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うつ病患者の家族を支援するアプリ「みまもメイト」を開発 大阪大学
2016.11.22
 うつ病患者の家族介護者を支援するためのWebアプリ「みまもメイト」を、大阪大学などの研究チームが開発した。ネガティブに偏りがちなうつ病や患者に対する認知を適正化でき、症状を改善できることが確かめられた。

 研究は、大阪大学保健センターの工藤喬教授、日本電信電話コミュニケーション科学基礎研究所の山下直美主任研究員らの研究チームによるもの。
うつ病の悪化に家族と患者の関係が大きく影響
 うつ病は年々増加の一途をたどっており、年間約3万件の自殺とも関連が深く、大きな社会問題となっている。うつ病は慢性の経過をたどり、家族介護者に大きな負担をかけ、家族が二次的な精神変調をきたす場合もある。

 家族と患者の関係が悪化し、さらにうつ病を悪化させるといった悪循環に陥るケースも多い。このような状況では患者自身への治療だけでは解決ができず、家族介護者への介入も必要となる。

 家族介護者は、患者の病態に対する認知が、その負担感からネガティブに傾く傾向がある。これは、家族介護者が患者の症状に振り回されるあまり、極めて矮小な情報をもとにした認知が形成されるためだ。

 そこで、研究チームは、病気についての情報量を増やせば、認知の適正化が可能になると考えた。
患者と家族のコミュニケーションを改善
 新たに開発した「みまもメイト」は、家族介護者が患者を多方面から客観的に把握するのを促進するアプリだ。

 その特徴は、(1)家族介護者が、患者の言動・健康状態と介護活動を日々、客観的に記録できる、(2)過去の記述をチャートにして閲覧することができる、(3)他の家族介護者の記述を閲覧できることだ。

 このアプリを使うと、うつ病患者の家族介護者は、「今日のできごと」として患者の活動記録を「よかった出来事」「悪かった出来事」「今後に活かせること」の3つの項目に分けて記載することが求められる。

 これらを記録することで、家族介護者の患者への問いかけや観察が促され、患者と家族介護者のコミュニケーションが活発になるという。

 また、過去の記載を患者の基本的活動のチャート上で閲覧でき、患者の状態の時系列での把握ができる。さらに、他の家族介護者の記載を閲覧でき、他患者と比較し観察することも可能だ。
患者やうつ病に対するネガティブな認知を適正化できる
 「認知行動療法」は、事実関係などの情報を的確に収集して、偏った認知を適正化する精神療法だ。「みまもメイト」はこの理論を応用して開発された。

 実際に使用した家族介護者は、患者やうつ病に対してネガティブに偏りがちな考え方(認知)を適正化でき、負担軽減につながることが明らかになった。

 さらに、(1)患者に対する注意力の向上、(2)患者の言動に対する理解、(3)具体的な対応方法の発見が生まれることが確認され、患者のうつ病自体の症状改善にもつながることが示された。

 「ネガティブに偏りがちな患者や病態に関する家族介護者の認知を適正化できれば、うつ病患者家族支援が可能となる。さらには、患者に対する注意力が向上し、患者の言動に対する理解が深まり、患者・家族介護者のコミュニケーションも改善し、うつ病自体の改善も期待できる。薬物に頼らない治療も期待ができる」と、研究者は述べている。

 研究成果は、11月に大阪で開催される第16回日本認知療法学会で発表される。

大阪大学保健センター
大学院医学系研究科 精神健康医学
(Terahata)
©2017 日本医療・健康情報研究所. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

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