ニュース

若年者や未成年者の「禁煙治療」を推進 日本禁煙学会が指針を公表

 日本禁煙学会は、35歳未満の若年者や20歳未満の未成年者を対象にした禁煙治療の指針を公表した。
 「未成年者においても、禁煙の保険治療が可能になった。将来の喫煙者を効果的に減少させるためにも、若いうちから対応することが重要」と指摘している。
喫煙の本質は「依存症」 若年者の禁煙は難しい
 日本禁煙学会によると、喫煙は「ニコチン依存症」という病気であり、いったん喫煙を開始すると脳に変化が起こり、禁煙は容易ではない。

 さらに喫煙開始年齢が低いほど禁煙は難しいとされる。若年者の喫煙率は減少しているが、国民健康栄養調査によると2014年の20?29歳喫煙率は男36.7%、女11.8%と、日本全体の喫煙率男32.1%、女8.5%より高い。

 健康日本21(第二次)では、成人喫煙率は12%へ、未成年者ではなくす、つまりゼロにすることを数値目標に掲げている。

 2016年4月の診療報酬改定により、35歳未満の喫煙者は、数値が高いとがんの発生率が高いとされるブリンクマン指数(1日に吸うたばこの本数×喫煙年数)が200に満たなくても、保険診療として禁煙治療を受けられるようになった。

 ことを契機に、若年者の禁煙指導が増えると予想され、これまで方向性が示されてこなかった若年者の禁煙治療に関する指針を示した。
心理的治療やカウンセリングが中心
 同学会は、未成年者の禁煙治療に関する2件の報告について検討。禁煙治療の基本的な考え方を示す指針を作成した。

 それによると、35歳未満の若年者では「若年者の特徴や注意点を念頭に置いた、心理的治療を含んだ対応が望ましい」。20歳未満の未成年者では「カウンセリングが基本」となる。

 心理的な側面からの治療に関しては、若年者の特徴や注意点を念頭に置いた対応が望ましいとしている。

 若年者が禁煙治療を受けるとき、周囲の大人に伴われたり、勧められたりして受診することがほとんどだ。本人の病識は乏しいこともあり、その場合には治療に対する誤解が起こりやすいとしている。
反抗的な態度などをとる未成年者への対応
 禁煙治療において、治療者はとかく「喫煙するデメリット」「禁煙するメリット」に焦点を当てて説明しがちだが、若年者ではこれらを実感することが難しい。

 そのため、「動機づけ面接法」や「認知行動療法」を駆使し、面談の時に受診者とともに治療目標を立てることが重要だという。

 また、反抗的な態度などをとる未成年者では、その言動をいったん受け止めた上で、前向きに治療を受けるよう促すことなどを求めている。

 さらに、喫煙している家族がいると、若年者は禁煙しにくく、再喫煙しやすくなる。同伴者を含め周囲の大人の喫煙状態を聴取し、若年者と同時に禁煙治療を開始する動機づけを行う必要があるとしている。
薬物療法も推奨 「ニコチン置換療法」が基本
 日本循環器学会などが作成した「禁煙治療のための標準手順書」にそって、カウンセリングだけでは治療が難しい未成年者には、薬物療法も推奨している。

 ニコチンパッチなど喫煙以外の方法でニコチンを摂取し、徐々にニコチン依存を改善する「ニコチン置換療法」(NRT)が望ましいとしている。

 ただし、禁煙補助薬の「バレニクリン」に関しては、未成年者での臨床試験はなされていないことから、使用する際は「十分な注意を要する」と注意を促している。

 同学会は、「未成年者においても、家族等の同意が得られ、かつ保険での禁煙治療基準を満たせば、薬物療法含め、保険治療が可能になった。将来の喫煙者を効果的に減少させるためにも、若年者や未成年者への対応は重要だ」とコメントしている。

日本禁煙学会
若年者の禁煙治療指針(日本禁煙学会 日本禁煙学会雑誌 第11巻第6号)
[Terahata]

「禁煙」に関するニュース

2017年08月22日
認知症の3分の1は予防できる 予防するための4つの生活スタイル
2017年08月21日
【健康啓発4コマ漫画】サンプル公開中「クーラー病」「痛風リスク」
2017年08月21日
9月は健康増進普及月間 ~生活習慣改善を啓発
2017年08月09日
受動喫煙により大動脈疾患リスクが2倍超に増加 家庭外の受動喫煙は深刻
2017年08月04日
【健診・予防3分間ラーニング】サンプル動画3タイトル公開中~
2017年08月03日
2015年度の特定健診の実施率は50.1% 特定保健指導は17.5%で伸び悩み
2017年07月26日
20歳から体重5kg増加は健康リスク 体重を増やさない10の方法
2017年07月26日
高齢者対象の「高血圧診療ガイドライン」 高齢者の降圧には注意が必要
2017年07月26日
糖尿病の最新全国ランキングを発表 ワーストは青森県 ベストは愛知県
2017年07月26日
都道府県の健康格差が拡大 寿命で3.1歳、健康寿命で2.7年の格差

最新ニュース

2017年08月23日
「過労死」の実態把握のための労働調査 なぜ過重労働は改善されないか
2017年08月23日
10月8日は、「糖をはかる日」講演会2017 参加者募集開始
2017年08月23日
大規模災害時の保健活動 「保健医療調整本部」を設置し連携強化
2017年08月22日
認知症の3分の1は予防できる 予防するための4つの生活スタイル
2017年08月22日
「褐色脂肪」を活性化する因子を特定 エネルギー消費を促しメタボに対策
2017年08月22日
健康食品で「肝障害」 黄疸・倦怠感などの症状が 国民生活センター
2017年08月21日
【健康啓発4コマ漫画】サンプル公開中「クーラー病」「痛風リスク」
2017年08月21日
9月は健康増進普及月間 ~生活習慣改善を啓発
2017年08月18日
マシンガーZとのコラボで海外渡航者に麻しん感染予防を啓発
2017年08月16日
賞金3万円!「血糖値アップ・ダウン コンテスト」募集スタート!
2017年08月15日
★参加者募集中★第2回産業保健PC テーマ「保健指導の基本姿勢」
2017年08月10日
8割を超える事業場でストレスチェック制度を実施~厚労省調査
2017年08月10日
【健やか21】冊子「あなたと赤ちゃんの健康」無料配布  申込受付中
2017年08月09日
「味噌」に血圧の上昇を抑える効果 日本型の食事スタイルを再評価
2017年08月09日
健康保険加入者の37%が肥満 脂質や血圧など複数のリスク 健保連調査
2017年08月09日
がん患者の家族が経験する葛藤の実態 がん患者支援に向けた調査結果
2017年08月09日
週3~4回の「飲酒」が糖尿病リスクを低下 アルコールは糖尿病に良い?
2017年08月09日
受動喫煙により大動脈疾患リスクが2倍超に増加 家庭外の受動喫煙は深刻
2017年08月09日
ミカンのポリフェノールに緑内障の改善作用 酸化ストレスから網膜を保護
2017年08月04日
【健診・予防3分間ラーニング】サンプル動画3タイトル公開中~
2017年08月03日
【健やか21】渡航者向けの「麻しん」の予防啓発活動
2017年08月03日
2015年度の特定健診の実施率は50.1% 特定保健指導は17.5%で伸び悩み
2017年08月03日
【連載更新】課題解決のための取組み「ゆりかごタクシー」「ベビー防災」
2017年08月02日
「ウォーキングの格差」が世界規模で拡大 スマホで世界111ヵ国を調査
2017年08月02日
適量のアルコールでも脳には悪影響が 海馬の萎縮リスクが3倍以上に
2017年08月02日
糖尿病の医療費の節約志向が高まるアメリカ 5人に1人が受診を回避
2017年08月02日
犬の散歩は運動になるか? 運動不足を解消するのに効果的である可能性
2017年08月02日
日本の脳卒中の発症者は年間29万人 半分以上が死亡や介護が必要な状態に
2017年08月01日
「熱中症を防ぐ!」へるすあっぷ21 8月号
2017年07月28日
【健やか21】企業主導型保育事業(内閣府)/健康寿命をのばそう!アワード
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,325 人(2017年08月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶