ニュース

食事管理を成功させるコツは「マインドフルネス」 満足感を得やすい食事

 食事療法を成功させるコツは、「本当に食べたい食物を、満足感を得やすいように食べる」ことだ。米国のミズーリ大学の臨床心理学者は、食べる行為に意識を向ける「マインドフル食事法」を提唱している。より満足のできる食事ができるようになるという。
食べることに意識を集中する食事法
 「マインドフルネス」は、日本の禅などの考え方や瞑想をベースにしたメンタルトレーニングとして米国で発達した。「マインドフルネス」を日本語に訳すと「気付くこと」「意識すること」という意味になる。

 「マインドフルネス」を簡潔にあらわすと「今、ここで起きていることを、ありのまま感じて、受け止めること」。自分の体や心の状態を意識することで、ストレスを受ける場面に遭っても、否定的な感情にとらわれることなく、平静を保てるようになるという。

 最近は宗教色を一切排除し、科学的な根拠を示した研究が増えている。集中力を高められるとして、米国では「マインドフルネス」をベースにした社員研修プログラムを提供する企業が増えている。「マインドフルネス」を応用した瞑想は認知症やうつ病の症状改善にも効果的と考えられている。
より満足のできる食事を心がけるのがマインドフルな食事
マインドフル食事法の3つのステップ
(1)食事をするときに、まず深呼吸をして、自分の空腹感に注意を向ける。自分がどれだけ空腹感であるかをチェックする。体の内側から発する声に耳を傾ける。
(2)食事ではよく味わいながら、食品の味や匂い、色にまで注意し、ゆっくりと食べる。栄養が自分の体に吸収されるのを実感する。食物を飲み込んだ後で、一呼吸おいて食べていることを実感する。
(3)食事が半分ほど済んだあたりで、満腹感を得られているか、惰性で食べ続けていないかどうかをチェックする。満腹感を得られているのなら、食事を残しても良い。次に空腹を感じたときに、また食べれば良い。

 「食べたいものを欲しいだけ、食べても良いのです。ただし、食べるという行為に対し注意深くあらねばなりません。自分が本当に空腹なのか、空腹を満たすために何をどれだけ食べればよいのか、注意を向けてみましょう」と、ミズーリ大学のトータル リワード プログラムの臨床心理学者のリン ロッシー氏は言う。

 マインドフルな食事の対極に位置するのは、例えばテレビを見たりスマートフォンをいじりながら、空腹でもないのに、高カロリーの菓子類などを食べ続ける行為だ。
満足感を得やすくなり、食事を適量で済ませられるようになる
 「マインドフルな食事は、体にどれだけの食物が必要で、満足感を得るためにどれだけ食べればよいかを、注意深く感じながら食べる方法です。食事は本来、あなたの味覚を喜ばせる楽しい行為であるべきです。なぜ食事をするか、どう食事をしたらよいか、常に自分の内的な問いかけに答えながら、より満足のできる食事を心がけながらゆっくり食べるのが、マインドフルな食事です。こうしたことは、流行しているダイエット法では得られないことです」と、ロッシー氏は言う。

 空腹、あるいは満腹を感じているかという、体の合図に意識的になることで、食べ過ぎを防ぎ、満足感も得やすくなる。そのためには、食べるスピードを意識的に遅くし、一口一口をよく味わって食べることが必要だ。食事をはじめるとき、半分食べたとき、食べ終わったときに、それぞれ意識して食べるのを中断し、自分が満足感を得ているかを深く感じてみよう。特に半分を過ぎたあたりから、呼吸を整えチェックすることが大切だ。

 「もっとも重要なことは、食物をよく噛んで、味わって食べることです。マインドフルな食事を続けていれば、やがて自分の内部から発せられる信号に敏感になり、満足感を得やすくなり、食事を適量で済ませられるようになります」と、ロッシー氏は説明する。
マインドフルネスを実行すると血糖値が正常域に
 米国のブラウン大学は「マインドフルネス」を実行している人は、血糖値が正常域にコントロールしやすいという調査結果を発表した。

 研究チームは、年齢の中央値が47歳の男女399人を対象に調査を実施。「マインドフルネス注意認識スケール」(MAAS)と呼ばれる「マインドフルネス」の程度を把握するための指標を使い、どの程度実践しているかを調べた。

 その結果、MAASのスコアが高く「マインドフルネス」の実践度の高いグループでは、そうでないグループに比べ、血糖値を正常域にコントロールできている割合が35%高く、空腹時血糖値を100mg/dL以下に保っている人が多いことが判明した。

 BMI・喫煙習慣・年齢・性別・人種・教育水準・年収・抑鬱の有無・血圧・主観的なストレスのコントロール感などを考慮しても、「マインドフルネス」を実行している人は、血糖値が低い傾向があることが明らかになった。

 「マインドフルネスの実践度の高い人は、高カロリーや高脂肪の食事を控えていて、運動に対しても積極的で、医師が推奨する食事療法や運動療法に意欲的である傾向があります」と、ブラウン大学公衆衛生学部のエリック ラウックス氏は言う。

 「糖尿病や心疾患などの慢性疾患とマインドフルネスの関連を疫学的に調べた研究はほとんどなく、今回の研究が最初のケースですが、マインドフルネスを治療に取り込むのが効果的であることが示唆されました。今後、さらに大規模の研究を計画しています」と、ラウックス氏は述べている。

Mindfulness Key to Eating What You Want While Preventing Overeating(ミズーリ大学 2016年7月18日)
BASICS of Mindful Eating(Mindfulness Practice Center)
Everyday mindfulness linked to healthy glucose levels(ブラウン大学 2016年2月23日)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2018年05月23日
「子宮頸がん」の抗ウイルス薬の開発に成功 年内に治験を開始する予定
2018年05月23日
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進
2018年05月23日
「高血圧」の治療で伝わらない説明 コミュニケーションのズレは深刻
2018年05月23日
「遺伝子検査」で糖尿病リスクが分かる 日本人4700人超を調査
2018年05月22日
【書籍プレゼント】『集団分析・職場環境改善版 産業医・産業保健スタッフのための ストレスチェック実務Q&A』を5名様にプレゼント
2018年05月22日
【報告】産保PCのこれまで活動内容をポスター発表しました(第91回日本産業衛生学会)
2018年05月21日
「血糖トレンドの"読み方":AGP」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2018年05月17日
敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
2018年05月16日
体重コントロールを成功させるシンプルな方法 必要なことは1つだけ
2018年05月16日
早期のアルツハイマー病「軽度認知障害」 日本人対象の研究で解明

最新ニュース

2018年05月23日
「子宮頸がん」の抗ウイルス薬の開発に成功 年内に治験を開始する予定
2018年05月23日
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進
2018年05月23日
「ヒアリ」の早期発見のためのキットを開発 水際対策での効果に期待
2018年05月23日
「高血圧」の治療で伝わらない説明 コミュニケーションのズレは深刻
2018年05月23日
「遺伝子検査」で糖尿病リスクが分かる 日本人4700人超を調査
2018年05月22日
【書籍プレゼント】『集団分析・職場環境改善版 産業医・産業保健スタッフのための ストレスチェック実務Q&A』を5名様にプレゼント
2018年05月22日
食育の取り組みをエビデンスに基づいて整理、解説―農林水産省がパンフレット作成
2018年05月22日
【報告】産保PCのこれまで活動内容をポスター発表しました(第91回日本産業衛生学会)
2018年05月21日
「血糖トレンドの"読み方":AGP」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2018年05月17日
敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
2018年05月17日
【健やか21】パンフレット『「食育」ってどんないいことがあるの?』
2018年05月16日
体重コントロールを成功させるシンプルな方法 必要なことは1つだけ
2018年05月16日
SNSの「自殺防止相談」に月に1万件以上 「対策強化月間」に実施
2018年05月16日
早期のアルツハイマー病「軽度認知障害」 日本人対象の研究で解明
2018年05月16日
やせていても糖尿病に? 筋肉が少なく脂肪がたまると高血糖に
2018年05月16日
「睡眠障害」が高血圧・糖尿病に関連 日本で最大規模の研究
2018年05月16日
トマトのリコピンはニンニクやタマネギで調理すると吸収されやすくなる
2018年05月15日
6割強が食中毒予防で「肉は水で洗う」に効果があると誤解-東京都の実態調査
2018年05月11日
【新連載】イラストで魅せる!健康啓発「見せ方」の工夫
2018年05月10日
【健やか21】SNS等に起因する被害児童の現状と対策の掲載(警察庁)
2018年05月08日
元気高齢者を「介護サポーター」に 介護予防の観点から社会参加を促進
2018年05月08日
米国糖尿病学会「立ち上がって運動しようデー」 8つの対策で運動推進
2018年05月08日
「鰹だし」で抗がん剤の副作用を予防 血管を拡張する作用を確認
2018年05月08日
【投票企画】プルーンレシピコンテスト開催中! 栄養を効率よく吸収できる「食べ合わせ」
2018年05月07日
大豆から食べる「大豆ファースト」で食後の血糖値の急上昇を改善
2018年05月07日
従業員のいる飲食店は屋内禁煙に~東京都・受動喫煙防止条例の骨子案
2018年05月02日
新入社員の健康教育や女性の健康啓発に最適 「働く人のための健康づくりシリーズ」指導箋
2018年05月01日
健康イベント、健康教育のお土産に!!(腹囲メジャー)※在庫残り僅か※
2018年05月01日
休日の寝過ぎが体調不良の原因に 「社会的時差ぼけ」を解消
2018年05月01日
「がんとの共生を考える」へるすあっぷ21 5月号
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,145 人(2018年05月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶