ニュース
脳卒中の脅威が世界中で拡大 脳卒中の新規発症は30年間で70%増【予防のための8項目 80%は予防が可能】

世界的に肥満・糖尿病・高血圧などが増えており、脳卒中を新たに発症した人は30年間で70%増えたことが明らかになった。
脳卒中で死亡した人の数も44%増え、脳卒中がもたらす障害や損失も32%増えている。脳卒中の脅威は世界中で拡大している。
「良い知らせもあります。脳卒中は、予防と治療が可能であることです。米国では、毎年50万人以上が脳卒中を発症していますが、その最大80%は予防が可能と考えられています」と、研究者は指摘している。
米国脳卒中学会(ASA)は、脳卒中の一次予防を推進するために、健康的な生活スタイルを8項目にまとめた「ライフ エッセンシャル 8」も推奨している。
脳卒中は世界中で大幅に増加 脳卒中は予防が可能
脳卒中による負担の84%は改善が可能
世界的に肥満・糖尿病・高血圧などが増えているのを受け、脳卒中を新たに発症した人は1990~2021年に70%増えたという調査結果を、米国のワシントン大学 保健指標評価研究所(IHME)が発表した。
脳卒中で死亡した人の数も44%増え、脳卒中がもたらす障害や損失も32%増えている。脳卒中の脅威は世界中で拡大している。
「世界で毎年、1,190万人が脳卒中を発症し、730万人が脳卒中により命を落としています。脳卒中の発症には、運動不足、気候変動による高温化、大気汚染、喫煙なども関連しています」と、ニュージーランドのオークランド工科大学のヴァレリー フェイギン教授は言う。
脳卒中のリスクを高めるものとして、▼肥満(リスクが88%増)、▼気候変動による高温など(72%増)、▼糖尿病(32%増)、▼糖質が多く含まれる高カロリーの食品や飲料(23%増)、▼運動不足(11%増)、▼高血圧(7%増)、▼コレステロールを下げる不飽和脂肪酸の少ない食事(5%増)などを挙げている。
「脳卒中は、虚血性心疾患と新型コロナに次ぐ、世界で3番目に多い死亡原因です。しかし、良い知らせもあります。脳卒中は、予防と治療が可能な疾患であることです」と、フェイギン教授は指摘する。
「脳卒中による負担の84%は、23の修正可能な危険因子に関連しており、改善が可能です」としている。
脳卒中を予防するための8項目の生活スタイル
ライフ エッセンシャル 8
ライフ エッセンシャル 8

脳梗塞が起こったときにどのような症状があらわれるか
日本の国立循環器病研究センターが公開しているFASTキャンペーンのポスター

Global, regional, and national burden of stroke and its risk factors, 1990-2021: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2021 (Lancet Neurology 2024年10月)
Stroke Facts (米国疾病対策センター 2024年5月15日)
New guideline: Preventing a first stroke may be possible with screening, lifestyle changes (米国脳卒中学会 2024年10月21日)
2024 Guideline for the Primary Prevention of Stroke: A Guideline From the American Heart Association/American Stroke Association (Stroke 2024年10月21日)
Life's Essential 8: Your checklist for lifelong good health (米国脳卒中学会)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「特定保健指導」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
-
【Web講演会を公開】毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」
2025年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」