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「特定保健指導」を受けると医療費が2割安く 全ての年齢階級で有意差

 40歳以上向けの「特定健診」を受診し、糖尿病など生活習慣病のリスクが高いと判定された人のうち、3ヵ月以上の「特定保健指導」を受けた人は、受けなかった人に比べ、医療費が2割安くなることが、全国健康保険協会(協会けんぽ)の約26万人の調査で判明した。
 最大の保険者である協会けんぽの調査で、特定保健指導に効果があることが明らかになったが、実施率は2割以下だという。今後は医療費適正化のため指導強化が求められる。
「保険者機能強化アクションプラン(第3期)」が進行中
 「協会けんぽ」は、総人口の29%に相当する約3,800万人の加入者と、約200万の事業所からなる日本最大の医療保険者で、主に中小企業で働くサラリーマンとその家族の医療を保障している。

 協会けんぽでは、3か年の中期的な計画である「保険者機能強化アクションプラン(第3期)」にもとづき、医療の質や効率性の向上、加入者の健康度を高めること、医療費の適正化の3つの目標を掲げ、保険者機能の強化に取り組んでいる。

 調査では、2011年度~2014年度の4年間継続して協会に加入した40~72歳(2012年度末時点)の被保険者約570万人を対象に、2012年度健診保健指導データをもとに「保健指導利用者・未利用者(積極的・動機づけ)」「特定保健指導対象者・非対象者」「健診受診者・未受診者」に分類した。

 レセプトデータは、2011~26年度の入院外レセプトおよび調剤レセプトのうち、糖尿病・脂質異常症・高血圧症関連の傷病名コードの記載があり、かつ、これらに関連する医薬品コードの記載があるレセプトを対象とし、各群の1人当たり入院外医療費の差を性・年齢階級・年度別に比較した。
特定保健指導対象の男性では7,001円の医療費の差が
 その結果、積極的支援および動機づけ支援を受けた男女は、ほとんどの年齢階級で、未利用者より利用者の1人当たり医療費が低かった。

 積極的支援の男性では全ての年齢階級で有意差がみられ、2014年度の全年齢階級計(40~64歳)の1人当たり医療費の差は、年齢調整後で約3,790円だった。積極的支援の女性でも同様の傾向がみられ、1人当たり医療費の差は、年齢調整後で約4,500円だった。
 動機づけ支援の男性でも、ほとんどの年齢階級で未利用者より利用者の1人当たり医療費が低く、50~64歳および全年齢階級計(40~72歳)で有意な差がみられ、2014年度の全年齢階級計(40~72歳)の1人当たり医療費の差は、年齢調整後で約1,067円だった。動機づけ支援の女性でもほとんどの年齢階級で未利用者より利用者の1人当たり医療費が低く、1人当たり医療費の差は約1,641円だった。

 特定保健指導対象者と非対象者の男性では、2013年度以降は全ての年齢階級で非対象者より対象者の1人当たり医療費が有意に高く、2013年度以降に対象者と非対象者の差が広がる傾向がみられた。2014年度の全年齢階級計(40~72歳)の1人当たり医療費の差は、年齢調整後で約7,001円であった。女性でも、男性と同様の傾向がみられ、1人当たり医療費の差は、年齢調整後で約1万1,264円だった。
特定保健指導の実施率は2割以下 指導強化が求められる
 積極的支援および動機づけ支援では、保健指導に参加することで生活習慣が改善し治療の必要性が低くなり、医療費の伸びが抑制されたと考えられる。健診受診者・未受診者では、未受診者は協会けんぽからの介入がほとんどないのに対して、受診者はリスク保有者へ保健指導の案内などの介入があるため、生活習慣などの改善のきっかけとなり医療費の伸びが抑制された。

 特定保健指導に効果があることが明らかになったが、実施率は2割以下だという。今後は医療費適正化のため指導強化が求められる。

 また、特定保健指導の対象者と非対象者では、対象者の1人当たり医療費が非対象者と比べて高く、特に若い年代で顕著なことから、協会けんぽでは「若い時から特定保健指導の対象者とならないよう自己管理を行うことも、医療費適正化の観点から重要」と述べている。

全国健康保険協会(協会けんぽ)
[Terahata]

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