ニュース

コーヒーが糖尿病リスクを低下 コーヒーを飲むと血流が増加

 コーヒーは不健康な飲料とみられていた時期があるが、現在は2型糖尿病や心臓病、脳卒中の予防効果のある「健康的な飲料」として見直されている。

 そのコーヒーの健康効果がまたひとつ明らかになった。コーヒーを飲むと血管の働きが良くなるということが、11月に開催された米国心臓学会(AHA)主催の「サイエンスセッション 2013」で発表された。
コーヒーを飲むと指先の血流が増加
 琉球大学大学院医学研究科薬理学の筒井正人教授らは、27人の被験者にカフェイン入りのコーヒーを1杯飲んでもらう実験を行った。その結果、カフェイン抜きのコーヒーを摂取した人に比べ、カフェイン入りのコーヒーを飲んだ被験者は指先の血流が30%増加し、血流が良くなったという。

 被験者は22歳~30歳で、ふだんはコーヒーを飲んではいなかった。1杯約140gのレギュラーコーヒーもしくはデカフェのコーヒーを飲んでもらい、摂取後に指の血流をレーザドップラー流速計で測定した。

 レーザードップラー血流計は、近赤外光を照射し、皮膚表面から浅い深さにある毛細血管内血流を測定できる装置だ。

 カフェイン抜きのコーヒーを飲んだ被験者に比べ、カフェイン入りのコーヒーを飲んだ人の方が、わずかに血圧が上昇したが、心拍数に違いはみられなかった。

 顕微鏡を使い指先の血液循環を調べたところ、コーヒーを飲んだ人では血管内皮機能が向上していたという。「コーヒーが心臓血管の健康を高めることを示すヒントになる」と筒井教授は述べている。

コーヒーを飲むと2型糖尿病の発症リスクが低下
 また、国立国際医療研究センター糖尿病研究部の野田光彦部長らが2009年に発表した、40~69歳の日本人約5万6,000人を対象とした「JPHC研究」では、コーヒーを飲む回数が「週3~4杯」の人は、「ほとんど飲まない」人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが、男性で17%、女性で38%低下するという結果が出ている。

 興味深いことに、紅茶やウーロン茶を飲む習慣のある人ではこうした傾向はみられなかったという。「コーヒーには、ストレス緩和以外にも、糖尿病リスクを下げるような独自の効果があると考えられる」と、研究者は述べている。

 2型糖尿病の予防に効果的な飲料としてコーヒーは注目を集め、日本を含む世界各国から「コーヒーに2型糖尿病を予防する効果ある」という報告が発表されている。

 シドニー大学が2009年に発表した、約50万人を対象とした18件の研究を解析した研究によると、1日に3~4杯の紅茶やコーヒーを飲むと、2型糖尿病を発症するリスクが25%低下したという。

コーヒー効果のメカニズムはまだ解明されていない
 コーヒーが2型糖尿病の発症をどのように抑制するのか、あるいは心臓病のリスクの高い人がコーヒーを飲むと予防効果を得られのか、そのメカニズムには不明な点も多い。

 コーヒーを飲んだ直後は血圧や血糖値が上昇するが、日常的に飲み続けると心臓病や脳卒中の死亡リスクが低下することを示した研究は多い。

 コーヒーが糖尿病や心臓病の予防に効果がある理由として、コーヒーに含まれているカフェインやクロロゲン酸が代謝に関わっている可能性が指摘されている。

 カフェインには交感神経を刺激する作用があり、コーヒーを飲むと、飲んだ直後には血圧値や血糖値が上昇する。しかし、コーヒーを日常的に飲み続けると、体脂肪の燃焼が促されると考えれている。

 また、コーヒーに含まれるポリフェノールであるクロロゲン酸には、強い抗酸化作用がある。活性酸素は主に体内で作られる不安定な酸素で、過剰な活性酸素は細胞や遺伝子を傷つけ、血液中では脂質と反応し、動脈硬化や心筋梗塞などを引き起こす。

 クロロゲン酸などのポリフェノールがそれを炎症や酸化ストレスを抑える作用をし、糖尿病や動脈硬化の予防に寄与しているのではないかと考えられている。

Coffee may help perk up your blood vessels(米国心臓学会 2013年11月20日)
Psychological factors, coffee and risk of diabetes mellitus among middle-aged Japanese: a population-based prospective study in the JPHC study cohort(Endocrine Journal 2009年3月7日)
Moderate coffee consumption may reduce risk of type 2 diabetes by 25%(コーヒー科学情報研究所 2013年11月14日)

[Terahata]

「データヘルス計画」に関するニュース

2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
2017年06月20日
「血糖トレンドを知るには。」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2017年06月15日
乳がん検診は今後はどう変わる? 「高濃度乳房」の実態調査を開始
2017年06月15日
HbA1cを測定できる「ゆびさきセルフ測定室」 全国に1,500ヵ所以上
2017年06月08日
【健やか21】子ども・若者育成支援「専門分野横断的研修」研修生募集
2017年06月07日
健康に生きるための5つの「ライフ スキル」 人生で勝つために学びが必要
2017年06月07日
睡眠を改善するための10ヵ条 睡眠不足とメタボが重なると危険
2017年06月02日
【健やか21】育児休業取得者微増(女性81.8%、男性3.16%)
2017年06月01日
「健康的な食事」で脳卒中などのリスクが低下 長生きの秘訣が判明

最新ニュース

2017年06月22日
【健やか21】子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性
2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 講習会の日程を発表
2017年06月21日
日本の介護の現状をレポート 「介護社会」の本格的な到来に備える
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要
2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
2017年06月21日
「健康長寿新ガイドライン」を策定 東京都健康長寿医療センター
2017年06月20日
「血糖トレンドを知るには。」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2017年06月19日
広がる電子母子手帳~健康情報を管理するアプリとも連携(神奈川県)
2017年06月16日
【健やか21】子ども外傷患者初期対応アセスメントシート 活用マニュアル
2017年06月15日
乳がん検診は今後はどう変わる? 「高濃度乳房」の実態調査を開始
2017年06月15日
食育推進計画を策定した市町村は78%に上昇 「平成28年度食育白書」
2017年06月15日
日本初の「心房細動リスクスコア」を開発 検診項目からリスクが分かる
2017年06月15日
赤ワインのポリフェノールで血管が柔らかく 糖尿病の動脈硬化も改善
2017年06月15日
内臓脂肪が増えるとがんリスクが上昇 腹囲の増加は「危険信号」
2017年06月15日
HbA1cを測定できる「ゆびさきセルフ測定室」 全国に1,500ヵ所以上
2017年06月08日
【健やか21】子ども・若者育成支援「専門分野横断的研修」研修生募集
2017年06月07日
若い世代の産業保健師を育成するプロジェクトがスタート
2017年06月07日
産業保健プロフェッショナルカンファレンス サイトを公開
2017年06月07日
糖尿病医療に貢献するビジネスプランを募集するコンテストを開始
2017年06月07日
健康に生きるための5つの「ライフ スキル」 人生で勝つために学びが必要
2017年06月07日
睡眠を改善するための10ヵ条 睡眠不足とメタボが重なると危険
2017年06月07日
「自分で測り健康データを収集」 5000人規模のコホート研究 東北大学
2017年06月07日
高尿酸血症が腎臓の機能障害の原因に 少しの異常でも腎臓に悪影響
2017年06月06日
「8020」を2人に1人以上が達成し過去最高に~平成28年歯科疾患実態調査
2017年06月06日
初の出生数100万人割れで過去最少 厚労省・人口動態統計月報年計
2017年06月02日
厚生労働省が平成28年の職場における熱中症死傷者発生状況を取りまとめ
2017年06月02日
【健やか21】育児休業取得者微増(女性81.8%、男性3.16%)
2017年06月01日
世界禁煙デー たばこの自販機禁止を82%が「支持する」と回答
2017年06月01日
「健康的な食事」で脳卒中などのリスクが低下 長生きの秘訣が判明

おすすめニュース

無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,135 人(2017年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶