ニュース

喫煙と飲酒が口腔・咽頭がんのリスクを上昇 たばこ、お酒でリスクは4倍に

 喫煙と飲酒は、ともに口腔・咽頭がん発症リスクを上昇させることが、40~69歳の日本人約9万6,000人を対象とした多目的コホート研究「JPHC研究」で明らかになった。たばこを吸い、飲酒量が多い男性では、発症リスクは4.1倍に高まることが分かった。
日本人を対象とした大規模研究
 国際がん研究機関(IARC)は、喫煙や飲酒は口腔・咽頭がんの確実なリスクだと報告しているが、日本人を対象とした大規模な研究はほとんど行われていない。そこで国立がん研究センターなどの研究グループは、多目的コホート研究「JPHC研究」で、がんリスクを上昇させる要因について大規模な調査をしている。

 「JPHC研究」は日本人を対象に、さまざまな生活習慣と、がん・2型糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などとの関係を明らかにする目的で実施されている多目的コホート研究。

 今回、研究グループは、1990年と1993年に、岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、沖縄、大阪の11保健所管内に在住していた人のうち、がんの既往がなく、アンケート調査に回答した40~69歳の男女約9万5,525人を、2010年まで追跡して調査した。それにもとづいて、喫煙・飲酒と口腔・咽頭がん発生リスクとの関連を調べた。

 口腔がんは、口腔内の舌、歯肉、口腔底、口蓋、唾液腺などの部位に発生したがんを指す。また、咽頭がんは、咽頭を構成する上咽頭、中咽頭、下咽頭および扁桃等の部位に発生したがんを指す。
口腔・咽頭がんのリスク、喫煙量の多い男性では4.3倍に増加
 研究に参加した人のうち、追跡期間中に222人が口腔・咽頭がんを発症し、うち女性は62人(27.9%)だった。

 男性では、現在喫煙している人の口腔・咽頭がんの発症リスクは、吸わない人に比べて2.4倍に上昇した。また、累積喫煙指数(1日喫煙箱数×喫煙年数)が60以上のグループでは、吸わないグループと比べて、発症リスクが4.3倍に上昇した。
 部位別では、下咽頭がんへの影響がとくに大きく、たばこを吸うグループで約13倍、累積喫煙指数60以上のグループで約21倍、発症リスクが増加した。
たばこを吸い、飲酒量が多い男性では、リスクは4.1倍に増加
 また、週に1回以上飲酒するグループは、飲まないグループに比べ、口腔咽頭がんの発症リスクが1.8倍増加した。エタノール摂取量に換算して、週に300g以上(1日平均4合以上)の飲酒を続けているグループでは、発症リスクは3.2倍に上昇した。

 部位別にみると、下咽頭がんへの影響が大きく、週に1回以上の飲酒するグループで3.3倍に、週に300g以上酒を飲むグループでは10.1倍に上昇した。
 さらに男性では、たばこを吸わず、飲酒量の少ない(エタノール換算で週に150グラム未満)グループに比べ、たばこを吸い、飲酒量の少ないグループでは、口腔・咽頭がん発症リスクは1.8倍に上昇した。

 また、たばこを吸わず、飲酒量が多いグループでは、口腔・咽頭がん発症リスクは2.1倍増加した。さらに、たばこを吸い、飲酒量が多いグループのでは、飲酒と喫煙の影響が足し合わさり、発症リスクは4.1倍とさらに増加した。
女性でも飲酒と喫煙の影響で口腔・咽頭がんのリスクは上昇
 女性は、男性に比べ喫煙率が低く、飲酒量も少ない傾向がある。それでも、たばこを吸わないグループと比べて、たばこを吸うグループで口腔咽頭がんの発症リスクは2.5倍に上昇した。

 また、酒を飲まないグループとくらべて、週にエタノール換算で150g以上を飲酒する女性グループではリスクが5.9倍に上昇し、飲酒によって口腔・咽頭がんのリスクは大幅に上昇することが分かった。
口腔・咽頭がんの予防するために、たばことお酒を控えることが重要
 今回の研究で、喫煙と飲酒は、ともに口腔・咽頭がん発症リスクを増加することが確認された。特に下咽頭がんで大きくリスクが増加することが分かった。

 今回の結果について研究グループは、「これまでの国際的評価を支持する結果です。日本人における口腔・咽頭がんの予防のためには、喫煙せず、飲酒量を控えることが重要であることが再確認されました」と述べている。

多目的コホート研究(JPHC Study) 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ
Cigarette smoking, alcohol drinking, and oral cavity and pharyngeal cancer in the Japanese: a population-based cohort study in Japan(European Journal of Cancer Prevention 2018年3月)
[Terahata]

「がん」に関するニュース

2018年10月05日
乳がん検診に「人工知能(AI)」を導入 マンモグラフィの欠点を克服
2018年10月04日
【講演会レポート】「10月8日は、糖をはかる日」講演会 「"これからの"血糖コントロール」
2018年10月02日
10月は「乳がん啓発月間」 定期的なマンモグラフィ検診は効果的
2018年09月11日
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大
2018年08月29日
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催
2018年07月26日
東京第1期 「ブレスト・アーティスト養成スクール」開講日程のお知らせ
2018年06月27日
「グループ運動」は継続するのに効果的 「プラス・テン」で運動促進
2018年06月27日
乳がん患者の不安や恐怖を緩和 乳がんサバイバーを支援するアプリを開発
2018年06月20日
「老年医学推進5ヵ年計画」を学会が発表 人生100年時代の高齢者医療
2018年06月20日
低脂肪の食事で女性の「乳がん」リスクが低下 死亡リスクも低下

最新ニュース

2018年10月22日
現役保健指導スタッフと共同制作!「撃退!トリプルリスク」指導箋無料配付キャンペーンのお知らせ
2018年10月22日
【PR】病気を発見するAIや遺伝子検査予防法など最新技術が集結!無料の専門セミナーも多数開催【健康診断・健康管理EXPO】
2018年10月18日
【参加募集中】第6回(2018年度 第2回)産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「メンタルヘルス」※定員に達したため、応募を締め切りました
2018年10月18日
帝京大学産業保健プログラム 受講生募集
2018年10月18日
【健やか21】平成30年度「麻薬・覚醒剤乱用防止運動東京大会」(参加申し込み受付中)
2018年10月17日
日本肥満学会など23学会が「肥満症」の撲滅目指し「神戸宣言2018」
2018年10月17日
高齢者の体力が向上 女性の運動離れは深刻 【体力・運動能力調査】
2018年10月17日
母乳で育てた女性は脳卒中リスクが低下 8万人を12年以上調査
2018年10月17日
全身持久力を向上させ高血圧を予防 「身体活動基準2013」で検討
2018年10月17日
魚を食べると大動脈疾患リスクが低下 食べない人では死亡リスクが2倍に
2018年10月15日
パートナー企業とヘルスケア分野でオープンプラットフォーム構築―タニタヘルスリンク
2018年10月15日
厚労省専門委が5歳児虐待死亡事件の検証結果を公表
2018年10月12日
【健やか21】第 77 回日本公衆衛生学会総会 自由集会 ~知ろう・語ろう・取り組もう~
2018年10月10日
「歩幅プラス10cmウォーキング」でロコモ・サルコペニアを防ぐ
2018年10月10日
たった一晩の「不眠」でメタボや糖尿病に 睡眠を改善するための7ヵ条
2018年10月10日
「子宮頸がんワクチン」の効果は高い HPVウイルス感染を90%以上予防
2018年10月05日
乳がん検診に「人工知能(AI)」を導入 マンモグラフィの欠点を克服
2018年10月05日
肺の健康を守るには口の健康から 歯周病が進行すると呼吸機能が急速低下
2018年10月05日
「改正健康増進法成立! 受動喫煙対策を強化」へるすあっぷ21 10月号
2018年10月05日
厚労省が「働く女性の実情」を公表~女性活躍推進法に基づく取組状況を解説
2018年10月05日
「健康なまち・職場づくり宣言2020」2018年の達成状況を報告~日本健康会議
2018年10月04日
【講演会レポート】「10月8日は、糖をはかる日」講演会 「"これからの"血糖コントロール」
2018年10月04日
【回答期限延長(10/30 15:00まで)】「保健師の活動基盤に関する基礎調査」(日本看護協会)
2018年10月04日
【健やか21】若い世代に向けた妊娠・出産に関する普及啓発Webサイト(東京都)
2018年10月03日
【産保PC第5回(2018年度 第1回)レポート】テーマ:保健指導
2018年10月02日
心不全が急激に増えている 「心不全パンデミック」時代の3つの予防法
2018年10月02日
「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護
2018年10月02日
魚のオメガ3系脂肪酸が「不安症状」を軽減 魚を食事療法に活用
2018年10月02日
10月は「乳がん啓発月間」 定期的なマンモグラフィ検診は効果的
2018年10月01日
保健指導リソースガイド「よろず相談センター」が誕生
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,558 人(2018年10月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶