ニュース

がん5年相対生存率が62.1%に改善 早期のがん診断が生存率を向上

 国立がん研究センターの研究班は、「地域がん登録」データを活用してがんの5年相対生存率を算出し、報告書を公表した。5年相対生存率は前回比3.5ポイント増の62.1%に改善した。
がん5年相対生存率は男性59.1%、女性66.0%といずれも上昇
 「5年相対生存率」は、あるがんと診断された場合に、治療で5年後に何%生存しているかを示す指標。多くのがんでは、5年間生存したらそのがんはおおむね治癒したと考えられており、がんの研究では必ず用いられる数値だ。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど生命を救い難いがんであることを意味する。

 地域がん登録は、都道府県のがん対策を目的に1950年代より一部の県で開始され、2012年にはじめて47全都道府県の登録データが揃った。今回の集計対象診断年である2006~2008年では、前回集計の7県から東北から九州までの21県に大幅に増加し、対象も64万4,407症例に広がった。

 その結果、全部位5年相対生存率は62.1%で、前回比3.5ポイント増であることが明らかになった。男性は59.1%(3.7ポイント増)、女性は66.0%(3.1ポイント増)といずれも上昇した。

 部位別5年相対生存率について、男性では、70~100%と比較的高い群に、前立腺、皮膚、甲状腺、膀胱、喉頭、結腸、腎・尿路(膀胱除く)が含まれている。一方で、0~39%と低い群は、白血病、多発性骨髄腫、食道、肝および肝内胆管、脳・中枢神経系、肺、胆のう・胆管、膵臓だった。

 女性では、高い群が甲状腺、皮膚、乳房、子宮体部、喉頭、子宮頸部、直腸で、低い群は、脳・中枢神経系、多発性骨髄腫、肝および肝内胆管、胆のう・胆管、膵臓となっている。
早期にがんの診断された場合に生存率が良好
 多くの部位で早期に診断された場合に生存率が良好であることが分かった。臨床進行度別生存率では、どの部位でも一様に臨床進行度が高くなるにつれ生存率が低下することも明らかになった。

 年齢階級別生存率では、おおむね、加齢とともに生存率が低くなる傾向がみられたが、若年者より高齢者の生存率が高い部位や、年齢と生存率との相関がはっきりと見られない部位もあった。

 ただし、2006~2008年の罹患状況をふまえると、前立腺がんや乳がんなど予後のよいがんが増えたことなどの影響も考えられ、部位別、進行度別の詳細な分析なしに治療法の改善などが影響しているとはいえないと、研究班は述べている。

 調査は、国立がん研究センターがん対策情報センターを中心とする厚生労働科学研究費補助金「都道府県がん登録データの全国集計と既存がん統計の資料の活用によるがん及びがん診療動向把握の研究」研究班によるもの。
がんの生存率は良くなっているのか? がん検診が普及が影響
 昔と比べがんの生存率は良くなっているのだろうか? 2003~2005年診断症例の生存率は58.6%だったので、今回の62.1%との差をみると改善している。

 その理由として、がん検診が普及してきたことでがんの早期発見が増え、従来は進行がんで発見され5年生存できなかった人が、早期に見つかり5年以上生存したり治癒したりしているという理由がある。

 さらには、前立腺がんや乳がんなど生存率の良いがんが増えたこと(部位構成の変化、罹患年齢構成の変化)などの影響も考えられる。

 男性の前立腺がん、女性の乳がんはこの15年で増えており、これらの部位のがんの生存率は他のがんと比べて良好で、前立腺がんは97.5%、乳がんは91.1%だ(2006-2008年診断例の5年相対生存率)。

 ただし、国立がん研究センターは「2006~2008年の罹患状況をふまえると、部位別、進行度別の詳細な分析なしに治療法の改善などが影響しているとはいえない」と述べている。

 つまり、生存率の良いがんが増えたため、全体的に生存率が上がっていると考えられる。がんの生存率が良くなっている、すなわち治療が改善していると言えるかどうかは検討が必要だ。

がん情報サービス(国立がん研究センターがん対策情報センター)

全国がん罹患モニタリング集計 2006-2008年生存率報告
 地域がん登録によるがん生存率の最新データおよび過去データと合わせた推移表などをダウンロードできる。

最新がん統計(がん情報サービス)
 一般向けに各種がん統計の最新データを紹介している。8月上旬更新予定。
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2017年10月12日
30代後半女性の体力が最低に 高齢者は過去最高 体力・運動能力調査
2017年10月12日
「薬剤耐性」(AMR)問題を知ろう AMR対策アクションプランで啓発を開始
2017年10月12日
禁煙治療のアプリを開発 空白期間をフォロー 日本初の治験を開始
2017年10月12日
妊娠中うつ症状の発症に食事パターンが影響 「日本型」では発症が少ない
2017年10月11日
厚労省が過労死等防止対策白書を公表~現状や調査研究結果を報告
2017年10月06日
「血糖値スパイク」を食事と運動で改善 「糖をはかる日」講演会(1)
2017年10月06日
「血糖値スパイク」を薬物療法で改善 「糖をはかる日」講演会(2)
2017年10月04日
10月は「乳がん啓発月間」 定期的なマンモグラフィ検診は効果的
2017年10月03日
妻が肥満だと夫は糖尿病になりやすい 家族対象の保健指導が効果的
2017年10月03日
「低カロリー食」で老化を防げて寿命も延びる 腹八分目で若返ろう

最新ニュース

2017年10月17日
【生活習慣病予防月間2018】インスタグラムキャンペーン 「少食ごはん」 募集中!
2017年10月16日
【HAMIQ】医療機関・介護機関の皆様へ~会員募集中~
2017年10月13日
【連載更新】高齢者の外出、移動の問題を考える No.3
2017年10月12日
30代後半女性の体力が最低に 高齢者は過去最高 体力・運動能力調査
2017年10月12日
「薬剤耐性」(AMR)問題を知ろう AMR対策アクションプランで啓発を開始
2017年10月12日
【健やか21】孫育てのススメ(祖父母手帳)の発行(鳥取県)
2017年10月12日
禁煙治療のアプリを開発 空白期間をフォロー 日本初の治験を開始
2017年10月12日
妊娠中うつ症状の発症に食事パターンが影響 「日本型」では発症が少ない
2017年10月11日
厚労省が過労死等防止対策白書を公表~現状や調査研究結果を報告
2017年10月06日
「血糖値スパイク」を食事と運動で改善 「糖をはかる日」講演会(1)
2017年10月06日
「血糖値スパイク」を薬物療法で改善 「糖をはかる日」講演会(2)
2017年10月06日
【健やか21】0歳児身長が伸びやすい季節は夏(育児ビッグデータ解析より)
2017年10月05日
【連載更新】心とからだにかかわる専門職の人材育成/スーパー売り場での気づきから開業保健師へ
2017年10月04日
10月は「乳がん啓発月間」 定期的なマンモグラフィ検診は効果的
2017年10月03日
妻が肥満だと夫は糖尿病になりやすい 家族対象の保健指導が効果的
2017年10月03日
「低カロリー食」で老化を防げて寿命も延びる 腹八分目で若返ろう
2017年10月03日
うつ病のリスクは魚を食べると減少 「n-3系脂肪酸」の予防効果
2017年10月03日
医療費抑制 27%が「患者の負担増」に理解 65歳以上でも3割 健保連調査
2017年10月03日
スニーカー通勤でウォーキング スポーツ庁「FUN+WALK PROJECT」
2017年10月03日
「AMR対策いきまぁーす!」―厚労省がガンダムとコラボし啓発活動を実施
2017年10月02日
【患者さん向け】「糖をはかる日」クッキングセミナー2017 参加者募集開始!!
2017年10月02日
【専門職向け】プルーン健康啓発サンプル・資料の受付開始しました
2017年10月01日
「第3期特定健診・特定保健指導」へるすあっぷ21 10月号
2017年09月29日
【健やか21】思春期アンケート「子どもが死にたいと思う時」
2017年09月28日
今年は食後高血糖(血糖値スパイク)「糖をはかる日」講演会開催間近!!
2017年09月27日
「介護離職」は他人事ではない 「介護と仕事」で悩む人の不安を解消
2017年09月27日
日本の糖尿病有病者は1000万人超 予備群は減少 国民健康・栄養調査
2017年09月27日
AI(人工知能)が自治体の保健指導を提案 医療費減へ 筑波大など共同開発
2017年09月27日
「食欲を抑えられない」のはなぜ? 食欲ホルモン「レプチン」のメカニズム
2017年09月26日
糖尿病合併症のバイオマーカー:GAの臨床的意義
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,501 人(2017年10月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶