ニュース
「健康づくり運動ポイント制度」で健康長寿を促進 和歌山県
2017年11月22日

和歌山県は、個人や自治会などで登録すると運動量に応じてポイントがもらえる「健康づくり運動ポイント制度」を10月1日に開始した。(1)運動、(2)社会参加、(3)食事を「健康長寿」の3原則とし、県民の参加を促している。
地域コミュニティに密着した活動なら継続できる
「健康づくり運動ポイント制度」は個人やグループ、自治会で参加でき、個人には30分以上の運動や1日8,000歩以上歩くとそれぞれ1ポイント、1ヵ月で10万歩以上歩くと5ポイントのボーナスが、自治会はラジオ体操や清掃活動などを行えば、参加人数の2倍ポイントをもらえる。
地域コミュニティに密着した健康づくりを進め、運動習慣を楽しくつけることで生涯にわたって健康を維持してもらう狙いがある。門戸を広げて趣味のサークルなど任意のグループでも活用できるようにしてある。県は来年3月末にポイントを集計し、上位の自治会と個人を表彰する。
「手軽に楽しみながら運動ができ、地域コミュニティに密着していれば継続できる。1人だけでなく、友人や近所の人と一緒に取り組んでほしい。毎日の歩数のカウントや実施した運動のポイント化がモチベーションを高める」と、県健康推進課は述べている。
県の健康寿命は男性が全国20位の71.43歳、女性は28位の74.33歳と全国平均を上回るが、要介護認定率はワーストの22.1%、メタボリックシンドロームの該当者は全国ワースト10位の15.54%と、健康寿命は伸び悩んでいる。1日の歩数は男性が全国ワースト2位の6,675歩、女性が全国ワースト10位の6,423歩。社会活動・ボランティアの参加者も、全国ワースト10位の24.2%となっている。
高齢者に社会参加を呼びかける活動
県では「運動」「食事」「社会参加」を健康寿命を延長するための3原則と位置付けており、今回の制度により地域コミュニティに密着した県民の健康づくりを定着させたい考えだ。
新宮市健康づくり地域推進員会では「元気体操教室」を開催。参加者からは「よく眠れるようになった」「手足が軽くなった」との声が聞かれた。片男波自治会では17年間毎日かかさず公園のトイレ清掃や花壇整備などをしている。主催者は「引きこもりがちな高齢者に呼びかけを行い、外出するきっかけにしてもらっている。近所への地域ぐるみの活動を広げたい」とコメントしている。
「前回の長期計画で、和歌山県は健康長寿日本一を目指すと宣言したが、結果はそれとはほど遠いものだった。他県に比べて、高齢化比率が高く、高齢になると介護サービスを受ける割合も高い。そのため長野県のように保健補導員の制度を導入し、健康長寿県となった例を参考にし、和歌山県でも健康推進員制度をとり入れた。"健康づくり運動ポイント制度"を始めたことで、地域に根差した活動が広がると期待している」と、仁坂吉伸・和歌山県知事は話す。
わかやま健康ポイント(和歌山県)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「地域保健」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月10日
- 緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下
- 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮