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くるみの摂取で脳の力を高められる アルツハイマー病予防の可能性も
2012.02.21
 くるみの摂取によって、脳の力を高められる可能性があるとの研究が、米アンドリューズ大学の研究者らによって行われ、科学誌「British Journal of Nutrition」2011年9月号で発表された。

くるみは、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質をバランスよく豊富に含む、健康的なホールフード(未精製・未加工の食品)として注目されている。特にくるみには、ナッツ類では唯一、オメガ3(n-3系)脂肪酸が豊富に含まれている。

 くるみは古くから「ブレインフード(健脳食)」としても知られているが、今回の研究で、くるみが実際に学生の脳の力を高めることが確かめられた。受験生はもちろん、高齢者や仕事で高い集中力を必要とする人たちに向け朗報となりそうだ。

くるみを食べると正誤問題の解答率が高まる
くるみ
 米国ミシガン州アンドリューズ大学の栄養・健康学科の准教授Peter Pribis博士は「若年層がくるみを摂取したときの認知能力への効果」に関する研究を行った。くるみを短期集中的に摂取することで、若年層において記憶力、洞察力(直感)、心的状態(気分)や批判的思考能力の変化があらわれるかを試験した。くるみを食べることで、認知機能が改善するのではないかと考えられたからだ。

 Pribis博士らの研究チームは、アンドリューズ大学の学生64人を対象に試験を行った。参加した学生を2群に分け、ともに1日2切れのバナナブレッドを摂取してもらい、一方は細かく砕いたくるみ入りのバナナブレッド、もう一方はくるみ無しのバナナブレッドを8週間摂取してもらった。さらに、くるみを摂取したグループには、1日当たり1/2カップ(約60g)のくるみを8週間摂取してもらった。

 各学生は短い原稿を読んだ後、5つの文章に対し「正しい、部分的に正しい、間違っている、部分的に間違っている、または判断するのに情報が十分ではない」で答え、「推論的論証能力(inferential verbal reasoning)」を試した。その結果、くるみを摂取したグループでは推論的論証能力が11.2%改善していた。

 「我々はくるみを摂取した学生は批判的思考、特に推論的論証能力が改善したことを発見した」とPribis博士は述べ、「くるみが認知機能に与える影響について理解を深めるのにさらなる研究が必要だ」としながらも、「批判的思考や意思決定を多く伴う分野に携わる学生や若い専門職は、日常的にくるみを摂取すると効果があるかもしれない」と結んでいる。

くるみが脳細胞を保護しアルツハイマー病の発症リスクを抑える可能性
 くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は、脳情報伝達に関わる脳細胞膜を構成し、その働きを保つために不可欠で大切な栄養素。栄養バランスの良い食事をとり、オメガ3脂肪酸の血中濃度が高い人では、ジャンクフードを食べる人よりも認知能力テストの成績が良いことを示した研究も発表されている。

 さらに、米国の科学誌「Neurochemical Research」に発表された研究では、くるみ抽出物にアルツハイマー病患者の脳内アミロイド沈着物の主成分アミロイドベータタンパク質(Aβ)が引き起こす酸化ストレスや細胞死から細胞を保護する作用があると報告された。

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 ニューヨーク州立発達障害基礎研究所・発達神経科学研究室長のAbha Chauhan博士は「健康的な食事の一部としてクルミを食べることは、脳機能の低下を防ぐかもしれない」と話す。

 以前の研究で、活性酸素による酸化ストレスが、アルツハイマー病の発症に重要な役割をもっている可能性があるとの報告があり、これによると、アルツハイマー病の脳で増加するベータアミロイドは、脳細胞を死に導く酸化ストレスを増加させることがあることが示されている。

 「酸化ストレスと炎症は、アルツハイマー病の病態生理における顕著な特徴となる。くるみは栄養密度の高いホールフード(未精製の食品)で、抗酸化物質だけでなく、植物性オメガ3脂肪酸であるアルファリノレン酸(ALA)の供給源にもなる。くるみに含まれるこれらの成分には抗炎症作用があり、脳細胞を酸化ダメージから守る」とChauhan博士は説明する。

 厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』(2010年版)では、オメガ3脂肪酸の摂取量の目標値を決めており、1日あたり(18‐29歳)男子で、2,100ミリグラム以上、女子で1,800ミリグラム以上としている。ひとつかみのくるみ(約28g)には2542mgのオメガ3脂肪酸が含まれる(米国農務省データ)。このようなことからも、くるみは毎日食べたい食品と言えよう。

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(soshin)
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