ニュース

運動が女性の乳がんリスクを低下 がん細胞を抑えるホルモンが活発に

 女性の乳がんリスクは、運動をすることで低減できることが、418万人の女性を対象とした調査で確かめられた。ウォーキングなどの運動を習慣化することで、がん細胞が増えるのを抑えるホルモンを増やせるという研究も発表された。
週4~7時間の運動で乳がんリスクを31%低下
 フランスのリヨンに拠点がある国際予防研究所の研究チームは、1987~2014年に発表された計418万人の女性を対象とする38件の研究を解析した。

 期間中に約11万6,000人が乳がんを発症した。この研究は、シカゴで5月に開催された米国臨床腫瘍学会の年次集会で発表された。

 解析した結果、1週間の運動時間がもっとも多い群では、もっとも少ない群に比べて乳がんリスクが11~20%低下することが明らかになった。

 「運動をする習慣のない女性でも、週4~7時間の活発な運動をはじめれば、乳がんリスクを31%低減することができます」と、国際予防研究所のセシール ピゾット氏は言う。

 「運動を行うことで脂肪細胞が減少し、乳がんを進行させる女性ホルモンであるエストロゲンの産生も減ります」と説明している。

運動ががん細胞を抑えるホルモンの分泌を増やす
 乳がんの治療を受けている女性でも、運動を習慣として行うと、生存率が30~40%向上するという調査結果もある。

 「運動によって筋肉の活動が活発化すると分泌されるホルモンが、乳がんに対し予防的に働いている可能性があります」と、米国のニューメキシコ大学の研究チームは説明している。

 ギリシャ神話の伝令の女神イリスにちなんで名付けられたホルモン「イリシン」(irisin)は、脂肪組織に働きかけ、貯蔵された脂肪をエネルギーとして燃焼するのを促すと考えられている。

 ストロゲンが乳がん細胞の中にあるエストロゲン受容体と結びつき、がん細胞の増殖を促す。イリシンには、このがん細胞をアポトーシス(プログラム細胞死)へと導く作用をするという。

 イリシンをがん細胞に投与する実験を行ったところ、イリシンを投与されたが細胞では投与されなかったがん細胞に比べて、アポトーシスの量が22倍に増加することを確認した。

ウォーキングなどの軽い運動でも効果を得られる
 イリシンの分泌量を増やすには有酸素運動よりも筋力トレーニングが効果的だという。マウスを使った実験では、筋力トレーニングによってイリシンの分泌量が2倍に増えることが分かった。

 「乳がんを予防するために、ウォーキングなど軽い運動で良いので、運動を習慣として開始することをお勧めします」と、ニューメキシコ大学のニック ギャノン氏は言う。

 「がんのリスク要因の多くは遺伝子的なものではなく、生活習慣などの後天的なものです。運動をすることで、イリシン以外にも、体重の減少、体の免疫機能の向上、炎症の軽減など、さまざまな効果を得られます」とアドバイスしている。

Physical activity and breast cancer risk(国際予防研究所 2015年6月11日)
Exercise hormone may factor in breast cancer prevention(ニューメキシコ大学 2015年2月25日)

[Terahata]

「運動」に関するニュース

2018年06月20日
「老年医学推進5ヵ年計画」を学会が発表 人生100年時代の高齢者医療
2018年06月20日
女性に多い「下肢静脈瘤」のリスク 認知度が低く受診放置が多い
2018年06月20日
梅雨に多い「梅雨だる」を6割が実感 症状を深刻化させないポイント
2018年06月13日
水虫に対策するための8つの方法 高齢者の「白癬菌」は要介護のリスクに
2018年06月13日
糖尿病学会でウォークイベントを開催 特別な運動でなくとも効果的
2018年06月08日
【連載更新】成人期の健康運動の考え方~体と心を感じる習慣づくり~
2018年06月06日
「高齢者」に医薬品を処方するときには注意が必要 厚労省が指針を通知
2018年06月04日
健康スコアリングの詳細設計に関する報告書を公表―日本健康会議
2018年05月30日
「体内時計」が糖尿病・メタボに影響 「時間生物学」が注目されている
2018年05月16日
体重コントロールを成功させるシンプルな方法 必要なことは1つだけ

最新ニュース

2018年06月22日
「葉酸」は妊娠"前"からの摂取が重要です!「妊活中から葉酸をとろう」(指導箋)
2018年06月22日
【健やか21】母子保健指導者養成研修会 受講申込 受付開始
2018年06月20日
「老年医学推進5ヵ年計画」を学会が発表 人生100年時代の高齢者医療
2018年06月20日
低脂肪の食事で女性の「乳がん」リスクが低下 死亡リスクも低下
2018年06月20日
アブラナ科野菜は「台所のドクター」 心疾患、脳卒中、がんのリスクを低下
2018年06月20日
メタボや肥満の人が「睡眠不足」を感じたら放置してはいけない理由
2018年06月20日
女性に多い「下肢静脈瘤」のリスク 認知度が低く受診放置が多い
2018年06月20日
梅雨に多い「梅雨だる」を6割が実感 症状を深刻化させないポイント
2018年06月20日
6月20日から「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」を全国各地で実施
2018年06月15日
女性の「やせ」をテーマにした教材が登場!「気にしてますか?やせすぎ注意」(指導箋)
2018年06月15日
【健やか21】イクメン企業・イクボスアワード2018募集中!
2018年06月13日
「早期乳がん」の70%は化学療法は不必要 乳がん治療に明るい選択肢
2018年06月13日
「女性特有の遺伝子」を発見 バストの大きさ、月経痛の重さに関連
2018年06月13日
日本の給食が「肥満」を減らす 給食実施率の増加で肥満が低下
2018年06月13日
水虫に対策するための8つの方法 高齢者の「白癬菌」は要介護のリスクに
2018年06月13日
糖尿病学会でウォークイベントを開催 特別な運動でなくとも効果的
2018年06月12日
厚労省が禁煙支援マニュアルを増補改訂―社会情勢の変化に合わせて内容をアップデート
2018年06月08日
食育指導で使えるイラスト提供します(健やか親子21食育プロジェクト)
2018年06月08日
【連載更新】成人期の健康運動の考え方~体と心を感じる習慣づくり~
2018年06月07日
対談「女性と生活習慣病予防」一無、二少、三多で健康長寿
2018年06月06日
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる
2018年06月06日
「高齢者」に医薬品を処方するときには注意が必要 厚労省が指針を通知
2018年06月06日
「高血圧」の治療がインフルエンザ対策に ウイルスの感染を防ぐ効果が
2018年06月06日
「子どもの貧困」が発育異常にも影響 子どもへの社会的な支援が必要
2018年06月06日
「歯周病」に対策 3ヵ月のプロジェクトでタクシー乗務員を意識改革
2018年06月05日
【連載更新】「今日は〇〇の日」「○○週間」を活用していますか?
2018年06月04日
【応募受付中】「でかメモ」アンバサダー募集!
2018年06月04日
健康スコアリングの詳細設計に関する報告書を公表―日本健康会議
2018年06月01日
プルーン食べ合わせレシピコンテスト実施中!骨の健康(プルーン × カルシウム) 
2018年06月01日
「健康・医療・介護の新潮流」へるすあっぷ21 6月号
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,257 人(2018年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶