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睡眠障害をネットで診断 睡眠医療の専門家らがサイト開設

 パソコンやスマートフォンでアクセスし質問に答えていくと、「不眠症」や「うつ病」、「むずむず脚症候群」、「概日リズム睡眠障害」といった睡眠障害を診断するウェブサイトを、国立精神・神経医療研究センターなどの研究チームが開設した。
 独自に開発した診断アルゴリズムを用いて、頻度の高い代表的な20以上の睡眠障害の簡易診断ができるという。500人以上の患者に協力してもらい、睡眠問題に悩みながらも睡眠医療の専門家を受診できない人向けに開発した。
ネットで簡単な質問に答えるだけで睡眠障害を判定
 ストレス社会、夜型社会、24時間社会と呼ばれる現代では、眠りの問題を抱える人が多い。「睡眠不足がたまっている」、「休日の寝だめでも疲れが取れない」、「ふと気づいたら寝落ちしていた」、「ハッと気づくと居眠り運転をしていた」、「夜型生活から抜け出せない、朝起きられない」、「シフトワーク(夜勤)で不眠がち、仕事中も眠い」など、睡眠に関する悩みは多い。

 健康日本21の調査によると、睡眠の悩みを抱える人は日本人の5人に1人に上る。一方、診断治療法が進歩する一方で、睡眠障害の専門治療を受けられる医療施設は十分ではない。不眠症や過眠症、概日リズム睡眠障害などの睡眠障害に対応できる医療施設も限られている。

 睡眠不足だけが睡眠問題ではない。現代では数多くの睡眠の病気(睡眠障害)が増加している。睡眠障害の種類は100種類近くもあり、快眠のための試みが有効でないときや、不眠・日中の眠気が1ヵ月以上続くときなど、何らかの睡眠障害に罹患している可能性がある。

 睡眠障害は、眠気や倦怠感、能率低下などに加え、うつ病や生活習慣病のリスク要因となるなど、心身に多大な影響を及ぼす。睡眠問題に起因する事故や健康被害、休業などによる損失額は国内だけで年間3兆5,000億円にも達するという。

 そこで、国立精神・神経医療研究センターでは精神・神経疾患研究開発費事業の一環として、平成23年度~25年度の3年間をかけて、全国の代表的な睡眠医療施設、大学、研究機関の専門家と共同し、睡眠医療の支援と睡眠障害研究の促進を目的とした睡眠医療プラットフォーム(睡眠医療および睡眠研究用プラットフォーム、PASM)を作成した。

 PASMは、睡眠障害の早期診断から始まり、質の高い睡眠医療の提供、臨床情報や研究用バイオリソースの管理までをサポートする睡眠医学領域でははじめての集約型プラットフォーム。作成した専門家チームは同センターや京都大、滋賀医科大、東京慈恵会医科大など全国11施設の精神科医らで構成される。

 自宅のパソコンやスマートフォンでPASMにアクセスし、「夜、よく眠れませんか?」、「日中に強い眠気がありますか?」など、睡眠習慣や悩んでいる症状に関する質問に順次答えるだけで、罹患している可能性のある睡眠障害を簡易判定する。睡眠障害の疑いのある人には、詳細診断が可能なサイトを紹介する。

 診断結果はモニター画面のほか、PDF等で保存・印刷することも可能。診療を希望する場合には、受診先に診断結果を持参することもできる。

睡眠障害の臨床および基盤研究が進展
 PASMは臨床情報と基盤研究用バイオリソースを機能的に集約する国内初のシステム。第1モジュール(自己診断システム)、第2モジュール(臨床支援システム)、および第3モジュール(データバンクシステム)の3つのモジュールから構成される。

 第2モジュール(臨床支援システム)は、ID登録した医療機関の医師、コメディカル、通院中の患者が利用できる睡眠医療の支援システム。睡眠医療を行うために必要な多数の症状評価スケールが装備されており、活動量計データをパソコンやスマートフォン経由で取り込み、そのままPASMに送信することができるため、医療者は患者の在宅時の症状や検査結果を病院で事前に確認でき、診察時に適切に指導することができるようになる。

 第3モジュール(バイオバンクシステム)は、研究に同意した患者を対象として、提供された臨床データやバイオリソース(DNA、RNA、血液など)を連結可能匿名化してバンキングするシステム。

 在宅での睡眠状態を継続的・高精度に判定できる新型活動量計や携帯型脳波計のデータマイニング技術の実用化が進んでおり、活動量計は1万円を切る廉価版が市販され、一般の医療機関でも利用可能になっている。

 今後の睡眠医療には、高い診断と臨床データの解析技術が求められる。PASMを有効活用することで、睡眠障害の早期発見、睡眠医療の向上、さらには睡眠障害の臨床および基盤研究が進展することが期待される。

睡眠医療および睡眠研究用プラットフォーム
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

[Terahata]

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