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喫煙の健康影響は深刻 年間600万人が死亡 世界禁煙デー

 5月31日は世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」。厚生労働省は、この日から始まる1週間を「禁煙週間」(5月31日~6月6日)と定め、「たばこフリー(たばこのない環境)」を広く国民に訴求するため、普及啓発活動を行っている。

 「世界禁煙デー」は、1989年にWHOが制定し、世界中の国々に呼び掛けている取り組みであり、今年で26年目となる。WHOはたばこによる健康影響に関する調査結果を発表した。

●6秒に1人が喫煙が原因で死亡
 喫煙が直接的な原因となった死亡者数は、全世界で600万人に上る。6秒に1人が喫煙により死亡している計算になる。有効な対策を実施しないと、喫煙による年間死亡者は2030年までに800万人に増えると予測されている。

●喫煙が原因で10億人が死亡
 喫煙が原因となり死亡した数は、20世紀は1億人を超えた。喫煙率を下げ、受動喫煙を防止する対策を施さないと、21世紀には死亡数は10億人に増えると見込まれている。

●喫煙に関する調査を行っているのは59ヵ国
 WHOは未成年者と成人の喫煙に関する調査を5年ごとに行う必要があると定めているが、実際に調査を行っているのは、「たばこの規制に関する枠組条約」の締約国の半数に満たない59ヵ国に過ぎない。日本人の喫煙者の割合は20.1%(男性32.4%、女性9.7%)(平成23年調査)。

●たばこには250種類以上の有害物質が含まれる
 たばこには4,000種類の化学物質が含まれ、うち250種類以上が人体に有害で、50種類以上は発がん性があることが確かめられている。喫煙は、がん、循環器疾患、呼吸器疾患、生殖器の疾患などの原因になる。喫煙によって体の臓器のほぼ全てが害を受け、健康状態は悪くなる。

●喫煙による健康影響は十分に理解されていない
 喫煙の害を適正に理解していない人が多く、例えば中国で2009年に行われた調査によると、たばこが冠動脈性心疾患の原因になるのを知っていた割合は喫煙者の38%に過ぎなかった。同調査では、たばこが脳卒中の原因になることを知っていたのは27%であることも示された。
 日本を含む42ヵ国で、たばこのパッケージに喫煙に健康影響があることが明記されている。しかし、たばこを吸う人は、そうした健康影響の詳細を知らなかったり、まだずっと先の話だと思ったり、たいしたことがないと過小評価する傾向がある。

●受動喫煙対策は十分に行われていない
 喫煙する人が吸っている煙だけではなく、たばこから立ち昇る煙、また喫煙者が吐き出す煙にも、ニコチン、タール、一酸化炭素はもちろん、多くの有害物質が含まれている。間接喫煙による死亡者数は、全世界で年間60万人以上に上る。
 たばこ規制枠組条約の締約国は、公共スペースを原則として全面禁煙にするなど、受動喫煙対策を行うことが義務付けられているが、実際に受動喫煙から守られている人口は11%以下とみられている。

●禁煙のメリットは大きい 適切なサポートで成功率は2倍に
 禁煙によって、長期にわたるメリットだけではなく、即効性のメリットも得られる。喫煙によって引き起こされるさまざまな病気のリスクが低くなり、健康状態も良くなる。喫煙の害を理解している人の大部分は禁煙を望んでおり、適切な医療サポートと薬物療法によって禁煙の成功率は2倍以上に高まるという調査結果も発表された。しかし、禁煙サポートを受けられる国は日本を含む19ヵ国に過ぎず、恩恵を受けられているのは世界人口の14%に過ぎない。

世界禁煙デー(世界保健機関)

[Terahata]
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