ニュース

「低糖質 vs 低脂肪」どちらのダイエットが優れている? 議論に決着

 低糖質ダイエットと低脂肪ダイエットのどちらかを支持している人には失望をもたらすかもしれない研究が発表された。結果は「どちらのダイエットも体重減少については差がない」というものだった。
 「食事療法にも多様性が求められている」と研究者は指摘している。
「低糖質ダイエット vs 低脂肪ダイエット」を検証
 糖質の摂取量を減らす「低糖質ダイエット」と、脂肪の摂取量を減らす「低脂肪ダイエット」を比べたところ、減量効果は同程度だという研究が発表された。

 この研究は、米国のスタンフォード大学などの研究チームによるもので、詳細は「JAMA」(米国医師会雑誌)に発表された。

 「"このダイエット方法は効果があった"という知り合いの勧めに乗って、同じことを自分でも試してみたが、まったく効果がなかった"といった話はよくあります」と、スタンフォード大学のクリストファー ガードナー教授(予防医学)は言う。

 「私たちの体は一人ひとり異なっており、食事療法にも多様性が求められることが、分かってきました。問われているのは、"最良のダイエットが何であるか?"ということではなく、"そのダイエットは誰にとって最良なのか?"ということです」と、ガードナー教授は指摘する。
減量効果は同じ? 体重変動に個人差が
 研究チームは、18~50歳の男女609人を対象に、低糖質ダイエットを行うグループ(304人)と、低脂肪ダイエットを行うグループ(305人)の2つに無作為に分けた。それぞれのグループは1年間、指示された食事法を続けた。

 1年間の期間の終了時に、低糖質ダイエットを続けた人は、平均して1日に132グラムの炭水化物を摂取しており、試験前の247グラムの半分近くまで減らした。

 同様に、低脂肪ダイエットを続けた人は、平均して1日に57グラムの脂肪を摂取していた。試験が始まる前には平均87グラムを摂取しており、3分の1を減らした。

 参加者のうち79%(481人)が試験を完遂した。その結果、試験開始から1年後には、低糖質ダイエット群では平均で6.0キログラム、低脂肪ダイエット群では5.3キログラム減量し、減量効果は両群間で同程度であることが分かった。

 しかし、個人によって体重の変動幅は大きく、27キログラム減らした人や、逆に6.8~9キログラム増やした人もいた。
どの食事スタイルが成功するかは予測できない
 研究チームは実験開始時に、参加者のゲノムの一部を解析し、炭水化物や脂肪の代謝を変調させるタンパク質の生成に関連する特定の遺伝子パターンを探った。さらに参加者にブドウ糖負荷試験を行い、空腹時から糖負荷後の血糖値の変動を測定した。さらに血液のインスリン量の測定も行った。

 その結果、これまで考えられていた仮説と異なり、どの食事スタイルが成功するかは予測できないことが、遺伝子型パターンやインスリン値によって明らかになった。

 研究チームは参加者に、どちらの食事スタイルに振り分けられたにせよ、「新鮮な野菜を食べる」「精製された加工食品をなるべく控える」「極端に空腹になるのを避ける」「食後に運動をし、血糖値が上昇するのを防ぐ」など、一般的な食事のアドバイスをした。

 とくに注意したのは、特定の食事スタイルを長期間続けられるよう調整することだ。「研究が終わっても、自分の選んだ健康的な食事スタイルを、ずっと続けられるようになることを目指した」という。
食事療法を個別化することが必要
 「低脂肪ダイエットと低糖質ダイエットのどちらも、無条件に健康に良いわけではありません。たとえば、カロリーの多い炭酸飲料は低脂肪ですが、健康的ではなく、ラードは低糖質ですが、アボカドの方がより健康的です」と、ガードナー教授は指摘する。

 体重を減らすために基本となることは、食事で必要な栄養素を十分に摂り、カロリー摂取量が消費カロリーを上回らないようにコントロールすることだ。

 ガードナー教授によると、体重を効果的に減らすことを目指しているという点で、低脂肪ダイエットと低糖質ダイエットは戦略が似ているという。糖類を控えて、全粒粉を積極的に摂り、野菜も十分に摂るなど、健康的な食事には共通した点があるからだ。

 「研究で得られた最大の利点は、とくに減量に成功した参加者から、"食事と健康の関係についてより深く考えるようになり、自分の食事を見直して、食品の選び方にも注意するようになった"といった声が多く聞かれたことです」と、ガードナー教授は言う。

 「求められているのは、食べることを我慢することではなく、もっとスマートな食べ方に変えていく方法を探ることです。食事療法を成功させるために、患者よって個別化することを考えるべきでしょう」としている。

Low-fat or low-carb? It's a draw, study finds(スタンフォード大学 2018年2月20日)
Effect of Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on 12-Month Weight Loss in Overweight Adults and the Association With Genotype Pattern or Insulin SecretionThe DIETFITS: Randomized Clinical Trial(JAMA 2018年2月20日)
[Terahata]

「特定保健指導」に関するニュース

2018年05月24日
2018年度東京CDE・CDS受験者用講習会7月より募集開始
2018年05月23日
「子宮頸がん」の抗ウイルス薬の開発に成功 年内に治験を開始する予定
2018年05月23日
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進
2018年05月23日
「高血圧」の治療で伝わらない説明 コミュニケーションのズレは深刻
2018年05月23日
「遺伝子検査」で糖尿病リスクが分かる 日本人4700人超を調査
2018年05月22日
【報告】産保PCのこれまで活動内容をポスター発表しました(第91回日本産業衛生学会)
2018年05月21日
「血糖トレンドの"読み方":AGP」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2018年05月16日
体重コントロールを成功させるシンプルな方法 必要なことは1つだけ
2018年05月16日
早期のアルツハイマー病「軽度認知障害」 日本人対象の研究で解明
2018年05月16日
やせていても糖尿病に? 筋肉が少なく脂肪がたまると高血糖に

最新ニュース

2018年05月25日
2歳までの抗菌薬使用歴が5歳時のアレルギー疾患リスクに関連か―成育医療研究センター調査
2018年05月24日
【健やか21】シンポジウム「スマホから離れて、夏休みを楽しもう」
2018年05月24日
2018年度東京CDE・CDS受験者用講習会7月より募集開始
2018年05月23日
「子宮頸がん」の抗ウイルス薬の開発に成功 年内に治験を開始する予定
2018年05月23日
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進
2018年05月23日
「ヒアリ」の早期発見のためのキットを開発 水際対策での効果に期待
2018年05月23日
「高血圧」の治療で伝わらない説明 コミュニケーションのズレは深刻
2018年05月23日
「遺伝子検査」で糖尿病リスクが分かる 日本人4700人超を調査
2018年05月22日
【報告】産保PCのこれまで活動内容をポスター発表しました(第91回日本産業衛生学会)
2018年05月22日
【書籍プレゼント】『集団分析・職場環境改善版 産業医・産業保健スタッフのための ストレスチェック実務Q&A』を5名様にプレゼント
2018年05月22日
食育の取り組みをエビデンスに基づいて整理、解説―農林水産省がパンフレット作成
2018年05月21日
「血糖トレンドの"読み方":AGP」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2018年05月17日
敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
2018年05月17日
【健やか21】パンフレット『「食育」ってどんないいことがあるの?』
2018年05月16日
体重コントロールを成功させるシンプルな方法 必要なことは1つだけ
2018年05月16日
SNSの「自殺防止相談」に月に1万件以上 「対策強化月間」に実施
2018年05月16日
早期のアルツハイマー病「軽度認知障害」 日本人対象の研究で解明
2018年05月16日
やせていても糖尿病に? 筋肉が少なく脂肪がたまると高血糖に
2018年05月16日
「睡眠障害」が高血圧・糖尿病に関連 日本で最大規模の研究
2018年05月16日
トマトのリコピンはニンニクやタマネギで調理すると吸収されやすくなる
2018年05月15日
6割強が食中毒予防で「肉は水で洗う」に効果があると誤解-東京都の実態調査
2018年05月11日
【新連載】イラストで魅せる!健康啓発「見せ方」の工夫
2018年05月10日
【健やか21】SNS等に起因する被害児童の現状と対策の掲載(警察庁)
2018年05月08日
元気高齢者を「介護サポーター」に 介護予防の観点から社会参加を促進
2018年05月08日
米国糖尿病学会「立ち上がって運動しようデー」 8つの対策で運動推進
2018年05月08日
「鰹だし」で抗がん剤の副作用を予防 血管を拡張する作用を確認
2018年05月08日
【投票企画】プルーンレシピコンテスト開催中! 栄養を効率よく吸収できる「食べ合わせ」
2018年05月07日
大豆から食べる「大豆ファースト」で食後の血糖値の急上昇を改善
2018年05月07日
従業員のいる飲食店は屋内禁煙に~東京都・受動喫煙防止条例の骨子案
2018年05月02日
新入社員の健康教育や女性の健康啓発に最適 「働く人のための健康づくりシリーズ」指導箋
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,145 人(2018年05月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶