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食べる順番を工夫して食後高血糖を改善 「野菜が先、ご飯は後」
2015年08月05日

パンやごはんなどの主に炭水化物を含む食品を食べる前に、野菜とタンパク質を含む食品を食べることで、食後血糖値とインスリン値が低下することが、米国のウェイル コーネル医科大学の研究で明らかになった。
食事でちょっとした工夫をすれば血糖値を下げられる
「糖尿病の治療では、薬物療法が重視されがちですが、食事療法はどの患者も行うべき重要な治療のプロセスです。しかし、残念なことに長年に身についた食事スタイルを変えるのは容易なことではありません。多くの人は食事を改善するのに手を焼いています」と、ウェイル コーネル医科大学糖尿病・内分泌代謝学部のルイ アロン教授は言う。
「血糖値の上昇にもっとも影響を与える栄養素は炭水化物です。しかし、多くの患者にとって、炭水化物を摂取しなかったり劇的に減らすのは、実行するのが難しいものです。血糖値とインスリン値を下げられるもっと容易な方法があります」。
研究チームは、2型糖尿病の患者11人に参加してもらい実験を行った。参加者は全員が血糖降下薬であるメトホルミンによる治療を続けていた。食事で食べる順番が、食後の血糖値の変動にどのような影響をもたらすかを調べるために、1週間の間をおいて同じ献立で食事をしてもらった。
食事の内容は炭水化物(チャバタパンとオレンジジュース)、タンパク質と脂肪(鶏のもも肉とバター)、野菜(蒸したブロッコリー、レタス、トマトのサラダと脂肪分の少ないドレッシング)といったものだった。
参加者はまず炭水化物を含む食品を摂取し、15分後に野菜、タンパク質、脂肪を含む食品を摂取した。 食後30分、60分、120分後に血液検査をし、血糖値をチェックした。
次に、同じ参加者に1週間後に、食べる順番を変えて同じ献立の食事をしてもらった。まず野菜、タンパク質、脂肪を含む食品を食べてもらい、15分後に炭水化物を含む食品を食べてもらった。
その結果、炭水化物を摂取する前に、野菜とタンパク質を摂取した場合は、血糖値は食後30分後に29%、60分後に37%、120分後に17%、それぞれ低下していた。野菜とタンパク質を最初に食べた場合は、インスリン値も際立って抑えられていた。
「食べる順番」が血糖値とインスリン値に影響

Food Order Has a Significant Impact on Postprandial Glucose and Insulin Levels(Diabetes Care 2015年7月)
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