ニュース

13~16歳の女子の子宮頸がんリスクが上昇 ワクチン勧奨の中止が影響

 子宮頸がん予防ワクチンの接種勧奨が中止されてから3年が経過した。2000~2003年度生まれの現13~16歳の女子が20歳になった時、HPVに感染するリスクが2倍以上に高まることが、大阪大学の研究グループの調査で明らかになった。
生まれ年によりHPV感染リスクに大きな差
 国立がん研究センターによると、子宮頸がんの日本の発症数は年間に約1万人で、約3,000人がこのがんによって命を落としている。

 子宮頸がんの多くにヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関連している。HPVワクチンを接種すると、体内に抗体ができ、HPVの感染を防止できる。

 2016年1月時点で、WHO加盟国の33.5%にあたる65ヵ国が同ワクチンを国の予防接種プログラムとして実施。導入された2007年からの3~4年間で子宮頸がんの前がん病変の発生率が半数に減少していることが報告されている。

 日本ではHPVワクチンは2013年4月から法律にもとづき定期接種化されたが、ワクチンの接種後に全身倦怠感や運動機能障害、脳機能障害などが報告されたのを受け、厚生労働省は2013年6月から、接種勧奨を一時中止としている。

 そのため日本では、予防ワクチンを接種する女性の割合が急速に減少し、生まれ年度によってワクチンの接種率に大きな差が生じていることが問題視されている。

 大阪大学大学院医学系研究科の研究グループによると、2010年度の13~16歳のワクチン接種率はいずれも70%なのに対し、12歳、13歳においては接種率はそれぞれ1%と4%にとどまる。

今年度中に勧奨を再開すれば、HPV感染リスクの差は縮小
 国の推奨の再開が遅れると、生まれた年によってHPV、特に子宮頸がんの6~7割に関与しているとされる16型と18型のHPVに感染するリスクに大きな差が出てしまうことを研究グループは明らかにした。

 国の積極的な推奨の再開が2020年に遅れると、生まれ年によっては20歳時点でのHPV感染率に大きな差が生じてしまう可能性が示された。

 特に、2000~2003年度生まれの現13~16歳の女子が20歳になった時、HPVに感染するリスクが2倍以上と突出して高くなってしまう可能性がある。

 ただし、国の推奨の再開が今年度中に再開されれば、2000年生まれの女子はややリスクが高いが、ほぼ全年代で他の年代と同じ程度にリスクを抑えられるという。
 13~16歳の女子は費用が国や自治体から補助が出されているため無料で接種できる。

 研究グループは「将来のHPV感染リスクの格差を最小限にとどめるには、今年度中の勧奨再開が望ましい。もし、厚生労働省による勧奨再開が来年度以降になる場合には、勧奨中止期間に12~16歳であった女性を接種対象に含めることでその影響を最小限にできる可能性がある」との見解を示している。

 この研究は、同大大学院医学系研究科器官制御外科学講座(産科学婦人科学)の田中佑典氏と上田豊氏らの研究グループによるもの。研究成果は、医学誌「The Lancet Oncology」オンライン版に発表された。

大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学講座(産科学婦人科学)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2021年12月21日
特定健診・保健指導の効果を10年間のNDBで検証 体重や血糖値が減少し一定の効果 ただし体重減少は5年後には減弱
2021年12月21日
【申込開始】今注目のナッジ理論、感染症に関する教材が新登場!遠隔指導ツールも新作追加! 保健指導・健康事業用「教材・備品カタログ2022年版」
2021年12月13日
【新型コロナ】ファイザーのワクチンの3回目接種はオミクロン株にも効く? 抗体価は半分に減るものの2回接種より25倍に増加
2021年12月09日
保健師など保健衛生に関わる方必携の手帳「2022年版保健指導ノート」
2021年11月16日
思春期に糖質を摂り過ぎると成長後にメンタルヘルスに悪影響が 単純糖質の摂り過ぎに注意が必要
2021年11月09日
【世界糖尿病デー】東京都「今日から始めよう!糖尿病予防」キャンペーン 都民の4人に1人は糖尿病かその予備群
2021年11月08日
肥満のある人・肥満のない人の両方に保健指導が必要 日本人4.7万人の特定健診データを解析
2021年11月02日
【新型コロナ】ワクチン接種はコロナ禍を終わらせるための重要なツール 50歳以上で健康やワクチンに対する意識が上昇
2021年11月02日
健診や医療機関で腎臓の検査を受けていない高齢男性は透析のリスクが高い 7万人弱を5年間調査
2021年10月26日
「特定健診受診率向上プロジェクト」を実施 大阪府と大阪府立大学看護学科が協働 特定健診の対象者に合わせた効果的な受診勧奨
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(毎週木曜日)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶