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米国の5学会が「禁煙相談キャンペーン」 世界禁煙デー

 5月31日の「世界禁煙デー」に合わせ、米疾病対策センター(CDC)と、米国家庭医学会(AAFP)、米国医師会(AMA)など、約60万人の医師が所属する5つの医学会が「医師に相談しましょう(Talk with Your Doctor)」という禁煙キャンペーンを開始した。テレビCMやインターネットなどで、大規模なキャンペーンが展開されている。医師が主導的役割を果たすことで、患者の禁煙率を向上させることが狙いのようだ。

 米国の喫煙者人口は4,300万人で、国民の5人に1人が喫煙しており、年間44万人が喫煙が原因で死亡していると推定されている。受動喫煙にさらされている小児の数は1,500万人に上るという。CDCが行っている国民健康調査「NHIS」(National Health Interview Survey)によると、喫煙者の70%は「できることなら禁煙したい」と考え、半数は実際に禁煙を試みているという。

 キャンペーン広告では、「医師に相談し助けを得れば、あなたも禁煙できます」というナレーションとともに、喫煙による喉頭がんなどを発症した患者の映像が流される。「禁煙することにより、長期にわたるメリットだけではなく、即効性のメリットが得られます。禁煙を始めるのが遅すぎるということはありません」と強調される。

 「喫煙者の多くは禁煙を望んでおり、適切な医療サービスを提供すれば禁煙の成功率は高まることが分かっています。今回のキャンペーンでは、喫煙者のやる気を引き出すために、医師が重要な役割を担っていることを強調します。分かりやすく、理性と感情に訴えかける広告表現が、患者に治療に対する動機付けを与えます」と、CDCのトム フリーデン長官は説明する。

 キャンペーンでは「喫煙は慢性閉塞性肺疾患、がん、心臓病、喘息、2型糖尿病を引き起こします。医師からのメッセージは明確です。禁煙は禁煙をはじめるときは今なのです。明日、あなたのかかりつけ医師に、禁煙について相談しましょう」というメッセージが繰り返される。

 「キャンペーンをきっかけに、医師が患者に禁煙を勧める頻度が高まります。医師が数分のアドバイスをすることで、患者の禁煙成功率は2倍以上に高まるのです。たとえ3~5分でも、全ての患者に明確なアドバイスを行えば、多くの患者は禁煙に真剣に取り組むようになるでしょう」と米国臨床医学会(ACP)のチャールズ カトラー理事長は強調する。

 キャンペーンには米国産科婦人科学会(ACOG)も参加。「産婦人科医にとっても、患者の喫煙問題は大きな課題となっています。患者との禁煙について話し合いが促進されることを期待しています」、とACOGのジャンヌ コーニー理事長は話す。

 「医師は多忙ですが、コレステロール検査や子宮頸がん検診などを行う傍らで、禁煙指導が効果的であることにも気をかける必要があります。健康寿命を延ばすために、禁煙は確実な方法となります。禁煙指導を実行可能な支援策として着実に行うことで、米国人の健康増進に貢献できます」と、米国医師会(AMA)のパトリス ハリス理事は述べている。

Campaign encourages smokers to "Talk With Your Doctor" for help quitting(米疾病対策センター 2013年5月22日)
The Nation's Doctors Join Together to Encourage Smokers to "Talk With Your Doctor" for Help Quitting for Good(米国家庭医学会 2013年5月22日)
[Terahata]
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