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治療と仕事の両立支援ガイドライン 脳卒中と肝疾患の留意事項を追加

 厚生労働省はこのほど、「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」の参考資料に、「脳卒中に関する留意事項」と「肝疾患に関する留意事項」を追加した。2016年2月の同ガイドライン策定時には「がんに関する留意事項」が作成されており、同様に今回は脳卒中と肝疾患についての基礎情報や、特に留意すべき事項を分かりやすくまとめている。

分かりづらい症状に配慮が必要な脳卒中
 同ガイドラインは、事業場が疾病を抱える労働者に適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と職業生活が両立できるようにするための取り組みなどをまとめたもの。

 まず脳卒中については、再発予防や治療のための配慮、また復帰後の職場適応とメンタルヘルスなどに留意するよう求めている。

 厚生労働省の「平成26年患者調査」によると、脳卒中など脳血管疾患の治療や経過観察で通院している患者数は118万人と推計され、うち約14%にあたる17万人が20~64歳の就労世代。就労世代など若い患者は約7割がほぼ介助を必要としない状態まで回復するので、適切な治療によって職場復帰(復職)できる可能性は高い。脳卒中の重症度や職場の配慮などによって状況は異なるが、脳卒中発症後の最終的な復職率は50~60%という報告もある。

 一方で病状が安定していても、再発予防のために服薬や通院を必要とするため、事業者は労働者の服薬に伴う副作用の内容や、通院について配慮することが望まれる。また徐々に痛みやしびれ、記憶力・注意力の低下などが後遺症として出てくる可能性もあり、労働者は主治医から出やすい症状や注意すべきことについて確認し、必要な情報を事業者へ伝達することを勧めている。

 そのほか、事業者には産業医や保健師、看護師など産業保健スタッフと連携し、障害の程度や内容に応じて作業転換などの措置を行うことを求めている。また、記憶力や集中力の低下など一見して分かりづらい症状に対しては「周囲の理解や協力が得られにくい場合もある」として、労働者本人の同意のもと、必要な情報に限定して上司や同僚などへ情報開示するのが望ましいと助言。手足の麻痺や言語障害、痛みやしびれなどの後遺症がある労働者は、職場復帰後にメンタルヘルス不調に陥る場合もある、と注意を促している。

肝疾患について周囲の正しい理解を啓発
 肝疾患は病気があまり進行していない段階でも通院による治療と経過観察を必要とすることや、服薬治療では薬を飲むタイミングが一定ではないこと、注射によるインターフェロン治療を受けた場合は一時的に副作用が現れることもあること、などの特徴をまとめ、事業者は労働者と相談のうえ配慮することが望ましいと明記。肝硬変の症状がある場合や、肝がんに移行した場合などについても、それぞれ配慮すべき事項を説明している。

 一方で、通常の日常生活や就業でB型やC型肝炎ウイルスに感染することは、ほとんどないが、周囲が誤った認識を持っていると労働者が「就業の継続のための理解や協力が得られない場合もある」として、事業者には疾患についての正しい知識の啓発などが重要だと記している。

 厚生労働省は今後も、ガイドラインの普及や企業に対する各種支援によって、疾病を抱える人々が治療と職業生活を両立できる環境整備に取り組んでいく方針。

報道発表「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」の参考資料に、脳卒中と肝疾患に関する留意事項を追加(厚労省)

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[yoshioka]

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