ニュース

妊娠可能な女性すべてに「葉酸」を推奨 子どもの障害リスクを下げる

 妊娠前から積極的に取るべき栄養素に「葉酸」がある。米国の専門委員会は、出産が可能な、または妊娠を考えているすべての女性は、葉酸サプリメントを摂取するべきだと発表した。
葉酸は妊娠の1ヵ月以上前から必要
 妊娠するとほとんどのビタミンの必要量が増えるが、特にビタミンB群のひとつである「葉酸」は重要だ。葉酸を妊娠前から妊娠初期の間に摂取することで、二分脊椎症などの「神経管閉鎖障害」の発症リスクを減らすことが期待できるからだ。

 「神経管閉鎖障害」は、脳や脊髄のもととなる「神経管」と呼ばれる管状の細胞の一部が塞がり、脳や脊髄が正しく成長できなくなる先天性障害。

 厚生労働省は、妊娠の1ヵ月以上前から妊娠3ヵ月までの間、食品からの摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mg(400μg)の葉酸を摂取すること、特に神経管閉鎖障害の子どもを妊娠したことのある女性は医師の管理下で葉酸を摂取することを勧めている。

 また、抗てんかん薬などを服用している場合にも葉酸が不足しやすくなるので、医師の管理下での葉酸摂取が勧められる。

 葉酸を豊富に含む食品は以下のものがある。
・ ホウレンソウ、ブロッコリー、アスパラガス、芽キャベツなどの緑黄色野菜
・ 精製されていない全粒粉や玄米などの穀類
・ アーモンド、カシューナッツ、クルミなどのナッツ類
・ オレンジなどの果物

 葉酸は水溶性で熱に弱く、調理によって多くが失われてしまうので、サプリメントの使用も勧められている。
葉酸は妊娠前から積極に摂取した方が良い
 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、出産が可能な、または妊娠を考えているすべての女性に、葉酸サプリメントの摂取を推奨するという勧告を米国医師会雑誌「JAMA」に発表した。

 米国における妊娠例の約半数は計画外妊娠であり、妊娠を計画している女性だけでなく、妊娠可能な全ての女性に対して、葉酸のサプリメントを毎日摂取するようアドバイスするべきだとしている。

 報告書によると、米国の女性の大半は効果を得るのに必要な量の栄養強化食品を摂取していない。出産適齢期の米国女性のうち、推奨量の葉酸を毎日摂取している人は全体の4分の1程度であることが判明した。

 米疾病対策センター(CDC)によると、「神経管閉鎖障害」は先天性奇形症の中でもっとも多い疾患のひとつで、米国の生児出生10万件につき約6.5件で発症している。

 日本では欧米に比べ、神経管閉鎖障害の発症頻度は低いとされるが、増加傾向にあるとも報告されている。また、食生活の多様化により、食物摂取の個人差が大きくなり葉酸摂取が不十分な妊婦が増加しているおそれがある。

 一般的に妊娠に気づくのは早くて妊娠5週頃からだ。母子手帳をもらえるのは医師の診断後なので、葉酸について知る頃には摂取すべき時期を一部過ぎているおそれがある。

 妊娠する可能性がある人や妊娠を望んでいる人は、葉酸を妊娠前から取り続けた方が良い。

 ただし、1日1mgを超えると別の疾患を引き起こすリスクが出てくるので取り過ぎは避けたい。また、マルチビタミン剤を摂るときは、ビタミンAについては、妊娠初期に過剰摂取すると先天異常の原因となる可能性が指摘されている。

 サプリメントの使用には注意が必要だ。気になる人は医師に詳しく相談しよう。

妊娠と薬情報センター:妊娠中・授乳中のお薬Q&A(国立成育医療研究センター)
Folic acid supplementation recommended for prevention of neural tube defects(The JAMA Network Journals 2017年1月10日)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2018年04月18日
糖尿病の原因は「酸化ストレス」 肝臓の脂肪蓄積を防ぐ治療
2018年04月18日
「サルコペニア」を容易に評価 CKD患者の心疾患リスクを予測
2018年04月18日
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」
2018年04月18日
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化
2018年04月17日
建設業で働く女性の妊娠や出産をサポート~『女性にやさしい職場づくりナビ』
2018年04月11日
子宮頸がんとHPVワクチン 日本産科婦人科学会が「接種は必要」と強調
2018年04月11日
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を
2018年04月11日
「甘酒」を飲んでコレステロールを低減、便通を改善 プロラミンが作用
2018年04月05日
糖尿病患者の痛風リスクがフェノフィブラートで半減 FIELD試験
2018年04月04日
働きながら「不妊治療」を受ける人へのサポート 仕事の両立支援が課題に

最新ニュース

2018年04月19日
【健やか21】パンフレット「住まいの中のアレルゲン対策」ご活用下さい
2018年04月19日
【新連載】女性のライフステージと、体と心の健康運動
2018年04月18日
糖尿病の原因は「酸化ストレス」 肝臓の脂肪蓄積を防ぐ治療
2018年04月18日
「サルコペニア」を容易に評価 CKD患者の心疾患リスクを予測
2018年04月18日
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」
2018年04月18日
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化
2018年04月17日
建設業で働く女性の妊娠や出産をサポート~『女性にやさしい職場づくりナビ』
2018年04月16日
くるみを食べると腸内フローラが改善 くるみが善玉菌を増やす
2018年04月13日
厚労省がGWの海外渡航に感染症予防注意を呼びかけ
2018年04月12日
【健やか21】「母子保健指導部」の会員募集と30年度研修会一覧の掲載
2018年04月11日
子宮頸がんとHPVワクチン 日本産科婦人科学会が「接種は必要」と強調
2018年04月11日
「2時間の飲み会」の危険 アルコールのイッキ飲み・アルハラを防止
2018年04月11日
ご存知ですか?「紫外線」 紫外線に打ち勝つ4つの方法
2018年04月11日
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を
2018年04月11日
「甘酒」を飲んでコレステロールを低減、便通を改善 プロラミンが作用
2018年04月09日
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋"
2018年04月06日
【健やか21】「ふくおか子育てマイスター活動事例集」のご紹介
2018年04月06日
東京都が福祉保健基礎調査「東京の子どもと家庭」(速報版)を公表
2018年04月05日
糖尿病患者の痛風リスクがフェノフィブラートで半減 FIELD試験
2018年04月05日
栄養を効率よく摂取するには? くるみ病態別レシピ申し込み受付中
2018年04月04日
女性の「痩せ」志向は不健康 スポーツを通じて女性の活躍を促進
2018年04月04日
働きながら「不妊治療」を受ける人へのサポート 仕事の両立支援が課題に
2018年04月04日
魚の「オメガ3脂肪酸」が死亡リスクを低下 「食後高脂血症」に注意
2018年04月04日
体重増加の犯人は果物や野菜のジュースかも 毎日飲み続けるとどうなる?
2018年04月03日
【連載更新】ナースがおうちで産後ケア/私は踊る保健師!ワクワクを届ける
2018年04月02日
【健やか21】公開フォーラム 「多職種による母子保健の推進~歯科からの提案~」
2018年04月02日
驚きのコラボが実現!『健やか親子21と鷹の爪団のみんなで子育て大作戦』
2018年04月01日
「健康行動の壁 行動を後押しするヒント」へるすあっぷ21 4月号
2018年03月30日
【ちらし配布ご協力お願い】女性特有のがんコミュニティ型SNS「Peer Ring」
2018年03月28日
収入や教育年数が「健康格差」に影響 年収低いほど肥満リスクは上昇
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,045 人(2018年04月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶