ニュース

女性ではがん8疾患のうち「乳がん」の医療費が半分以上 早期発見が重要

 女性ではがん8疾患のうち「乳がん」の医療費が半分以上を占めることが、健康保険組合連合会(けんぽれん)が公表した「悪性新生物(がん)の動向に関する調査分析」で明らかになった。
がん8疾患ががん医療費に占める割合は半分近く
 今回の調査は、1,124の健康保険組合(企業が設立する健康保険組合、企業の従業員とその家族が加入する)の加入者2,620万193人のレセプトデータ(2014年度)をもとに解析したもの。

 それによると、医療費総額(3兆4155億円)のうち、がん(悪性新生物)は10.5%を占め、呼吸器疾患(16.1%)に次いで多い。このほか医療費が多い疾患は、循環器系疾患(10.3%)、内分泌・栄養・代謝疾患(9.2%)、消化器系疾患(7.2%)などだ。

 厚生労働省の「がん検診に関する実施状況等調査結果」で、(1)胃がん、(2)肺がん、(3)大腸がん、(4)子宮頸がん、(5)乳がん、(6)前立腺がん、(7)肝がん、(8)甲状腺がん――が検診の対象疾患となっていることから、これらの疾患について調査した。これらの部位のがんは検診で早期発見が可能ながんだ。

 がん全体の中で、乳がん、大腸がんなどのがん8疾患に限ってみると、医療費に占める割合は47.6%とほぼ半分に達している。

 がん8疾患の医療費構成の割合をみると、もっとも多いのは(1)乳がん(30.4%)で、(2)大腸がん(22.1%)、(3)胃がん(13.5%)、(4)甲状腺がん(12.1%)、(5)前立腺がん(7.8%)の順となっている。

 性別にみると、男性では(1)大腸(31.9%)、(2)胃(20.7%)、(3)前立腺がん(18.7%)、(4)肺がん(18.5%)、(5)肝臓がん(8.2%)の順になっている。

 女性では(1)乳がん(52.2%)、(2)大腸がん(14.9%)、(3)子宮がん(11.3%)、(4)胃がん(8.3%)、(5)肺がん(7.4%)の順になっている。
がん8疾患の医療費構成の割合(医科合計)
男性では「前立腺がん」、女性では「子宮がん」「乳がん」の受診率が高い
 年齢層別にがん8疾患の受診率をみると、男性では35歳以降に年齢層が上がるにつれて受診率が高くなり、とくに「前立腺がん」は55歳以降で高い。女性では「子宮がん」が20歳以降で上昇し45~54歳でピークを迎えるほか、「乳がん」が30歳以降で上昇し65~69歳でピークを迎える。
がん8疾患の年齢階層別の受診率(1,000人当たり件数)
 1日当たり医療費は、がんは1万7,473円となっている。1人当たりの医療費を年齢階層別にみると、がんは40歳以上から高くなる傾向にあり、もっとも高いのは65~69歳で4.5万円となっている。

 がん8疾患別に1日当たり医療費をみると、もっとも高いのは(1)乳がん(30,323円)、(2)肺がん(16,048円)、(3)大腸がん(14,957円)、(4)前立腺がん(13,117円)、(5)胃がん(123,29円)となっている。
がんの早期発見・治療を積極的に進める必要がある
 がん8疾患について月平均受診者数をみると、悪性新生物8疾患合計では34万8,670人(1.3%)で、このうち「大腸がん」が7万6,073人(0.3%)ともっとも多く、次いで、「胃がん」が5万9,827人(0.2%)、「乳がん」が5万5,912人(0.2%)となっている。

 平均在院日数は、男性では「肺がん」が20.05日、「肝臓がん」が18.34日、「胃がん」が17.34日、女性では「肝臓がん」が19.27日、「肺がん」が18.98日、「胃がん」が17.81日。

 抗がん剤の価格高騰も激しく、最近では肺がんへの保険適用が決まった新薬は、1人の患者あたり年間3,500万円の費用がかかるという試算が示された。現実の薬価は引き下げられる可能性が高いが、新薬の登場でがんの医療費に占める割合は今後も高くなると予測されている。

 一方、がん検診は近年、高精度な画像診断機器や、血液中の成分を分析する機器の開発により、飛躍的な進歩を遂げてきた。がんの早期発見・治療をより積極的に進める必要がある。

健康保険組合連合会
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2018年05月22日
【書籍プレゼント】『集団分析・職場環境改善版 産業医・産業保健スタッフのための ストレスチェック実務Q&A』を5名様にプレゼント
2018年05月22日
【報告】産保PCのこれまで活動内容をポスター発表しました(第91回日本産業衛生学会)
2018年05月21日
「血糖トレンドの"読み方":AGP」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2018年05月17日
敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
2018年05月16日
体重コントロールを成功させるシンプルな方法 必要なことは1つだけ
2018年05月16日
早期のアルツハイマー病「軽度認知障害」 日本人対象の研究で解明
2018年05月16日
やせていても糖尿病に? 筋肉が少なく脂肪がたまると高血糖に
2018年05月16日
「睡眠障害」が高血圧・糖尿病に関連 日本で最大規模の研究
2018年05月08日
元気高齢者を「介護サポーター」に 介護予防の観点から社会参加を促進
2018年05月08日
「鰹だし」で抗がん剤の副作用を予防 血管を拡張する作用を確認

最新ニュース

2018年05月22日
【書籍プレゼント】『集団分析・職場環境改善版 産業医・産業保健スタッフのための ストレスチェック実務Q&A』を5名様にプレゼント
2018年05月22日
食育の取り組みをエビデンスに基づいて整理、解説―農林水産省がパンフレット作成
2018年05月22日
【報告】産保PCのこれまで活動内容をポスター発表しました(第91回日本産業衛生学会)
2018年05月21日
「血糖トレンドの"読み方":AGP」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2018年05月17日
敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
2018年05月17日
【健やか21】パンフレット『「食育」ってどんないいことがあるの?』
2018年05月16日
体重コントロールを成功させるシンプルな方法 必要なことは1つだけ
2018年05月16日
SNSの「自殺防止相談」に月に1万件以上 「対策強化月間」に実施
2018年05月16日
早期のアルツハイマー病「軽度認知障害」 日本人対象の研究で解明
2018年05月16日
やせていても糖尿病に? 筋肉が少なく脂肪がたまると高血糖に
2018年05月16日
「睡眠障害」が高血圧・糖尿病に関連 日本で最大規模の研究
2018年05月16日
トマトのリコピンはニンニクやタマネギで調理すると吸収されやすくなる
2018年05月15日
6割強が食中毒予防で「肉は水で洗う」に効果があると誤解-東京都の実態調査
2018年05月11日
【新連載】イラストで魅せる!健康啓発「見せ方」の工夫
2018年05月10日
【健やか21】SNS等に起因する被害児童の現状と対策の掲載(警察庁)
2018年05月08日
元気高齢者を「介護サポーター」に 介護予防の観点から社会参加を促進
2018年05月08日
米国糖尿病学会「立ち上がって運動しようデー」 8つの対策で運動推進
2018年05月08日
「鰹だし」で抗がん剤の副作用を予防 血管を拡張する作用を確認
2018年05月08日
【投票企画】プルーンレシピコンテスト開催中! 栄養を効率よく吸収できる「食べ合わせ」
2018年05月07日
大豆から食べる「大豆ファースト」で食後の血糖値の急上昇を改善
2018年05月07日
従業員のいる飲食店は屋内禁煙に~東京都・受動喫煙防止条例の骨子案
2018年05月02日
新入社員の健康教育や女性の健康啓発に最適 「働く人のための健康づくりシリーズ」指導箋
2018年05月01日
健康イベント、健康教育のお土産に!!(腹囲メジャー)※在庫残り僅か※
2018年05月01日
休日の寝過ぎが体調不良の原因に 「社会的時差ぼけ」を解消
2018年05月01日
「がんとの共生を考える」へるすあっぷ21 5月号
2018年04月26日
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します!
2018年04月25日
「検体測定室」でのHbA1cチェックは糖尿病対策として効果的
2018年04月25日
エネルギーを燃焼する「褐色脂肪細胞」を活性化 脂肪が燃えやすい体に
2018年04月25日
ICTを活用して「フレイル」を予防 健康長寿医療センターなどが開発
2018年04月25日
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,145 人(2018年05月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶