ニュース

【新型コロナウイルス】ビタミンDや乳酸菌の予防効果がネットで話題に 国立健康・栄養研究所が注意を呼びかけ

 新型コロナウイルスの感染予防に良いとして、ビタミンDやビタミンCなどがネットなどで話題になっているが、国立健康・栄養研究所は、「現時点では新型コロナウイルス感染症に対して検討した研究はありません」と注意を呼びかけている。
 感染症への対策としては、手洗いに加え、食事や運動、十分な睡眠といった生活スタイルを見直し、免疫力を高めておくことが大切としている。
話題になっているあの食品は本当に効くのか?
 ビタミンDについては、インフルエンザに対して限定的な罹患率低下を示した研究があるが、発症リスクなどに影響がないとした研究もある。現時点では、インフルエンザに対して「ビタミンDが効く」といえる十分な情報は見当たらず、ましてや新型コロナウイルスに対して検討した論文はないとしている。

 プロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌など)については、急性上気道感染症の発症率を低下させたという研究や、風邪やインフルエンザの発症数を低下させたという研究はあるものの、摂取する菌株や形体(ヨーグルトや飲料など)、摂取する人の体調、体質によっても変わってくる可能性がある。

 現時点では、インフルエンザやウイルス性呼吸器疾患に対して「プロバイオティクスが効く」といえる十分な情報は見当たらず、新型コロナウイルス感染症に対して検討した論文もないという。

 同研究所では、話題になっている食品について、研究論文を調べ、ウェブサイト「『健康食品』の安全性・有効性情報」で情報を公開している。「情報の拡大解釈にはご注意ください」と強調している。

 現時点で、新型コロナウイルスに対する効果を示した食品・素材の情報はないが、下記の食品についてはいかくつの報告が発表されている。

ビタミンD
インフルエンザなどに対して効果があるという研究と、効果がないとという研究の両方がある。ただし、ふだんの食事で十分に摂取できている人がさらに摂取しても効果はないという報告もある。

プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌など)
現時点ではインフルエンザなどに対して効果があるとする研究と、効果がないとする研究の両方がある。摂取する菌株や体調により効果は異なると考えられている。

 また、下記の食品については、インフルエンザなどに対する予防効果を検討した報告がないか、予防効果はないとする研究が報告されている。

納豆、オリーブ葉エキス、マヌカハニー、水素水
上記の食品については、「現時点ではインフルエンザなどに対する予防効果を検討した報告はない」としている。

ニンニク、ビタミンC
上記の食品については、「現時点ではインフルエンザなどに対する予防効果はないとする報告がある」としている。
感染症対策は「手洗い・食事・運動・睡眠」が基本
 同研究所は、新型コロナウイルス感染症への対策として「手洗い」を行うのに加え、「バランスの良い食事」「身体活動(運動)」「十分な睡眠」といった生活スタイルを見直し、免疫力を高めておくことが大切としている。

栄養をとりましょう
外出がままならない時こそ、食事は量より質(栄養バランス)に気をつけましょう。

▼主食(ごはん、パン、麺)、▼副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)、▼主菜(肉、魚、卵、大豆料理)、▼牛乳・乳製品、▼果物をまんべんなく食べ、水分も意識して摂るようにする。

・ 給食がないと子供たちの栄養が偏りがちです。お菓子などの食べすぎは避けて、不足しがちな野菜、牛乳、ヨーグルトなどもとりましょう。
・ 高齢の方こそ、タンパク質をしっかりとりましょう。
・ 糖尿病、高血圧、腎臓病などで食事制限がある方は、その指導内容に従ってください。

身体を動かしましょう
登校や集会などの自粛にともない、国民の身体活動が減少し、子供の体力低下や高齢者のフレイル(心身の活力低下)などが進む恐れがあります。

全ての世代の方々に、自宅での軽い運動や家事への積極的な参加、人混みを避けた屋外での散歩などをお勧めします。
▼脚の運動(筋トレ)、▼買い物や屋外で散歩(人混みは避けて)、▼軽い体操(ラジオ体操/ストレッチ)など

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 新型コロナウイルスを防ぐには(厚生労働省)
[Terahata]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2023年08月09日
8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より
2023年08月08日
若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
2023年07月28日
2022年度版「健診・保健指導施設リスト」状況を報告します【保健指導リソースガイド】
2023年07月24日
標準体重でも3分の1は実は「肥満」 BMIは健康状態をみる指標として不十分 やせていても安心できない
2023年07月11日
自治体健診で高齢者のフレイルを簡便に判定 「後期高齢者の質問票」でリスクが分かる 「フレイル関連12項目」とは?
2023年06月20日
肝臓学会が「奈良宣言2023」を発表 肥満・メタボの人は「脂肪肝」にもご注意 検査を受けることが大切
2023年06月12日
自治体健診で「心房細動」を早期発見 健康寿命と平均寿命の差を縮める 日本初の「健康寿命延伸事業」 大分県
2023年06月05日
要介護認定リスクと関連の深い健診6項目が明らかに 特定健診・後期高齢者健診のデータから判明 名古屋市
2023年05月19日
令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
2023年05月18日
さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶