ニュース

「食物繊維」は健康なエイジングに必須 ジャガイモは血圧を上昇させる

 食事で食物繊維をしっかり摂っている人は、歳を重ねても健康でいきいきと生活できる。ただし、糖質の多い高カロリーの食品には注意が必要となる――50歳の男女1,600人を対象に10年間調査した研究で、食物繊維のアンチエイジング効果が確かめられた。
食物繊維を摂ると「健康的なエイジング」が8割増える
 食物繊維は消化されないためエネルギーにはなりにくいが、口から入って大腸を通り抜けるまでさまざまな器官で、体の調整に役立つ。たとえば胃でとどまる時間が長いため満腹感が持続し、小腸では糖質やコレステロール、有害物質の吸収を抑える。大腸では腸内細菌のバランスを整え、便通を改善させる働きをする。

 野菜や果物、全粒粉のパンやシリアルなどから食物繊維を十分に摂ると、加齢に伴う病気や身体の不調を予防するのを助けてくれることが、オートストラリアのウエストミード医学研究所の研究で明らかになった。

 「1,600人以上を10年間かけて調査して分かったことは、食物繊維を十分に摂っている人は、健康的なエイジングを達成できる割合がおよそ80%増加することです。食物繊維を摂っている人では、高血圧、2型糖尿病、認知症、うつ病、体の機能障害を発症する比率が明らかに低かったのです」と、ウエストミード医学研究所のバミニ ゴピナス氏は言う。
1日に約30gの食物繊維が体を変える
 研究チームは、49歳の男女1,609人を対象に10年間の追跡調査を行い、食物繊維などの栄養素の摂取状況と、加齢に伴い増える病気の関連について調べた。

 ここでいう「健康的なエイジング」とは、脳卒中や冠動脈疾患、呼吸器疾患、認知障害、うつ病、身体の不調などの慢性疾患がない状態としている。10年間で「健康的なエイジング」を達成できたのは全体の15.5%だったが、食物繊維を多く摂取している人では、その割合が1.79倍に上昇した。

 健康的なエイジングに成功した人たちは、食物繊維を1日に平均29.0g摂っており、野菜から10.0gを、パンなどの穀類から8.2gをそれぞれ摂っていた。

 ちなみに、日本人の食物繊維の平均摂取量は1日に14.3g(平成26年国民健康・栄養調査)。今回の研究で健康なエイジングに成功した人たちは、日本人の2倍以上の食物繊維を摂っていたことになる。
食後の血糖値を上げにくい食品が糖尿病や高血圧に効果
 研究では、食事のグリセミック指数が低い人ほど、健康的に歳を重ねていることも判明した。

 「グリセミック指数」(GI)は、ブドウ糖を摂取した後の血糖上昇率を100として、それを基準に、同量摂取したときの食品ごとの血糖上昇率をパーセントで表した指標。GI値が低い食品ほど食後の血糖値を上げにくくなる。

 GIは食品の食物繊維の含有比率、調理や加工方法、組合せ、咀しゃく回数などで変わる。ごはんやパンでは、精白されたものよりも全粒穀物が入っている方が、GI値が低くなり吸収が遅くなる。

 全粒穀物とは、加工度の低い、自然のままに近い穀物のこと。玄米、小麦、トウモロコシ、キビ、アワ、ヒエ、ソバなどがある。全粒穀物は食物繊維が豊富で、ビタミンやミネラルなどの栄養素も精白されたものに比べ多く含まれる。

 「多くの人は食物繊維の多い食品を摂った方が良いと知っていますが、これは食物繊維に対する過小評価と言えるかもしれません。実際には、中高年の人が健康に歳を重ねるために、食物繊維は必ず必要なものです」と、ゴピナス氏は指摘する。
糖質の多い野菜には注意 ジャガイモは血圧を上昇させる
 食物繊維が多く含まれる食品の代表格は野菜だ。ただし、注意した方が良い野菜もある。ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、カボチャ、トウモロコシ、レンコンなどの糖質の多い野菜だ。

 中でもジャガイモは、いろいろな料理に使える、保存が効く、年間を通して流通しており価格が変動しないといった点から、人気の高い野菜だ。

 そのジャガイモを食べ過ぎると、高血圧の危険性が高まるおそれがあるという研究が発表された。ジャガイモにも食物繊維が含まれるが、糖質が多く高カロリーなので、食べ過ぎに注意した方が良いという。

 この研究は、米国のブリガム アンド ウィメンズ病院などの研究チームによるもので、医学誌「ブリティッシュ メディカル ジャーナル」に発表された。

 研究チームは、米国に在住している男女18万7,000人以上を20年以上にわたり調査した。食事の摂取状況と生活習慣病の発症との関連を調べた。

 その結果、ジャガイモを週に4回以上食べている女性では、月に1回未満の場合に比べ、高血圧の発症リスクが11%上昇するという。

 調理法は「焼き」や「ゆで」、「マッシュポテト」だった。さらに「フライ」にすると、高血圧のリスクは17%に増えるという。

 「ジャガイモは野菜の中では糖質が多く、グリセミック指数が高い。食べ過ぎると、食後の血糖値が上昇したり、血糖を下げるインスリンの値が上昇するおそれがあります。野菜が体に良いことは確かですが、ジャガイモなどの糖質の多いものには気を付けた方が良さそうです」と、研究者は指摘している。

Research reveals dietary fibre is the secret to healthy old age(ウエストミード医学研究所 2016年5月30日)
Association Between Carbohydrate Nutrition and Successful Aging Over 10 Years(The Journals of Gerontology Series A 2016年6月1日)
Higher potato consumption associated with increased risk of high blood pressure(British Medical Journal 2016年5月17日)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2017年08月18日
マシンガーZとのコラボで海外渡航者に麻しん感染予防を啓発
2017年08月16日
賞金3万円!「血糖値アップ・ダウン コンテスト」募集スタート!
2017年08月15日
★参加者募集中★第2回産業保健PC テーマ「保健指導の基本姿勢」
2017年08月10日
8割を超える事業場でストレスチェック制度を実施~厚労省調査
2017年08月09日
健康保険加入者の37%が肥満 脂質や血圧など複数のリスク 健保連調査
2017年08月09日
がん患者の家族が経験する葛藤の実態 がん患者支援に向けた調査結果
2017年08月09日
週3~4回の「飲酒」が糖尿病リスクを低下 アルコールは糖尿病に良い?
2017年08月09日
受動喫煙により大動脈疾患リスクが2倍超に増加 家庭外の受動喫煙は深刻
2017年08月09日
「味噌」に血圧の上昇を抑える効果 日本型の食事スタイルを再評価
2017年08月09日
ミカンのポリフェノールに緑内障の改善作用 酸化ストレスから網膜を保護

最新ニュース

2017年08月18日
マシンガーZとのコラボで海外渡航者に麻しん感染予防を啓発
2017年08月16日
賞金3万円!「血糖値アップ・ダウン コンテスト」募集スタート!
2017年08月15日
★参加者募集中★第2回産業保健PC テーマ「保健指導の基本姿勢」
2017年08月10日
8割を超える事業場でストレスチェック制度を実施~厚労省調査
2017年08月10日
【健やか21】冊子「あなたと赤ちゃんの健康」無料配布  申込受付中
2017年08月09日
健康保険加入者の37%が肥満 脂質や血圧など複数のリスク 健保連調査
2017年08月09日
がん患者の家族が経験する葛藤の実態 がん患者支援に向けた調査結果
2017年08月09日
週3~4回の「飲酒」が糖尿病リスクを低下 アルコールは糖尿病に良い?
2017年08月09日
「味噌」に血圧の上昇を抑える効果 日本型の食事スタイルを再評価
2017年08月09日
受動喫煙により大動脈疾患リスクが2倍超に増加 家庭外の受動喫煙は深刻
2017年08月09日
ミカンのポリフェノールに緑内障の改善作用 酸化ストレスから網膜を保護
2017年08月04日
【健診・予防3分間ラーニング】サンプル動画3タイトル公開中~
2017年08月03日
【健やか21】渡航者向けの「麻しん」の予防啓発活動
2017年08月03日
2015年度の特定健診の実施率は50.1% 特定保健指導は17.5%で伸び悩み
2017年08月03日
【連載更新】課題解決のための取組み「ゆりかごタクシー」「ベビー防災」
2017年08月02日
「ウォーキングの格差」が世界規模で拡大 スマホで世界111ヵ国を調査
2017年08月02日
適量のアルコールでも脳には悪影響が 海馬の萎縮リスクが3倍以上に
2017年08月02日
糖尿病の医療費の節約志向が高まるアメリカ 5人に1人が受診を回避
2017年08月02日
犬の散歩は運動になるか? 運動不足を解消するのに効果的である可能性
2017年08月02日
日本の脳卒中の発症者は年間29万人 半分以上が死亡や介護が必要な状態に
2017年08月01日
「熱中症を防ぐ!」へるすあっぷ21 8月号
2017年07月28日
【健やか21】企業主導型保育事業(内閣府)/健康寿命をのばそう!アワード
2017年07月27日
【連載更新】 ワンコイン健診の挑戦(ケアプロ株式会社)
2017年07月26日
20歳から体重5kg増加は健康リスク 体重を増やさない10の方法
2017年07月26日
高齢者対象の「高血圧診療ガイドライン」 高齢者の降圧には注意が必要
2017年07月26日
がんサバイバーたちの「生きる力」を表現 がんと生きる、わたしの物語
2017年07月26日
糖尿病の最新全国ランキングを発表 ワーストは青森県 ベストは愛知県
2017年07月26日
都道府県の健康格差が拡大 寿命で3.1歳、健康寿命で2.7年の格差
2017年07月26日
日本人3,554人の全ゲノム情報を解読に成功 日本人のゲノム医療に期待
2017年07月26日
日常診療におけるバイオマーカーとしての尿中L-FABPの有用性と可能性
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,325 人(2017年08月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶