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高血圧学会「基準は140/90mmHg」 人間ドック学会基準を否定
2014年07月29日
日本高血圧学会は、高血圧の基準に関するパンフレットを作成したと発表した。「世界も日本も、高血圧基準は140/90mmHgです」との見出しを付け、高血圧学会の基準値を守ることの重要性を強調している。
「高血圧基準は140/90mmHg」と強調
高血圧は脳卒中や心筋梗塞を誘発するリスクが高い生活習慣病のため、日々数値をチェックする中高年は多い。その血圧値をめぐる「新基準」で医療現場が混乱している。日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が今年4月にまとめた高血圧に関する数値の基準案が、従来の目安より大幅に緩かったことが発端だ。
基準案では、収縮期(最大)血圧を147mmHg、拡張期(最小)血圧を94mmHgを高血圧の基準としたため、メディアは「基準緩和へ」などと報道した。
そのため病気の悩みをもつ患者からは「自分は高血圧ではないのではないか」「降圧剤を飲み続ける必要はあるのか」との戸惑いの声は広がった。
しかし、この「新基準」について高血圧学会が反論。さらに、コレステロールの基準についても日本動脈硬化学会が意義を唱え、日本医学会などからも問題点が指摘された。
高血圧学会は「事態は沈静化しつつある」としつつ、「(高血圧の基準が)緩和されたかのような誤った印象は一部に根強く残っており、いまだ混乱を招いているように思われる」とし、今回のパンフレットを作成したという。
パンフレットは3種類あり、講演などにもそのまま使用できる。いずれも人間ドック学会が示した基準「147/94mmHg」に×印を付け、高血圧の基準はあくまで「140/90mmHg」であり、将来の心血管疾患や脳卒中、腎臓病の発症予防に向け基準値を超えないレベルに保つことの重要性を強調している。
糖尿病と高血圧を合併すると、脳卒中や心筋梗塞などの発症が高まるため、血糖と血圧の両方のコントロールが重要となる。そのため、血圧コントロール目標は「130/80mmHg」と、一般の高血圧の基準よりも低く設定されている。
糖尿病患者の血圧コントロールの指標
収縮期(最大)血圧 130mmHg
拡張期(最小)血圧 80mmHg
パンフレットは、日本高血圧学会の公式サイトから無料でダウンロードできる。
世界も日本も、高血圧基準は 140/90 mmHgです(日本高血圧学会)
収縮期(最大)血圧 130mmHg
拡張期(最小)血圧 80mmHg
病気の診断・目標は「臨床判断値」で
日本人間ドック学会などが、今年4月に発表した「新たな健診の基本検査の基準範囲」に関する報道は医療現場に混乱をもたらした。
これについて、日本医師会と日本医学会は7月23日に声明を発表。通常、検査の「基準値」と言われているものには「基準範囲」と「臨床判断値」があるが、両者は意味するところは全く違っており、明確に区別すべきものであると説明している。
人間ドック学会らが公表したのは「基準範囲」であり、これは多くの健常人から得られた検査値を多数集めて、その分布の中央 95%を含む数値範囲を統計学的に算出したものだ。
日本医師会は、「基準範囲を、疾病の診断、将来の疾病発症の予測、治療の目標などの目的に使用することは難しい」と強調し、「疾病の診断、将来の疾病発症の予測、治療の目標に用いられるべきは臨床判断値」と注意を呼びかけている。
日本人間ドック学会・健保連が示す検診の検査基準に対する見解(補足)(日本医師会)
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