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13~16歳の女子の子宮頸がんリスクが上昇 ワクチン勧奨の中止が影響
2016年07月27日
子宮頸がん予防ワクチンの接種勧奨が中止されてから3年が経過した。2000~2003年度生まれの現13~16歳の女子が20歳になった時、HPVに感染するリスクが2倍以上に高まることが、大阪大学の研究グループの調査で明らかになった。
生まれ年によりHPV感染リスクに大きな差
国立がん研究センターによると、子宮頸がんの日本の発症数は年間に約1万人で、約3,000人がこのがんによって命を落としている。
子宮頸がんの多くにヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関連している。HPVワクチンを接種すると、体内に抗体ができ、HPVの感染を防止できる。
2016年1月時点で、WHO加盟国の33.5%にあたる65ヵ国が同ワクチンを国の予防接種プログラムとして実施。導入された2007年からの3~4年間で子宮頸がんの前がん病変の発生率が半数に減少していることが報告されている。
日本ではHPVワクチンは2013年4月から法律にもとづき定期接種化されたが、ワクチンの接種後に全身倦怠感や運動機能障害、脳機能障害などが報告されたのを受け、厚生労働省は2013年6月から、接種勧奨を一時中止としている。
そのため日本では、予防ワクチンを接種する女性の割合が急速に減少し、生まれ年度によってワクチンの接種率に大きな差が生じていることが問題視されている。
大阪大学大学院医学系研究科の研究グループによると、2010年度の13~16歳のワクチン接種率はいずれも70%なのに対し、12歳、13歳においては接種率はそれぞれ1%と4%にとどまる。
今年度中に勧奨を再開すれば、HPV感染リスクの差は縮小
国の推奨の再開が遅れると、生まれた年によってHPV、特に子宮頸がんの6~7割に関与しているとされる16型と18型のHPVに感染するリスクに大きな差が出てしまうことを研究グループは明らかにした。
国の積極的な推奨の再開が2020年に遅れると、生まれ年によっては20歳時点でのHPV感染率に大きな差が生じてしまう可能性が示された。
特に、2000~2003年度生まれの現13~16歳の女子が20歳になった時、HPVに感染するリスクが2倍以上と突出して高くなってしまう可能性がある。
ただし、国の推奨の再開が今年度中に再開されれば、2000年生まれの女子はややリスクが高いが、ほぼ全年代で他の年代と同じ程度にリスクを抑えられるという。
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