ニュース

日本の糖尿病患者の寿命は延びている 寿命は30年で10年間延長

 糖尿病患者の平均年齢は、男性が71.4歳、女性が75.1歳で、その前の10年間に比べ、男性で3.4歳、女性で3.5歳延びたことが、4万5,708人の患者を対象とした調査で明らかになった。30年前の調査に比べると、男性で8.3歳、女性で10.2歳延長しており、糖尿病患者の寿命が着実に伸びていることが示された。
日本の糖尿病患者の寿命は延びている
寿命を全うするために
 日本は世界でもトップの長寿国だ。進んだ医療体制や保険制度、健康的な食生活など、長寿を支える要素は多い。一方で、糖尿病は国民的な病気として認知され、患者数も増えている。糖尿病は寿命にどの程度の影響を与えているのだろうか。そして糖尿病を発症したら、寿命を全うできないのだろうか。

 2001~2010年の10年間におけるの日本人の糖尿病患者の平均年齢は、男性が71.4歳、女性が75.1歳で、その前の10年間に比べ、男性で3.4歳、女性で3.5歳延びたことが、日本糖尿病学会の「糖尿病の死因に関する調査委員会」による調査で分かった。この間の日本人の平均寿命の延びを明らかに上回った。

 同委員会委員長で愛知医科大学糖尿病内科の中村二郎教授らが、医学誌「Journal of Diabetes Investigation」に発表した。

 同学会による日本人糖尿病患者の死因や死亡時年齢に関する大規模な調査は、1971~80年が最初。以来、1981~90年、1991~2000年、2001~2010年と10年ごとに実施してきた。

 今回の報告は、2001~10年時の調査結果で。全国の241施設から報告された4万5,708例(男性2万9,801例、女性1万5,907例)を解析した。

 糖尿病患者の平均死亡時年齢は男性71.4歳、女性75.1歳。前回の1991~2000年に比べ、男性で3.4歳、女性で3.5歳延びた。1971~80年の調査時と比べると、男性で8.3歳、女性で10.2歳延長しており、日本の糖尿病患者の寿命が着実に伸びていることが示された。
 日本人一般の平均寿命の延びは、1991~2000年と2001~10年の間で男性2.0歳、女性1.7歳、1971~80年と2001~10年の間で男性6.2歳、女性7.5歳。いずれの年代との比較でも、糖尿病患者における死亡時年齢の延びが日本人一般を上回った。

 日本人の平均寿命と糖尿病患者の平均死亡時年齢との差は、2001~10年には男性8.2歳、女性11.2歳だった。ただし、1971~80年には男性で10.3歳、女性で13.9歳もあり、平均寿命の年齢差は年を追うごとに縮まっており、今回の調査が最小となった。
糖尿病患者の死因第1位はがん 脳卒中や心疾患も多い
 このように糖尿病患者は短命という言葉は、決して誇張ではない。しかしみてきたように、その理由は糖尿病だけが直接の原因ではない。つまり適切な治療と、食事療法・運動療法を続けて症状の改善を行えば、「死に至る病」を避けられ、健常者と変わらない寿命を全うすることも可能だ。

 健康な人と変わらぬ年月を生きることが可能であれば、少しでも健康的な状態で生活を謳歌したい。糖尿病は症状が悪化すると日常生活動作が悪化し、健康的な状態の時間が奪われ、生活の質(QOL)が大きく低下してしまう。何よりも早期からの予防と治療、生活習慣の改善が寿命を延ばすために必要となる。

 糖尿病患者の死因第1位は▽悪性新生物(がん)の38.3%であり、第2位は▽感染症の17.0%、第3位は▽血管障害(慢性腎不全、虚血性心疾患、脳血管障害)の14.9%だった。このうち、▽脳血管障害は6.6%、▽虚血性心疾患は4.8%、▽腎不全は3.5%を占めている。

 死因となったがんの中でもっとも多かったのは肺がん。次いで肝臓がん、膵臓がんと続く。前回1位だった肝臓がんを肺がんが抜いた。がんの比率は、50歳代で46.3%、60歳代で47.7%と高率であり、50歳代以降でがんによる死亡者全体の97.4%を占めていた。

 感染症の中では肺炎がほとんどを占めており、死亡比率は年代が上がるとともに高率となり、70歳代以降では20.0%で、肺炎による死亡者全体の80.7%は70歳代以降だった。

 血管障害全体の比率は、30歳代以降で年代による大きな差は認められなかった。糖尿病性腎症による慢性腎不全は、30歳代で、心筋梗塞は40歳代で、脳血管障害は30歳代で比率が増加し、それ以降の年代において同程度であった。50歳代までは脳出血、60歳代以降では脳梗塞の比率が高かった。

 血糖コントロールの良否と死亡時年齢との関連をみると、血糖コントロール不良群では良好群に比し1.6歳短命であり、その差はがんに比し血管合併症とりわけ糖尿病性腎症による腎不全で大きかった。

 また、糖尿病性昏睡による死亡は、10歳代および20歳代でそれぞれ14.6%および10.4%と高率であり、それらの年代ではがんに次いで第2位だった。

Causes of death in Japanese patients with diabetes based on the results of a survey of 45,708 cases during 2001–2010: Report of the Committee on Causes of Death in Diabetes Mellitus(Journal of Diabetes Investigation 2017年3月27日)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 講習会の日程を発表
2017年06月21日
日本の介護の現状をレポート 「介護社会」の本格的な到来に備える
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要
2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
2017年06月21日
「健康長寿新ガイドライン」を策定 東京都健康長寿医療センター
2017年06月20日
「血糖トレンドを知るには。」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2017年06月19日
広がる電子母子手帳~健康情報を管理するアプリとも連携(神奈川県)
2017年06月15日
乳がん検診は今後はどう変わる? 「高濃度乳房」の実態調査を開始
2017年06月15日
食育推進計画を策定した市町村は78%に上昇 「平成28年度食育白書」

最新ニュース

2017年06月26日
3つのアプリを開発「考えよう!いじめ・SNS@Tokyo」
2017年06月26日
子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性を発表
2017年06月22日
【健やか21】子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性
2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 講習会の日程を発表
2017年06月21日
日本の介護の現状をレポート 「介護社会」の本格的な到来に備える
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要
2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
2017年06月21日
「健康長寿新ガイドライン」を策定 東京都健康長寿医療センター
2017年06月20日
「血糖トレンドを知るには。」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2017年06月19日
広がる電子母子手帳~健康情報を管理するアプリとも連携(神奈川県)
2017年06月16日
【健やか21】子ども外傷患者初期対応アセスメントシート 活用マニュアル
2017年06月15日
乳がん検診は今後はどう変わる? 「高濃度乳房」の実態調査を開始
2017年06月15日
食育推進計画を策定した市町村は78%に上昇 「平成28年度食育白書」
2017年06月15日
日本初の「心房細動リスクスコア」を開発 検診項目からリスクが分かる
2017年06月15日
赤ワインのポリフェノールで血管が柔らかく 糖尿病の動脈硬化も改善
2017年06月15日
内臓脂肪が増えるとがんリスクが上昇 腹囲の増加は「危険信号」
2017年06月15日
HbA1cを測定できる「ゆびさきセルフ測定室」 全国に1,500ヵ所以上
2017年06月08日
【健やか21】子ども・若者育成支援「専門分野横断的研修」研修生募集
2017年06月07日
若い世代の産業保健師を育成するプロジェクトがスタート
2017年06月07日
産業保健プロフェッショナルカンファレンス サイトを公開
2017年06月07日
糖尿病医療に貢献するビジネスプランを募集するコンテストを開始
2017年06月07日
健康に生きるための5つの「ライフ スキル」 人生で勝つために学びが必要
2017年06月07日
睡眠を改善するための10ヵ条 睡眠不足とメタボが重なると危険
2017年06月07日
「自分で測り健康データを収集」 5000人規模のコホート研究 東北大学
2017年06月07日
高尿酸血症が腎臓の機能障害の原因に 少しの異常でも腎臓に悪影響
2017年06月06日
「8020」を2人に1人以上が達成し過去最高に~平成28年歯科疾患実態調査
2017年06月06日
初の出生数100万人割れで過去最少 厚労省・人口動態統計月報年計
2017年06月02日
厚生労働省が平成28年の職場における熱中症死傷者発生状況を取りまとめ
2017年06月02日
【健やか21】育児休業取得者微増(女性81.8%、男性3.16%)

おすすめニュース

無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,135 人(2017年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶