ニュース

東日本大震災で被災した6万人超の健康調査 メタボ、抑うつ傾向を確認

 東日本大震災で被災した宮城県と岩手県の住民の多くでメタボの割合が高く、抑うつ傾向もみられることが、東北大学と岩手医科大学が6万3,002人を対象にした大規模調査で明らかになった。
震災被災地の健康状態 地域住民コホート調査より
 日本医療研究開発機構らは、2013年~2015年度に「東北メディカル・メガバンク計画」の地域住民コホート調査に参加した6万3,002人のデータを分析し、その調査結果を公表した。

 地震や津波により家族・親族や住宅を失った被災者の多くに抑うつ症状がみられることはこれまでも指摘されていたが、今回の大規模調査でその傾向が確認された。

 大震災6年目を迎えるこれからも「保健指導」や「メンタルケア」を継続することが重要であることが浮き彫りになった。

 調査は、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)と岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)が実施機関となっている「東北メディカル・メガバンク計画」の一環として行われた。

 同計画では、東日本大震災被災地の医療の復興と健康増進に役立てるために、2013年より合計15万人規模の地域住民コホート調査および三世代コホート調査を実施。今回は特定健康診査に参加した6万3,002人のデータを分析した。
自宅が全壊した被災者でメタボが1.29倍に上昇
 今回は、そのうちの2013~2015年度に宮城県内および岩手県内の特定健康診査会場などで参加した宮城県3万7,175人、岩手県2万5,827人の計6万3,002人について、調査結果を分析。男女比は男性約37%、女性約63%。男女合わせた平均年齢は60.8歳だった。

 その結果、メタボリックシンドロームの割合について、被災者の方が被災していない人より高い傾向が出た。

 男性では自宅被害なしの者に比べ、自宅が全壊した者は1.29(1.16-1.44)、大規模半壊した者は1.26(1.06-1.48)とリスクが高く、自宅の被害の程度は、喫煙・飲酒・身体活動量・心理的苦痛・抑うつ症状を考慮してもなお、統計学的に有意なリスク上昇と関連していた。
PTSR(心的外傷後ストレス反応)は沿岸部で1.57倍に上昇
 また、抑うつ症状を示す人は沿岸部、内陸部合わせて26.4%で、その割合は沿岸部の方が高かった。

 内陸部に対して沿岸部では、心理的苦痛、抑うつ症状、不眠およびPTSR(心的外傷後ストレス反応)のオッズ比が高く、内陸部居住者に対する沿岸部居住者のオッズ比は、心理的苦痛で1.08(0.99-1.17)、抑うつ症状で1.14(1.09-1.19)、不眠で1.15(1.09-1.20)、PTSRで1.57(1.38-1.77)だった。

 沿岸部の被災者にメタボ割合が高いのは、狭い仮設住宅などに長期間居住しているために日常の運動量が減っていることなどが原因とみられている。

 このほか、高血圧の治療中断率が内陸部と比べ沿岸部で高く、高血圧治療中断者の収縮期血圧は、通院中の者に比べて高いことなども判明した。
心理士がカウンセリングや相談に応じる
 「東北メディカル・メガバンク計画」では、PTSRのため日常に支障があると回答した参加者を対象に、専属の心理士が電話でその後の経過を尋ね、必要に応じて、カウンセリングや相談に応じ、医療機関への受診勧奨や情報提供を行うなどの支援活動を行っている。

 2016年12月末までに、コホート調査の参加者のうち、1,922人のハイリスク者に対して、3,880回の電話をかけ、1,380人の対象者に支援を行った。

 同計画では今後、地域支援センターやサテライトで調査に参加した人々についても集計を進め、傾向の分析を進めていく。また、ゲノム解析やオミックス解析なども進め、一部の情報はデータベースとして公開し、広く多くの研究者の利用に供するという。

東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)
  地域住民コホート調査 | 三世代コホート調査
岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2018年05月22日
【書籍プレゼント】『集団分析・職場環境改善版 産業医・産業保健スタッフのための ストレスチェック実務Q&A』を5名様にプレゼント
2018年05月22日
【報告】産保PCのこれまで活動内容をポスター発表しました(第91回日本産業衛生学会)
2018年05月21日
「血糖トレンドの"読み方":AGP」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2018年05月17日
敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
2018年05月16日
体重コントロールを成功させるシンプルな方法 必要なことは1つだけ
2018年05月16日
早期のアルツハイマー病「軽度認知障害」 日本人対象の研究で解明
2018年05月16日
やせていても糖尿病に? 筋肉が少なく脂肪がたまると高血糖に
2018年05月16日
「睡眠障害」が高血圧・糖尿病に関連 日本で最大規模の研究
2018年05月08日
元気高齢者を「介護サポーター」に 介護予防の観点から社会参加を促進
2018年05月08日
「鰹だし」で抗がん剤の副作用を予防 血管を拡張する作用を確認

最新ニュース

2018年05月22日
【書籍プレゼント】『集団分析・職場環境改善版 産業医・産業保健スタッフのための ストレスチェック実務Q&A』を5名様にプレゼント
2018年05月22日
食育の取り組みをエビデンスに基づいて整理、解説―農林水産省がパンフレット作成
2018年05月22日
【報告】産保PCのこれまで活動内容をポスター発表しました(第91回日本産業衛生学会)
2018年05月21日
「血糖トレンドの"読み方":AGP」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2018年05月17日
敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
2018年05月17日
【健やか21】パンフレット『「食育」ってどんないいことがあるの?』
2018年05月16日
体重コントロールを成功させるシンプルな方法 必要なことは1つだけ
2018年05月16日
SNSの「自殺防止相談」に月に1万件以上 「対策強化月間」に実施
2018年05月16日
早期のアルツハイマー病「軽度認知障害」 日本人対象の研究で解明
2018年05月16日
やせていても糖尿病に? 筋肉が少なく脂肪がたまると高血糖に
2018年05月16日
「睡眠障害」が高血圧・糖尿病に関連 日本で最大規模の研究
2018年05月16日
トマトのリコピンはニンニクやタマネギで調理すると吸収されやすくなる
2018年05月15日
6割強が食中毒予防で「肉は水で洗う」に効果があると誤解-東京都の実態調査
2018年05月11日
【新連載】イラストで魅せる!健康啓発「見せ方」の工夫
2018年05月10日
【健やか21】SNS等に起因する被害児童の現状と対策の掲載(警察庁)
2018年05月08日
元気高齢者を「介護サポーター」に 介護予防の観点から社会参加を促進
2018年05月08日
米国糖尿病学会「立ち上がって運動しようデー」 8つの対策で運動推進
2018年05月08日
「鰹だし」で抗がん剤の副作用を予防 血管を拡張する作用を確認
2018年05月08日
【投票企画】プルーンレシピコンテスト開催中! 栄養を効率よく吸収できる「食べ合わせ」
2018年05月07日
大豆から食べる「大豆ファースト」で食後の血糖値の急上昇を改善
2018年05月07日
従業員のいる飲食店は屋内禁煙に~東京都・受動喫煙防止条例の骨子案
2018年05月02日
新入社員の健康教育や女性の健康啓発に最適 「働く人のための健康づくりシリーズ」指導箋
2018年05月01日
健康イベント、健康教育のお土産に!!(腹囲メジャー)※在庫残り僅か※
2018年05月01日
休日の寝過ぎが体調不良の原因に 「社会的時差ぼけ」を解消
2018年05月01日
「がんとの共生を考える」へるすあっぷ21 5月号
2018年04月26日
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します!
2018年04月25日
「検体測定室」でのHbA1cチェックは糖尿病対策として効果的
2018年04月25日
エネルギーを燃焼する「褐色脂肪細胞」を活性化 脂肪が燃えやすい体に
2018年04月25日
ICTを活用して「フレイル」を予防 健康長寿医療センターなどが開発
2018年04月25日
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,145 人(2018年05月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶