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特定健診の受診率は48.6% 健保組合などで高い伸び率 腹囲は見直し
2016.07.12
 特定健康診査の2014年度の受診率が、前年度より1.0ポイント増え48.6%だったことが11日、厚生労働省の集計で分かった。特定健診・特定保健指導の実施率は、毎年着実に伸びてはいるものの、目標である「特定健診 70%」「特定保健指導 45%」には届いていない。
特定保健指導対象者は減少
ポピュレーションアプローチが浸透
 特定健康診査の2014年度の対象者数は5,384万7,427人で、そのうち受診したのは2,616万3,456人(48.6%)。特定保健指導の対象者数は440万3,850人で、対象者割合は16.8%。うち終了者数78万3,118人で、終了率は17.8%となっている。

 特定健康診査の受診率は、2008年度(38.9%)に比べ、2014年度(48.6%)は9.7ポイント伸びた。一方で、特定保健指導対象者は、2008年度(19.9%)に比べ、2014年度(16.8%)は3.1ポイント下がっている。
 特定保健指導対象者数が減少した理由としては、▽2008年度から開始された特定保健指導が徐々に浸透し、その効果が現れてきた、▽対象者にとってわかりやすい腹囲基準やメタボが国民的に知られるようになり、意識する人が増えてきたことと、保険者によるポピュレーションアプローチが行われるようになってきた、▽受診勧奨により医療(通院・内服治療)へ結びつく人の存在――という3点が考えられる。
特定保健指導実施率は保険者で差がある
健保組合と共済組合で7割超
 2014年度の特定保健指導実施率は、保険者種別でみると、健保組合と共済組合の伸び率が大きくなっている。特定健康診査の実施率は、市町村国保(2,216万人)では35.3%、国保組合(148万人)では45.5%、全国健康保険協会(1,474万人)では43.4%、健保組合(1,181万人)では72.5%、共済組合(361万人)では74.2%となっている。

 同じく特定保健指導の実施率は、市町村国保(92万人)で23.0%、国保組合(13万人)で9.1%、全国健康保険協会(123万人)で14.8%、健保組合(161万人)で17.7%、共済組合(50万人)で18.1%となっている。
 メタボリックシンドローム該当者および予備群は、2014年度は684万2,913人(26.2%)で、2008年度の541万8,272人(26.8%)に比べ、横ばいで推移している。保険者種別でみても同様の傾向がみられる。なお、非服薬者のうちのメタボリックシンドローム該当者および予備群者の減少率は、2008年度に比べ、2014年度は12.74%低下した。
「12誘導心電図」と「眼底検査」を検査項目に追加
 第3期特定健診・特定保健指導では、「12誘導心電図」を詳細な健診として実施するのではなく、速やかな受診勧奨につなげるために行う方針が固められた。左室肥大や心房細動等を対象疾患とし、血圧が受診勧奨判定値以上の者や問診などで不整脈が疑われる者で医師が必要と認める者に対して実施する。

 臓器障害を評価するための検査なので、対象者にはできるだけ早期に検査を実施するべきであり、異常を指摘された場合はできるだけ早期の精密検査や医療による介入が望ましい。特定健康診査では基本的に対象者に受診勧奨を行うことになる。

 また、「眼底検査」について、高血圧性網膜症や糖尿病性網膜症などを対象疾患とし、血圧または代謝系検査が受診勧奨判定値以上の者で医師が必要と認める者に対して実施する。眼底検査の判定は判定医の経験、技量に左右されるため、検査の精度が明確でなく、健診として実施する場合には判定基準の標準化を担保する必要がある。
腹囲の基準の見直しへ 基準未満でも危険因子があればリスクは上昇
「腹囲が基準未満でも新たな介入を行うのが妥当」

 「特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」(座長:永井良三・自治医科大学学長)では、第3期特定健診・特定保健指導に向けた見直しが進められている。虚血性心疾患・脳血管疾患は、腹囲にかかわらず血圧、血糖、脂質等の危険因子と関連していることから、腹囲の基準の見直しを始めている。

 検討会では、現行の保健指導区分にもとづき、腹囲およびBMIが基準未満の者を「対照群」とした場合、積極的支援群では男女ともに虚血性心疾患、脳血管疾患の発症リスクが高いこと、腹囲が基準以上であっても危険因子を保有しない者はリスクは上昇しないことが指摘された。

 腹囲およびBMIが基準未満で危険因子をもたない者を「厳密な対照群」とした場合、動機づけ支援群、積極的支援群とともに、腹囲およびBMIが基準未満で危険因子を1つ以上もつ者は、男女ともに虚血性心疾患、脳血管疾患の発症リスクが高いことが明らかになった。さらに、腹囲およびBMIが基準未満で危険因子を1つ以上もつ者は、腹囲またはBMIが基準以上で危険因子をもたない者よりも、虚血性心疾患や脳血管疾患の発症リスクが高いことが示された。

 また、女性では腹囲およびBMIが基準未満の者での虚血性心疾患・脳血管疾患の発症者数が、腹囲またはBMIが基準以上の者での発症者数を上回ることが明らかになった。「保健指導対象者の選定・階層化基準においては、腹囲が基準以上の者については従来の介入方法(特定保健指導)を選択し、腹囲が基準未満の者については新たな介入方法を行うのが妥当」と検討会では指摘している。

 なお、現状の腹囲の基準値は、男性85cm以上、女性90cm以上。女性の腹囲を85cmへ変更した場合も検討されたが、虚血性心疾患、脳血管疾患の発症リスクに与える影響は小さいことから、現状の基準値を維持することが決まった。

第22回保険者による健診・保健指導等に関する検討会(2016年7月11日)
(Terahata)
©2017 日本医療・健康情報研究所. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

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