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児童虐待相談対応件数が初めて10万件超え ~「面前DV」増加深刻

 厚生労働省はこのほど、平成27年度「児童相談所での児童虐待相談対応件数」の速報値を公表。平成27年度中に全国208カ所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は103,260件(速報値)で初めて10万件を超え、過去最多となった。

 今回公表された速報値は、平成27年度中に児童相談所が相談を受け、援助方針会議の結果により指導や措置等を行った件数。平成2年度に統計を取り始めて以降、年々、増加しているが、平成27年度も前年比116.1%(14,329件増)だった。都道府県別にみると、最多だったのは大阪府で10,427件。内容別では、心理的虐待、身体的虐待、ネグレクト、性的虐待の順に多かった。

 そのため、前年比が大幅に増加した自治体から聞き取り調査を行ったところ、要因として、警察からの「面前DV」(児童の目の前で配偶者や親族に暴力がふるわれること)の通告が前年に比べて9,350件、増えていることが分かった。面前DVは心理的虐待になることが認知されており、心理的虐待の件数が前年に比べて9,918件増加となった大きな理由になっている。

 また、児童相談所全国共通ダイヤル(189)の広報や、児童虐待の事件報道などで国民や関係機関の児童虐待に対する意識が高まったことによって、通告が増加したことも要因のひとつとして挙げられた。

 全国共通ダイヤルの3桁化は平成27年7月から運用が開始され、総入電数は233,880件(前年度比11.6倍)と大幅な増加。しかし、そのうち正常接続数(話し中やつながる前に電話を切った数を除いた入電数)は29,083件(前年度比2.9倍)で、平成28年4月からは最初に流れるガイダンスの短縮など内容の改善が図られている。

平成27年度児童相談所での児童虐待相談対応件数(速報値) (厚生労働省)

関連する法律・制度を確認
>>保健指導アトラス【母子児童虐待の防止等に関する法律】
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