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健康保険組合が1278億円の黒字 保険料率引き上げで 保険料は9%超え

 健康保険組合の2015年度決算は1,278億円の経常黒字だった。保険料率の引き上げなどで2年連続の黒字を維持し、黒字額は前年の2倍の規模になった。健康保険組合連合会(健保連)が、1,405組合の収支状況を発表した。
保険料率がはじめて9%を超える
 健保連によると、2015年度の経常収支は、経常収入7兆7,854億円、経常支出7兆6,576億円、経常収支差引額は1,278億円の黒字となった。

 保険料収入は前年度に比べ、1,843億円(2.46%)改善したが、これは保険料率の引き上げ、被保険者数の増加、月額・賞与の上昇によるもの。保険料収入が増加した一方で、支援金・納付金が2013年度精算分(戻り)などの影響で微減となった。

 被保険者1人当たり保険料額は48万4,342円で、前年度比8,839円、1.86%の増加となった。2007年度に比べ被保険者1人当たりの年間保険料負担は、10万0,730円増加している。

 平均保険料率は9.035%(調整保険料率含む)で、前年度比0.153ポイント増加し、はじめて9%を超えた。9%以上の組合は837組合と全組合の59.6%を占める。
医療費は5年ぶりの高い伸び 高額医療費が増加
 ただし、赤字の組合は651で全体の46.3%を占める。保険料を引き上げても支出を賄えない組合は多い。

 経常支出は7兆6,576億円で1.6%増えた。医療費は3兆7897億円で3.2%増と5年ぶりの高い伸びだった。

 1ヵ月の医療費が1,000万円以上かかったケースは、2015年度は361件と過去最高に上ったことも明らかになった。高額薬剤の相次ぐ登場で医療費が伸びており、保険料率引き上げは今後も続く可能性がある。

 支援金・納付金等総額は3兆2,742億円で、前年度比52億円(0.16%)減少した。そのうち後期高齢者支援金は1兆6,496億円(3.25%増)、前期高齢者納付金は1兆4,615億円(5.07%増)、退職者給付拠出金は1,631億円(43.87% 減)となった。

 後期高齢者支援金は、高齢者人口の増加や総報酬割部分が3分の1から2分の1に拡大された影響、また、前期高齢者納付金は、団塊世代による人員増などで増加。一方、退職者給付拠出金は、26年度末までで退職被保険者の新規の適用が終了したことによる退職被保険者数減で大幅に減少した。

 2016~17年度は加入者の年収が高い健保ほど後期高齢者支援金が増える「総報酬割」が段階的に拡大し、支援金は再び膨らみそうだ。

健康保険組合連合会(健保連)
[Terahata]
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