びが必要
2017年06月07日
睡眠を改善するための10ヵ条 睡眠不足とメタボが重なると危険
2017年06月07日
「自分で測り健康データを収集」 5000人規模のコホート研究 東北大学
2017年06月07日
高尿酸血症が腎臓の機能障害の原因に 少しの異常でも腎臓に悪影響
2017年06月06日
「8020」を2人に1人以上が達成し過去最高に~平成28年歯科疾患実態調査
2017年06月06日
初の出生数100万人割れで過去最少 厚労省・人口動態統計月報年計
2017年06月02日
厚生労働省が平成28年の職場における熱中症死傷者発生状況を取りまとめ

おすすめニュース

無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,135 人(2017年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶