ニュース

1日に3時間立って過ごすとマラソンと同じくらい健康に良い

 デスクワークが多く、インターネットで買い物や会議などを何でも済ませられるようになった現代ほど、座っている時間が長い時代はないかもしれない。また、仕事で毎日忙しく日々の生活に追われていると、運動を定期的に続けるのはなかなか困難だ。
 そんな人に朗報だ。「立ったまま過ごす時間を増やすだけで、カロリー消費を増やせる」という研究が発表された。

 「週5日間、1日3時間立つ時間を確保すれば、年に10回フルマラソンを走るのと同じくらいのカロリー消費量を得られる」と、英ユニヴァーシティ カレッジ ロンドンのマイク ルースモア氏(スポーツ医学)は主張している。

 ジムに通う余裕がないという人でも、1日に立ったまま過ごし時間を増やして、ウォーキングなどの運動をすれば、1年後には大きな成果を得られる。

立ったまま過ごすだけでマラソンと同等のカロリーを消費
 ただ立っているだけでは「大して健康への効果はない」、「運動量が少なすぎると」と見過ごされがちだが、立ったまま過ごす時間を増やすだけで、カロリー消費量を増やすことができる。

 英チェスター大学のジョン バックリー教授(運動科学)らは、会社で働く10人を対象に、1日3時間立ったまた仕事をこなしてもらい、それを5日間続けてもらう実験を行った。被験者にはどれだけ動いたかを測定する加速度計を身に付けてもらい、心拍数と血糖値を連続測定する装置も装着してもらった。

 その結果、1週間に5日、1日3時間を立ったまま過ごすことで、1週間で平均750kcalのカロリーを余分に消費できることが判明した。1年間では約3万kcalのカロリーを多く燃焼し、3.6kgの体重を減らすことができる計算になる。1日9時間座ったまま過ごした場合に比べ、糖尿病のリスクが12%、心臓病のリスクが47%、低下することも判明した。

 英国の運動ガイドラインでは、週に150分の適度な運動を行うことが勧められているが、実際に実行しているのは、男性の7%と女性の4%に過ぎないという。

 時間的な制約があったり、近所にトレーニングジムがないなどの理由で、本格的な運動に取り組むのが難しいという人も多い。

 「ジムに通う余裕がないという人でも、1日に立ったまま過ごし時間を少し増やして、ウォーキングなどの運動をすれば、1年後には大きな成果を得られます」と、バックリー教授は述べている。

立位時間を増やすと肩こりや背中の痛みの対策にもなる
 立ったり歩いたり姿勢を維持したりといった日常の動作を支える筋肉は、大腿の前面にある「大腿四頭筋」、お尻にある「大臀筋」、お腹にある「腹筋群」、背中の「背筋群」だ。これらの筋肉は重力に対して立位の姿勢を維持する働きをする。

 こうした筋肉は、歳を重ねると衰えやすい。これらの加齢の影響を受けやすい筋肉をしっかりと鍛えることが大切だ。

 また、人間の体は立つことを前提に作られており、座った状態を維持することは体にとって負担になる。座ったまま過ごす時間が長いと、背骨に大きな負荷がかかり、肩こり、背中の痛み、座骨神経痛などが起こりやすくなる。

 「立った姿勢では体重は筋肉に分散しますが、座ると背骨の自然なカーブが歪み、背中の筋肉に負担がかかります。英国では、労働者の8割は体に慢性的な痛みを感じていますが、デスクワークの時間が長く、体に無理な負担がかかっているのが要因です」と、バックリー教授は説明する。

 立って過ごす時間を増やすために、以下のことを提案している――

・ 仕事のミーティングなどは、電話や電子メールで済まさないで、相手に直接話す。
・ 1時間ごとに立ち上がり体操や運動をする。
・ ランチの時間には10~20分ほど歩く。
・ 休憩時間に歩く。家やオフィスの周りを歩くことを習慣にする。
・ ちょっとした用事があるときは、車でなく徒歩で行く。
・ エレベーターやエスカレータを使わず、階段を使う。
・ 家にはテレビのリモコンを近くに置かない。家事は立ったまま行う。
・ スーパーマーケットに買い物に行くときや、歩いて行ける一番遠い場所に駐車する。

Dr Mike Loosemore: Stand up for 3 hours a day for benefits of ten marathons(Centre for Health and Human Performance 2014年6月20日)
Don't just sit there(シドニー大学 2013年3月5日)

[Terahata]

「運動」に関するニュース

2019年04月18日
【健やか21】全国一斉「あそびの日」キャンペーンの実施について(スポーツ庁)
2019年04月17日
連休(GW)こそ健康管理に注意 食事・運動・体内時計の調整がポイント 8つの対策で連休を乗り切る
2019年04月10日
未来投資会議「全世代型社会保障における疾病・介護の予防・健康インセンティブ」 受診率向上と重症化予防が柱
2019年04月10日
「1日10分程度」のウォーキングで死亡リスクは低下 忙しい人も心配はご無用 運動は限られた時間に行っても効果がある
2019年04月03日
認知症の危険因子は「糖尿病」「高血圧」「肥満」 生活改善でリスクを軽減できる
2019年04月03日
「世界腎臓デー」 10人に1人が腎臓病の危機にさらされている 早期発見・治療のための戦略が必要
2019年03月27日
松本市が掲げる「健康寿命延伸都市・松本」 新たな官民連携のあり方を提案 「健康パスポートクラブ」で市民参加を促す
2019年03月27日
緑豊かな公園でウォーキング たった20分でもメンタルヘルスに良い効果が 主観的幸福度が向上
2019年03月20日
運動は若さを保つための最善の策 40歳以降は筋肉を増やす運動が必要
2019年03月20日
糖尿病リスクはBMIが22以上から上昇 若い頃からの体重管理が重要 順天堂大学

最新ニュース

2019年04月18日
【健やか21】全国一斉「あそびの日」キャンペーンの実施について(スポーツ庁)
2019年04月17日
厚労省「受診率向上施策ハンドブック」で受診率を上げる 強制ではなく自発的な行動に導く「ナッジ理論」とは
2019年04月17日
連休(GW)こそ健康管理に注意 食事・運動・体内時計の調整がポイント 8つの対策で連休を乗り切る
2019年04月17日
日本人のたばこ依存と関連する遺伝子を発見 心疾患、COPDなど11の病気の発症リスクと相関 理化学研究所
2019年04月17日
禁煙のメリットは体重増加のデメリットを上回る 糖尿病のコントロールも改善
2019年04月17日
高血圧が循環器病の原因に 薬を飲んで血圧が低くなっても安心はできない
2019年04月17日
母乳だけにこだわらない授乳の支援を―厚労省が「授乳・離乳の支援ガイド」を改定
2019年04月12日
【IDAF】2018年国際糖尿病支援基金・年次報告書
2019年04月12日
【健やか21】ネット・スマホのトラブル等 SNS相談を始めます(東京都)
2019年04月11日
厚労省が自殺防止SNS相談事業のガイドラインを公表~具体例をふまえ分かりやすく~
2019年04月10日
未来投資会議「全世代型社会保障における疾病・介護の予防・健康インセンティブ」 受診率向上と重症化予防が柱
2019年04月10日
5人に1人が「不健康な食事」が原因で死亡 たばこや高血圧より深刻 食事改善で命を救える
2019年04月10日
「1日10分程度」のウォーキングで死亡リスクは低下 忙しい人も心配はご無用 運動は限られた時間に行っても効果がある
2019年04月10日
助産師・保健師・精神科医など多職種が連携する「母子保健システム」を開発 メンタルヘルスを向上 国立成育医療研究センター
2019年04月10日
皮膚の若さの維持と老化のメカニズムを明らかに 皮膚の老化を抑えるコラーゲンが判明
2019年04月08日
日本健康会議「健康スコアリング(2018年度版)の効果検証結果」を発表
2019年04月05日
【健やか21】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」
2019年04月03日
認知症の危険因子は「糖尿病」「高血圧」「肥満」 生活改善でリスクを軽減できる
2019年04月03日
「世界腎臓デー」 10人に1人が腎臓病の危機にさらされている 早期発見・治療のための戦略が必要
2019年04月03日
介護士の「腰痛」に心身のストレスが影響 腰痛対策のためにストレスマネジメントを
2019年04月03日
1回の採血で10年以内のがん・脳卒中・心筋梗塞の発症リスクを評価できる 血中のアミノ酸バランスを解析
2019年04月03日
「骨粗鬆症」による骨折患者の介護 4人に1人が離職・転職 76%が復帰には悲観的
2019年04月03日
ビタミンCが不足すると筋肉が減る 不足している高齢者で筋力低下 摂取すると回復
2019年04月03日
「糖尿病重症化予防の推進TOPICS」へるすあっぷ21 4月号
2019年03月28日
多職種連携で効率的・効果的な産業保健活動を~厚労省が「産業保健活動をチームで進めるための実践的事例集」発行~
2019年03月28日
【健やか21】2018年HIV感染者・AIDS患者及び梅毒患者の発生動向等について
2019年03月27日
松本市が掲げる「健康寿命延伸都市・松本」 新たな官民連携のあり方を提案 「健康パスポートクラブ」で市民参加を促す
2019年03月27日
「ファストフード」は健康的になったのか? 30年間の調査でカロリーと塩分が増えているとの結果に
2019年03月27日
緑豊かな公園でウォーキング たった20分でもメンタルヘルスに良い効果が 主観的幸福度が向上
2019年03月27日
「卵を1日に1個」は健康的? 「卵」を食べると心筋梗塞や脳卒中のリスクが低下するという報告も
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 8,121 人(2019年04月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶