• トップページ
  • ニュース
  • 資料更新情報
  • 講習会・セミナー
  • 健診・検診
  • 特定保健指導
  • 産業保健
  • 地域保健
  • 学校保健
最新ニュース
人間ドックで「異常なし」はたったの5.6% 「個別型」がん検診が強み
2016.10.06
 人間ドックの基本検査の全項目で「異常なし」の受診者の割合が5.6%と過去最低を記録したことが、日本人間ドック学会が発表した2015年の全国集計報告で明らかになった。背景には、受診者の高齢化、検査項目の増加、判定基準の厳格化などがある。
検査全項目で「異常なし」は過去最低の20人に1人
 人間ドック学会は、2015年1月1日~12月31日の検診実施状況について、全国の集計報告を公表した。対象になったのは、2日ドック指定病院322ヵ所、1日ドック指定施設60ヵ所、機能評価認定病院337ヵ所で、719ヵ所から回答が得られた。

 健康意識の向上を反映して、人間ドック受診者数は増加している。2015年に人間ドックを受診したのは316万2,817人で、前年から3万1,180人に増加した。

 人間ドックの普及に伴い、反復受診者の割合は全受診者の70~80%を占めるようになり、その結果、人間ドック受診者の平均年齢が40歳代から50歳代へと移行し、さらに60歳以上の受診者が年々増加している。

 全受診者のうち、軽度異常を含めた「異常なし」の割合は5.6%。前年から1ポイントも下落し過去最低となった。

 「異常なし」の割合は、全国集計が開始された1984年の29.8%から24.2ポイント減少しており、2011年が7.8%、2012年が7.2%、2013年が6.8%、2014年が6.6%と減少が続き、2015年は過去最低を更新した。

 特に高中性脂肪以外の5項目(肥満、耐糖能異常、高血圧、高コレステロール、肝機能異常)の異常頻度は、それぞれ2~3倍に増加した。
50歳代以降に異常が多くみられる
 検査の6項目の異常は年々増加しており、中でも「肥満」(30.4%)、「耐糖能異常」(24.7%)、「高血圧」(24.0%)は、じわじわと右肩上がりに増加している。

 50歳代で異常が多くみられるのは、「肥満」(男性 38.1%、女性 24.3%)、「高コレステロール」(男性 36.7%、女性 42.5%)、「高中性脂肪」(男性 19.7%、女性 8.7%)、「肝機能異常」(男性 32.7%、女性 21.1%)などだ。

 女性は男性よりも心筋梗塞などになりにくく、LDLコレステロール値も低くなりやすいが、加齢とともに異常頻度が増加する傾向にある。特に高コレステロールは50歳代で42.5%、60歳代で47.4%となっており、男性のそれぞれ36.7%、34.9%を超えている。

 閉経に伴う女性ホルモンの減少により、LDLコレステロールが急増しやすくなるので、50歳ごろから注意が欠かせない。対処として、閉経間近、あるいは閉経を迎えたら、少なくとも年に1回は検査を受けることが重要だ。
人間ドックのがん検診は「個別型」 女性は40歳を過ぎたら検査が必要
 住民を対象とした「対策型がん検診」は特定臓器に限定しているのに対し、人間ドックは「個別型がん検診」で、オプション検査を含めて全臓器を対象とした「総合型検診」であるという特徴がある。

 人間ドックでみつかったがん症例数は8,305例で、内訳は男性が5,139例、女性が3,166例。臓器別にみると、男性は「胃がん」が1,609例、女性は「乳がん」が1,342例でもっとも多かった。

 人間ドック健診で発見されるがんのトップは「胃がん」であり、次いで「大腸がん」で、近年は男性では「前立腺がん」、女性では「乳がん」が増加している。

 その理由として、男性についてはPSA(前立腺特異抗原)検査が1995年に導入されたことと、女性については乳房のエコー検査やマンモグラフィーといった画像検査が普及してきたことが挙げられる。

 男性では「胃がん」「大腸がん」「肺がん」のいずれも60歳以上の症例が50~70%だが、「前立腺がん」は50歳以上で97.6%を占め、60歳以上は78.8%を占めた。

 女性の「乳がん」は40歳代が34.1%でもっとも多くなっており、「子宮がん」も40歳代が40.4%と最多だった。

 同学会は「今後は、50歳以上の男性に対してPSA検査、40歳以上の女性には乳房エコー検査やマンモグラフィーを基本検査項目に導入する必要がある。ハイリスクグループの選別による有効的ながん検診を行うことにより、さらなる発見率の向上を期待できる」と述べている。
保健指導実施のためのガイドラインを目指す
 検査値が改善されない要因として同学会は、(1)専門学会による判定基準ガイドラインの採用、(2)人間ドック受診者の高齢化、(3)社会環境の悪化、(4)食習慣の欧米化と身体活動量の低下―― を挙げている。

 生活習慣病関連の項目における異常頻度の増加のもっとも大きな理由は、メタボリックシンドロームの源流である生活環境の悪化だ。

 メタボリックシンドロームと予備群該当者に対して、効果の見える事後指導の充実をはかることが重要であるとして、同学会は「人間ドック健診施設機能評価委員会」を立ち上げ、保健指導実施施設認定事業を実施している。

 この制度は、受審を通じて保健指導の実施体制を構築するためのもので、保健指導実施のためのガイドライン作りを目指している。

人間ドック学会
(Terahata)
©2017 日本医療・健康情報研究所. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

点線
▶ 過去の記事
 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 |
■ 最新ニュース一覧
▶ 過去の記事
 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 |